コロナ禍では直葬や一日葬で葬儀を行う人が増えましたが、改めて家族葬を検討する方が増えてきました。インターネットで葬儀を調べると目にする「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」。
中でも「小さな家族葬」と「よりそう家族葬(二日プラン)」は、共に通夜と告別式を行う2日間の家族葬プランです。価格やサービス内容、実績など何が違うのか気になりますよね。
本記事では公式情報をもとに両プランを比較し、それぞれの特徴や選ぶ際のポイントを分かりやすく解説します。どなたにも理解しやすいよう、専門用語はかみ砕いて説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
両社のサービス概要 – インターネット葬儀の仲介サービス
「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」は、ともにインターネット葬儀の仲介会社です。自社のコールセンターで遺族の状況や希望をヒアリングし、提携する地元の葬儀社に施行を委託する仕組みになっています。いわば葬儀の窓口のような存在で、電気工事などで近くの業者を紹介してもらうサービスをイメージするとわかりやすいでしょう。
両社はそれぞれ独自のセットプラン(パッケージ料金)を用意し、提携葬儀社はその統一プラン・価格に沿って葬儀を行います。これにより、かつて「青天井」と言われ不透明だった葬儀費用を明瞭化し、利用者が安心して依頼できるよう工夫されています。実際、「小さなお葬式」も「よりそうお葬式」もテレビCMやインターネット広告で積極的に情報発信しており、幅広い世代に知られています。
なお運営会社はそれぞれ異なり、「小さなお葬式」は株式会社ユニクエスト(2009年サービス開始)、「よりそうお葬式」は株式会社よりそう(旧みんれび、2013年サービス開始)です。どちらも全国対応のサービスで、24時間365日いつでも電話相談できる体制を整えています。公式サイトには複数のプランが掲載されていますが、今回は家族葬プラン同士である「小さな家族葬」と「よりそう家族葬(二日プラン)」に絞って比較してみましょう。
プラン内容と料金の比較 – どちらも明朗会計の家族葬プラン
「小さな家族葬」と「よりそう家族葬(二日プラン)」はいずれも通夜・告別式の2日間を家族中心の少人数で執り行う葬儀プランです。想定される参列者規模は、小さな家族葬が10~30名程度、よりそう家族葬(二日プラン)は1~30名程度とされています。両プランとも親しい方だけで最後のお別れの時間をゆっくり過ごせる内容で、「一般葬ほど大げさにせず身内だけで送りたい」というニーズに応える形です。まず料金体系を比較してみましょう。
▼料金比較表:小さな家族葬 vs よりそう家族葬(二日プラン)
| プラン | 小さな家族葬 (小さなお葬式) | よりそう家族葬 (二日プラン) |
|---|---|---|
| 通常価格(税込) | 550,000円 | 438,900円 |
| 割引適用後の価格(税込) | 495,000円 | 405,900円 |
| 参列人数の目安 | 10~30名程度 | 1~30名程度 |
※小さなお葬式の割引は資料請求+事前相談で5万円引き、よりそうお葬式は資料請求+事前登録で3万円引き(税込値引額はそれぞれ5万5千円、3万3千円程度)となっています。いずれも事前申し込み自体に費用はかからず、早めに情報収集・登録することでお得に利用できます。
表を見ると、額面上の価格はよりそう家族葬(二日プラン)の方が安めです。通常価格で約11万円、小さなお葬式の割引後価格と比べてもよりそうの方が約9万円安くなっています。ただし後述するように両プランの基本サービス内容はほぼ共通で、大きな差はありません。価格重視で選ぶなら確かによりそう家族葬がお得ですが、「価格だけで決めるのは禁物」というポイントについては後ほど触れます。

含まれるサービス内容 – 基本セットは共通項がいっぱい
次にプランに含まれている物品・サービスを見てみましょう。どちらのプランにも葬儀に必要な基本セットがひと通り含まれており、共通点が非常に多いです。主な共通サービスをまとめると以下の通りです。
-
搬送用車両(寝台車):病院や自宅へのお迎え・搬送(3回分)
-
ご安置:提携安置施設での遺体安置(ドライアイス処置含む)約4日分
-
枕飾り一式:枕元を飾る線香や枕団、位牌などのセット
-
手続き代行:火葬許可証の取得など各種行政手続き代行
-
棺一式(納棺含む):標準サイズのお棺と納棺の儀
-
仏衣一式:故人に着せる白装束などの仏衣
-
生花祭壇:生花を用いた祭壇(プラン料金内で準備)
-
遺影写真:遺影用写真の加工・額装(一般的にサイズ違いで2枚作成)
-
焼香用具・仏具一式:焼香に必要な道具や経机など仏具セット
-
運営スタッフ:通夜・告別式の進行をサポートするスタッフ
-
付き添い安置:通夜前日に親族が付き添える宿泊安置(霊安室や親族控室の利用)
-
受付セット:受付簿や記帳用品一式
-
会葬礼状:参列者へのお礼状
-
収骨・骨壺類:火葬後のご遺骨を拾う儀式と、骨壺・骨箱・骨覆い(白布)
-
後飾り祭壇:自宅安置用の白木祭壇(遺骨や位牌を安置する祭壇)
ざっと挙げましたが、搬送から火葬後の後飾り祭壇まで、ほぼフルセットで含まれていることが分かります。これは両プラン共通で、「追加費用なしで必要なもの一式が揃う」明朗会計が特徴です。なお、火葬料金は自治街や火葬場によって異なるため、別料金となっています。また、通夜振る舞いや精進落としのお食事、返礼品(香典返し)など接待費用も別途となります。このあたりも両プラン共通です。
異なるサービス内容 – 式場費用や演出など細かな違い
共通部分が多い一方で、いくつか異なるポイントも存在します。主な相違点は以下の通りです。
-
搬送距離の上限:小さな家族葬は搬送ごとに20kmまで含まれているのに対し、よりそう家族葬(二日プラン)は搬送ごとに50kmまでが上限です。遠方の病院や自宅からの搬送が必要な場合、よりそうの方が追加費用を抑えられる可能性があります。
-
式場利用料の上限額:小さな家族葬は 10万円(税込)まで含むのに対し、よりそう家族葬(二日プラン)は 5万円(税込)までが上限です。例えば利用する式場の使用料が15万円だった場合、小さな家族葬なら追加5万円の負担、よりそうでは追加10万円の負担が発生します。つまり会場費込みで考えると、小さなお葬式の方が高額な式場でも対応しやすいと言えます。
-
お別れの演出: 小さな家族葬ではシンプルな進行のみで特別な演出サービスはありませんが、よりそう家族葬(二日プラン)には4つの「お別れ演出」が標準付帯します。詳細は後述しますが、式中に故人との思い出を演出するサービスがいくつか含まれている点が特徴です。
-
会葬礼状の枚数:小さな家族葬では60枚(30枚×2日分)まで用意されているのに対し、よりそう家族葬(二日プラン)は30枚までとなっています。参列者が30名を超えるような場合、よりそうプランでは礼状が足りず追加費用になる可能性があります。ただ一般的な家族葬の規模(30名前後)であれば、大きな問題にはならないでしょう。
-
生花祭壇の規模: 両プランとも生花祭壇が付いていますが、小さな家族葬のほうが祭壇サイズがやや大きめです。公式サイトによれば小さな家族葬は幅2m・二段の生花祭壇が基本プランに含まれています。よりそう家族葬(二日プラン)の標準祭壇は詳細なサイズ公表はありませんが、おそらく同等か少しコンパクトな祭壇でしょう(※よりそうには華やかな祭壇を希望する方向けに「華やか二日プラン」も別途用意されています)。祭壇のボリュームを重視する場合は、小さなお葬式の上位プラン(シルバー・ゴールド等)や、「よりそうお葬式の華やか二日プラン」も検討すると良いでしょう
以上が主な違いです。細かい点ではありますが、例えば式場利用料の上限については追加費用に直結するため重要です。実際、最近の葬儀プランは式場費込みが多くなりましたが、上限額を超えた分は自己負担になるので注意が必要です。お別れ演出や祭壇の華やかさは式の雰囲気に関わる部分です。シンプルで構わないという方もいれば、「せっかくなら思い出に残る演出をしたい」「花をたくさん飾りたい」という方もいるでしょう。この点で、付帯サービスの違いも覚えておくと良いですね。

よりそう家族葬の独自サービス – 4つのお別れ演出とは?
上述の「お別れ演出」について、よりそうお葬式が提供する4つの演出をもう少し詳しく解説します。これはよりそう家族葬(二日プラン)および「華やか二日プラン」の大きな特徴で、小さなお葬式のプランには含まれていない独自の無料サービスです。
-
ラストメッセージ:ご遺族や参列者が故人へのメッセージを書き、棺に納めて届ける演出です。普段言えなかった感謝の言葉やお別れの言葉を手紙に綴り、最期のお見送りで棺の中にそっと入れます。「言葉を形にして届ける」温かなサービスですね。

公式HPから引用
-
お花入れ:ご出棺の際、参列者一人ひとりが棺にお花を手向ける演出です。故人の周りを色とりどりの花で飾り、お花いっぱいにして送り出します。最後のお別れを華やかに彩ることができ、特にお花が好きだった故人にも喜んでもらえるでしょう。

公式HPから引用
-
メモリアルコーナー:会場内に思い出のコーナーを設ける演出です。故人の愛用していた品物や写真、趣味の作品などを展示し、生前の思い出をみんなで偲ぶ空間を作ります。※式場のスペースによっては設置できない場合もあります。故人らしさを感じられる演出として、参列者の方々からも「その人を偲ぶ良い時間になる」と好評です。

公式HPから引用
-
遺影花飾り:式場の遺影写真まわりをお花で飾る演出です。通常、遺影は額に入れて飾りますが、その周囲を美しい生花でアレンジして華やかに演出します。写真だけよりも明るく温かい印象になり、「お花に囲まれた○○さん」として心に残るでしょう。

公式HPから引用
以上の4つがよりそう家族葬ならではの演出サービスです。追加料金不要でプラン内に組み込まれているため、「色々やりたいけど費用が心配…」という方にも安心ですね。小さなお葬式のプランでは、ここまで具体的な演出サービスは用意されていません。もちろん提携葬儀社によっては希望すれば同様の演出をしてくれる場合もありますが、標準セットに含まれている分、よりそうお葬式は演出面での満足度が高い傾向があります。公式にも「お客様満足度94%(※)」とあるように、多くの利用者がサービス品質に満足している理由の一つがこれら演出と言えるでしょう。
※対象期間2021年11月〜2022年1月、満足・やや満足の合計(自社調べ)
提携斎場・対応エリアの比較 – 全国で利用可能?
全国対応エリアかどうかは葬儀サービス選びの重要ポイントです。結論から言えば、小さなお葬式・よりそうお葬式ともに日本全国で利用可能です。どちらも主要都市はもちろん、地方や郡部でも利用者の近くの提携式場を紹介できるネットワークを持っています。ただし離島など一部地域は除く場合があります。では、それぞれの提携斎場数や提携葬儀社数はどのくらいでしょうか。
-
小さなお葬式:提携式場は全国4,000か所以上(2025年4月時点)。提携葬儀社(実際に施行を行う葬儀社)は1,100社以上とされています。業界トップクラスの提携ネットワークで、都市部から地方まで幅広くカバーしています。
-
よりそうお葬式:提携式場は全国5,000以上と公表されています。こちらも全国対応を実現する十分なネットワークです。実際、よりそうお葬式の公式サイトでも「全国5,000以上の斎場から希望に合った式場を提案します」と案内されています。
両社とも提携式場数は全国4,000~5,000以上の規模で、全国区と考えてよいでしょう。
お住まいの地域にどんな提携式場・葬儀社があるかは、各公式サイトの「葬儀場を探す」ページで検索できます。例えば「〇〇市 葬儀場」などと入力すれば、最寄りの斎場名や葬儀社名、アクセス情報などが確認可能です。気になる方は事前にチェックしてみると安心ですね。
「小さなお葬式」は全国どこでも使える?47都道府県の対応状況と式場の探し方
対応エリアに関する注意点
提携数が多いとはいえ、「特定のサービスしか提携していない斎場」や「距離的には近いけど寺院が運営する式場で使えない」等のケースもあります。また、ごく稀にですが「希望エリア内に提携先がなく、遠方の葬儀社が担当になる」ケースも考えられます。その場合、追加の搬送費用が発生したり、ご遺族や親族が集まりにくいなどのデメリットが生じる可能性があります。そういったミスマッチを避けるためにも、希望地域に提携斎場・葬儀社が十分あるか事前に確認しておくと良いでしょう。
両社の実績と信頼性 – No.1の実績と高い満足度
大切な葬儀を任せるうえで、サービスの実績や信頼性も気になるところです。小さなお葬式とよりそうお葬式、それぞれ公式に示されている実績データをチェックしてみましょう。
-
小さなお葬式の実績:2009年のサービス開始以来、累計59万件以上(※1)の依頼を受けています。そして2017年から8年連続で全国葬儀受注件数No.1(※2)という業界トップの実績があります。これは全国の葬儀仲介サービスの中で最も多く利用されていることを示し、利用者から広く選ばれてきた証と言えるでしょう。また、利用者アンケートによるお客様満足度は96%を記録(※3)しており、価格だけでなくサービス品質においても高い評価を得ています。
-
よりそうお葬式の実績: 明確な累計施行件数は公表されていませんが、2013年のサービス開始以来大手仲介サービスの一角として成長してきました。特筆すべきはサービス品質へのこだわりで、公式サイトによれば「お客さま満足度94%(※4)」を達成しているとのことです。この高い満足度を裏付ける取り組みとして、前述したお別れ演出の提供や、万一の際のプラン代金全額返金保証(よりそう満足保証)など独自のサービスを打ち出しています。また、また、第三者調査でも、関東・近畿エリアの利用者の総合満足度・推奨度で1位を獲得しており(※5)、利用者からの信頼を着実に築いているようです。認知度では小さなお葬式に一歩及ばないものの、最近のテレビCM展開などで知名度も向上してきています。
※1 対象期間:2009年10月~2025年3月 2025年4月 ユニクエスト調べ
※2 2017~2024年 葬儀受注件数に関する調査(TPCマーケティングリサーチ調べ。仲介や再委託による施行を含む件数)
※3 2024年度 ご利用アンケート(回答数40,268件)の平均値を四捨五入 2025年4月ユニクエスト調べ
※4 対象期間2021年11月〜2022年1月(満足・やや満足の合計) 自社調べ
※5 2024年1月実施 株式会社リビングくらしHOW研究所「フォーカスリサーチ」(葬儀社についての調査)
こうした実績データから見ると、「実績の小さなお葬式、品質のよりそうお葬式」といった印象を受けるかもしれません。とはいえどちらも大手として豊富な経験と高評価を持つサービスであることは間違いありません。
公式サイトには利用者の声(体験談)も掲載されていますので、時間がある方は読んでみると良いでしょう。

プラン選択時のポイント&注意事項 – 比較検討する際に見るべき点
最後に、「小さな家族葬」と「よりそう家族葬(二日プラン)」を比較・検討する際のポイントを整理しておきます。どちらにしようか迷ったとき、以下の点に注目してみてください。
-
単純に価格だけで判断しないこと
ご紹介したように、よりそう家族葬(二日プラン)は料金面でやや割安です。しかし、含まれるサービス内容にも注目しましょう。例えば式場費の上限や礼状枚数、搬送距離など、小さなお葬式の方が手厚い項目もあります。一方、よりそう家族葬には4つのお別れ演出が標準で含まれているなど、それぞれに特徴があります。価格と内容のバランスを総合的に判断することが大切です。 -
希望エリアの提携先状況を確認すること
実際に依頼する前に、自分の地域ではどの葬儀社・斎場が提携しているかを調べておきましょう。
両社とも全国規模とはいえ、提携先が全く同じわけではありません。「片方にしか提携斎場がない地域」や「自宅から距離がある斎場しか候補が出てこないケース」もありえます。公式サイトの葬儀場検索や電話相談で、「〇〇市だとどこの葬儀社になりますか?」といった問い合わせをしてみるのも有効です。もし提示された候補が遠方であれば、搬送追加料金や親族の移動負担が増える可能性があります。
逆に、ごく近所のよく知る斎場が提携リストにあるなら安心感が増します。エリアによって提携状況に差があることを念頭に、希望地域の対応状況は必ずチェックしましょう。 -
提携葬儀社の評判・対応力も確認しよう
最終的に葬儀を施行するのは提携先の地元葬儀社です。そのため、紹介を受ける葬儀社や担当者との相性も重要なポイントになります。各サービスのサイトや口コミサイトで、提携葬儀社に関する評判や利用者の声を一通り見ておくと安心です。問い合わせの際に「このプランの施行経験について教えてください」など確認するのも良いでしょう。
最終的には「人と人」の相性や信頼感が満足度につながりますので、価格や内容だけでなく担当者とのフィーリングも大切にしてください。
以上の3点を意識すると、より納得のいく比較検討ができるはずです。
まとめ – 自分たちに合ったサービスを選ぶために
ここまで「小さな家族葬」と「よりそう家族葬(二日プラン)」の概要から料金・サービス内容、対応エリア、実績、選び方のポイントまで詳しく見てきました。
結論として、両プランは家族葬として必要なサービスを網羅しており、どちらも信頼できる家族葬プランです。価格や含まれるサービスには違いがありますが、大きな方向性は共通しています。
そのため、「どちらが絶対に優れている」というよりは、ご遺族の希望や状況に合う方を選ぶのが良いでしょう。
例えば、「費用は少しでも抑えたいし、演出も魅力的だからよりそう家族葬かな」「いや、実績豊富で式場費込みが手厚い小さな家族葬が安心かも」といった具合に、人それぞれ重視するポイントがあると思います。迷った場合は両社の資料を取り寄せたり、電話で具体的な提案を聞いてみるのもおすすめです。どちらも事前相談は無料なので、遠慮せず活用しましょう。
そして何より大事なのは、実際に担当してくれる葬儀社・担当者との相性です。最終的にはその人たちが葬儀を取り仕切ってくれるわけですから、「この人たちになら任せられる」と感じられる方を選ぶのが後悔のない葬儀につながります。幸い両サービスとも評価の高いプロ集団が揃っていますので、大切なご家族のお見送りを安心して任せられるでしょう。
準備に時間的余裕がある方は、ぜひ早めに情報収集を始めてみてください。事前登録による割引もうまく利用しながら、納得のいく形で最後のセレモニーを迎えられることを願っています。






