日本全国には数多くの葬儀サービスがありますが、中でも名前をよく聞く「ベルコ」と「小さなお葬式」は多くの方が検討する選択肢でしょう。本記事では、葬儀を検討している一般の方に向けて、両社のサービスを以下の観点で比較します。
・プラン内容(家族葬・一日葬・直葬など)
・価格帯と料金の明瞭性
・対応地域
・サポート体制(事前相談、当日の対応、アフターサービス)
・利用者の評判・口コミ(※主に2024年以降の情報)
・特徴的なサービスや強み・弱み
・契約・申し込みのしやすさ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
目次
プラン内容の比較
小さなお葬式のプラン
小さなお葬式は、あらかじめ内容と料金が決まった5つのセットプランを提供しています。具体的には以下のプランがあります。
小さなお別れ葬(直葬・無宗教向け)
通夜や告別式を行わず、ごく簡素なお別れのみを行うプラン。仏具等を省いた最安プランで、「とにかく費用を抑えたい」「宗教的な儀式は行わない」という方向けです。
小さな火葬式(直葬)
通夜・告別式など儀式を一切行わず、火葬だけを行うプラン。祭壇を飾らず参列者も招かないため、費用負担を大幅に軽減できます。ごく少人数(1~5名程度)のお見送りに適しています。
小さな一日葬
通夜を省略し、告別式のみを1日で行うプラン。高齢のご親族や遠方からの参列者への負担を軽減しつつ、必要な儀式は行うのできちんとお別れできます。
小さな家族葬
家族・親族中心に通夜と告別式を行うプラン。ご近所や仕事関係の弔問客を呼ばず、身内だけでゆっくり見送れる内容になっています。いわゆる一般的な「家族葬」に相当します。
小さな一般葬
親族だけでなく友人・知人、仕事関係者など多くの参列者を招く一般葬のプランです。大人数の参列を前提としており、必要な物品・サービスが含まれています。一般葬ながら費用を抑えた設定になっています。
ベルコの葬儀プラン
一方、ベルコには上記のような明確に区分されたパッケージプランは存在しません。ベルコはオーダーメイド型に近く、利用者の希望や規模に合わせて柔軟に葬儀内容を組み立てます。小規模な家族葬から社葬・団体葬まで幅広く対応可能であり、実際「家族葬専用ホール」や「300名収容のホール」を備えた式場も運営しています。
近年は家族葬ニーズへの対応として、少人数貸切型の専用式場「ユアホール」ブランドを各地で展開しており、家族葬にも特化したサービスを拡充しています。つまりベルコでも直葬(一日葬)や家族葬を行うことは可能ですが、利用者ごとにオーダーメイドで対応するため、小さなお葬式のように事前にウェブ上でプランを選ぶ形ではありません。
ベルコでは葬儀だけでなく結婚式など冠婚葬祭全般を手掛ける互助会を運営しており、互助会会員向けの「契約プラン」を用意しています。これは婚礼か葬儀か利用目的を決め、月々一定額を積み立てていくことで将来のセレモニー費用に充当できる仕組みです。
地域ごとにいくつかコースがあり、例えば関西地区では月々2,000円を120回(10年)払いで総額24万円のコースや、月々3,000円を120回で36万円のコースなど複数のプランがあります(いずれも契約時点では税別、施行時に消費税分加算)。会員プランに加入しておけば、いざという時にその範囲内の葬儀役務サービスが受けられる仕組みです。ベルコの互助会に加入せず一般利用することももちろん可能ですが、会員価格プランが無い分、都度見積もりとなります。
葬儀プランの両社の比較
要約すると、プラン内容の違いとしては「小さなお葬式は事前に用意された定型プラン(直葬~一般葬の5種類)があり選びやすい」のに対し、「ベルコは利用者の要望に応じて柔軟にプランニングする(互助会プランも活用できる)」点が挙げられます。
価格帯と料金の明瞭性
小さなお葬式の料金体系
費用面では、小さなお葬式は低価格で明朗会計であることを強みとしています。公式サイトによれば、資料請求割引後のプラン料金は税抜7.9万円(税込86,900円)~と業界最安水準となっています。各プランの具体的な料金例は以下の通りです。
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小さなお別れ葬:通常12.9万円 → 資料請求後7.9万円(税抜)=税込86,900円(税込)
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小さな火葬式:通常20.9万円 → 資料請求後15.9万円(税抜)=税込174,900円(税込)
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小さな一日葬:通常34.9万円 → 資料請求後29.9万円(税抜)=税込328,900円(税込)
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小さな家族葬:通常44.9万円 → 資料請求後39.9万円(税抜)=税込438,900円(税込)
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小さな一般葬:通常64.9万円 → 資料請求後59.9万円(税抜)=税込658,900円(税込)
※上記はいずれも火葬料金は含まない金額です(火葬費用は自治体等へ支払うため別途必要)。また一部の式場ではプラン料金以外に式場使用料等が発生する場合があります。公式サイトでも「火葬料金は別途」「追加費用がかかる場合あり」と明記されており、これら含まれない費用についても事前に注意喚起されています。このように小さなお葬式は基本プラン料金が明示されており、何が含まれて何が別料金かをサイト上で確認できるため、初めてでも分かりやすい料金体系と言えます。実際、「低価格ながら安心・明瞭のセットプラン」と公式に謳っており、利用者からも「金額が明確で安心」との声が多く見られます。
ベルコのお葬式の料金体系
一方、ベルコの料金体系は小さなお葬式のような定額パックではなく、個別見積もり制に近い形です。全国平均の一般的な葬儀費用が約200万円と言われる中、ベルコでは互助会会員に対して葬儀一式費用を抑える契約プランを提供しており、プランによっては一般(非会員)より30~50%もお得になるとされています。例えば会員が月々積み立てた24万円~36万円のプランを利用すると、その範囲内で祭壇・棺・寝台車など主要な葬儀一式サービスを受けられます。これはいわば「前払いして割引を得る」仕組みであり、会員であれば割安なセットプラン価格が適用されます。
ただし互助会プランにも上限があるため、それを超えるサービス(より豪華な祭壇にする、料理を追加する等)は契約外費用として別途注文・精算となります。要望次第で費用は増減しますが、打ち合わせ段階で見積もりを提示してくれるので、そこで必要・不要を相談しながら決めていく流れです。ベルコ公式サイトでも「お打合せの際にはお見積りをしっかり確認してください」と費用内訳の検討を呼びかけています。
このように、ベルコはカスタマイズ性が高い分、総額費用は葬儀内容によって変動します。非会員で同等の葬儀を行う場合、会員価格より割高にはなりますが、「費用に見合う充実した内容だった」という声も多く、地元では「ベルコは高い」という噂に対し「決して安っぽさはなく満足できた」との口コミもあります。実際の口コミでは、「不要なものは省いてくれ、こちらの希望通り最低限の内容で押し付け営業もなく親切だった」「標準プランでも棺や祭壇の質が十分で料理も予想以上に良かった」という評価が見られ、価格に対する納得感は総じて高いようです。
葬儀費用の両社の比較
料金明瞭性の観点では、小さなお葬式は事前にウェブ上で具体的な金額と内容が確認でき安心感があります。一方ベルコは会員制度を利用すれば割安になりますが、詳細は個別相談となるため、事前に一概に「いくらでできる」と言いにくい面があります。ただし相談時に丁寧に説明してもらえるとの声もあり、見積もり段階で不明瞭な点をきちんと確認すれば安心して依頼できるでしょう。
対応地域の比較
小さなお葬式の対応地域
小さなお葬式は日本全国対応を強みとしており、提携式場数は4,000か所以上にのぼります。公式サイトには全国47都道府県すべての対応エリアが掲載されており、北海道から沖縄まで地域を選んで近隣の式場を探すことができます。地方や過疎地でも提携先がある場合が多く、「全国どこでも一律のプランを利用できる」という利便性があります。実際、都心部だけでなく地方での利用者口コミも多く見られ、地理的なカバー範囲は非常に広いと言えます。
ベルコのお葬式の対応地域
ベルコもまた全国規模のネットワークを掲げています。もともと関西発祥の互助会ですが、拠点は北海道から九州まで広がり現在は全国規模で展開していると公式に述べています。事実、ベルコは主要な葬祭企業の中で直営葬儀場数がNo.1(2024年5月調査)とされており、北海道、東北、中部、関西、中国・四国、九州と幅広いエリアに自社斎場を展開しています。
ベルコ公式サイトの「葬儀場を探す」ページでも各地域ブロックごとに式場が案内されており、例えば北海道は道央・道南・道北・道東に拠点、東北は宮城・秋田・青森に拠点、関西は大阪・兵庫など6府県に広く展開…といった具合に、多くの自社・提携式場を持つことがわかります。2025年時点で年間約35,000件のお葬式をお手伝いしている実績もあり、これは全国でもトップクラスの施行件数です。互助会加入者も延べ250万口を超えており全国No.1規模ですから、全国各地に多数の会員と施設を抱える業界最大手と言えるでしょう。
対応地域の両社の比較
細かく見ると、両社の地域展開には若干違いもあります。小さなお葬式は自社式場よりも地元の葬儀社・式場との提携によって全国対応を実現しています。一方ベルコは自社直営ホール(「シティホール〇〇」等の名称が多い)を各地に持ちつつ、地域によっては提携互助会(例:東北の玉姫グループ、関東のごじょいる等)との連携も見られます。そのため主要都市圏では両社ともカバーしていますが、極端な過疎地などでは小さなお葬式の方が強い場合も考えられます(提携先がある限り対応可能)。
ベルコは互助会サービス提供エリアとして全都道府県をカバーしていますので、大まかには全国対応ですが、実際の式場が近隣にあるかは地域により確認が必要です。いずれにせよ、どちらも全国的なサービス展開をしており、対応エリアの広さという点では大きな差はありません。お住まいの地域で実際に利用可能な式場やスタッフ体制がどうかは、問い合わせて確認するとよいでしょう。
サポート体制(事前相談・当日の対応・アフターサービス)
小さなお葬式の事前相談
事前相談のしやすさについて、小さなお葬式は電話・インターネット両面で手厚い体制を敷いています。24時間365日対応のフリーダイヤルにコールスタッフ90名を配置しており、深夜・早朝でもすぐに相談できます。「初めての方」向けの案内やQ&A、生前準備に関する情報提供も公式サイト上で充実させており、生前見積もり・生前契約の受付も行っています。特に資料請求をすると葬儀プラン5万円割引になる特典があることから、生前にパンフレットを取り寄せて検討する方も多いようです。また、葬儀内容に不安がある場合には無料の事前相談を受け付けており、「どんなことでもお気軽にご相談ください」と公式サイトでも呼びかけています。葬儀について知識がない方にも分かりやすいガイド(「葬儀の知識」ページ等)を整備し、準備段階から丁寧にサポートしてくれる印象です。
ベルコのお葬式の事前相談
ベルコも同様に24時間365日の電話受付を行っており、急な依頼にも対応しています。各地に支社・お客様相談室が設置されていて、地域密着で相談に乗ってもらえる体制です。特に互助会会員向けには担当者がつき、生前から葬儀の希望をヒアリングしたり、事前見学・事前相談会を開催したりといった取り組みもあります。ベルコは「人生のそばに、ずっと。もっと。」を企業スローガンに掲げており、結婚式から葬儀まで長期に寄り添う姿勢を打ち出しています。そのため生前準備(終活)セミナーやイベントも各地で開催し、会員でなくても参加できる説明会・見学会を積極的に行っています。このように、ベルコは対面での事前相談・地域密着サポートに強みがあり、「迷ったら支社へご相談ください」と公式にも案内があるほどです。
参考 ベルコお問い合わせページベルコ公式HP小さなお葬式の当日サポート
当日の対応については、小さなお葬式の場合、実際の施行は提携する地元の葬儀社が担当しますが、小さなお葬式の窓口スタッフが間に入って調整し、利用者からの評価も高いです。「一連の現場対応をした担当会社(提携葬儀社)が良かったので満足度が高かった」との口コミもあり、提携先を含めた品質管理に注力している様子が伺えます。小さなお葬式利用者の96%が「葬儀に満足した」と回答した自社アンケート結果もあるほどで、スタッフ対応や当日の進行について概ね好評です。また、僧侶の手配が必要な場合も小さなお葬式側で手伝ってくれます。お寺と付き合いのない方のために主要8宗派のお坊さん派遣サービス(本位牌付き)を税抜8万円~提供しており、宗教儀礼面のサポートも整っています。式当日はスタッフが火葬場への同行や各種手続き代行も行い、初めてでも安心できるよう配慮されています。

ベルコのお葬式の当日サポート
ベルコの場合も、自社の経験豊富な葬祭ディレクターが打ち合わせから葬儀施行、火葬場対応までリードします。ベルコ公式サイトの「お客様の声」では、利用者がスタッフ対応について詳細に回答しており、「見積もり時から最後まで丁寧で充分に希望を聞いてくれた」「式中の気配りや進行が大変丁寧で安心できた」等の声が並んでいます。ベルコは自社ホールでの施行が中心のため、式場設備や控室の使い勝手などハード面でも評価が高いです。「ホールが清潔でバリアフリー、スタッフの心遣いもありがたかった」という利用者の声もありました。加えて、ベルコでは通夜振る舞いや精進落としの料理、返礼品の手配等もトータルで任せることができます。互助会会員なら式料理や引き出物も割引になるプランもありますので、当日に必要なサービスがワンストップで揃う点は強みでしょう。
小さなお葬式のアフターサービス
小さなお葬式は葬儀後のサポートメニューが豊富で、具体的には「仏壇・仏具の購入」「納骨先の紹介(お墓・永代供養先)」「遺品整理業者の紹介」「法事・法要の手配」「香典返しの手配」など、葬儀後に必要となるサービスをグループ会社や提携先を通じて提供しています。公式サイト上にそれぞれ専用ページがリンクされており、葬儀後も困りごとを相談しやすい体制です。例えば、四十九日や一周忌の法要も手配可能ですし、希望者にはアフターフォローコールでヒアリングを行い、問題がないか確認してくれることもあります(利用プランによります)。また、会員向けにメールマガジンや終活情報の提供など、生前~葬後まで継続したサポートも行っています。小さなお葬式は「生前準備から葬儀後まで全てサポート」と公式サイトにある通り、葬儀が終わってからも必要に応じて頼れる存在です。
ベルコのお葬式のアフターサービス
ベルコも葬儀後のフォローとして、各種手続きの案内や仏壇・墓石の相談窓口を用意しています。互助会会員であれば、結婚式やお宮参り、成人式など人生のイベントで引き続きサービスを受けることができますし、葬儀後に会員向けの感謝状贈呈式やアフターメモリアルイベントを開催する地域もあります。例えば地域によっては毎年合同法要やメモリアルコンサートを行い、遺族の心のケアや故人の供養の場を提供しています。また、葬儀後に営業がしつこく来るといった口コミは見当たらず、必要な時にこちらから相談できる距離感です。会員でなくとも葬儀を施行した方には一定期間、法事や仏具購入の優待が受けられる案内が届くことがあります。総じて、ベルコは葬儀後も「困ったときは地元の支社へ相談できる」安心感があり、長年の信頼関係で成り立つサポート体制と言えます。
利用者の評判・口コミの比較
小さなお葬式の口コミ
小さなお葬式の評判は総じて良好です。葬儀社比較サイト「安心葬儀」における口コミ平均評価は5点満点中4.5点(投稿件数785件)と高く、同サイト掲載の葬儀社の中でもトップクラスの満足度です。特に「費用が安く抑えられた」「スタッフの対応が親切だった」「地方でも同じ品質のサービスが受けられた」といった点が評価されています。また、2017~2024年の8年連続で葬儀受注件数No.1※1という実績があり、利用件数の多さがそのまま信頼の厚さを物語っています。
小さなお葬式の利用者アンケートでは96%が「葬儀に満足した」※2と回答しており、価格だけでなくサービス内容にも満足する人が大半です。一部の口コミでは「提携先の葬儀社スタッフがとても良かった」「地元に小さなお葬式の自社斎場がありスムーズだった」など、各地域での具体的な体験談が紹介されています。
ネガティブな意見としては「オプションを付けると割高に感じた」「プランに含まれない式場費用が後から必要と言われ驚いた」といった声も一部ありますが、これは事前に説明される内容でもあります。全体として、「必要十分な葬儀を低価格で行える」という評判が定着しており、初めて葬儀を行った多くの家族から「費用面含め満足」との口コミが寄せられています。
※1 2017~2024年 葬儀受注件数に関する調査(TPCマーケティングリサーチ調べ。仲介や再委託による施行を含む件数)
※2 2023年度 ご利用アンケート(回答数53,548件)の平均値を四捨五入 2024年4月ユニクエスト調べ

ベルコお葬式の口コミ
ベルコの評判もまた高評価が目立ちます。安心葬儀の口コミ平均評価は5点中4.3点(投稿件数454件)と高く、大手葬儀社として安定した評価を得ています。特に多いのは「スタッフが親身で細やかな対応」「式場設備が綺麗で充実」「安心して任せられた」という内容です。例えば「ベルコを利用した知人の葬儀で、遺族に寄り添う心遣いが伝わった。ホールも居心地が良くスタッフも良い方ばかりだった」といった声や、「自分の時もぜひ利用したいと思える対応だった」との声もあります。
また、ベルコは実績・規模が業界随一なことから、「名前の知名度や安心感で選んだが正解だった」という口コミも散見されました。地元密着の長年の活動により、地域のリピーターも多いようで「親もベルコ会員で以前も利用したので今回もお願いした」といったケースも多々あります。
一方で費用に関する口コミは様々で、「会員だったので割安にできた」「非会員で高めだったが内容に見合っていた」と受け止め方は分かれます。しかし前述の通り、「ベルコは高いと聞くが不要なものを省けば納得できる金額だった」という意見や、「標準プランでも想像以上に良い式になった」との声があるように、費用と品質のバランスに満足する利用者が多数派と言えるでしょう。口コミからはスタッフ対応の安定感が強調されており、「最後まで連絡や打合せが充分で、大満足の式になった」という利用後の感謝のコメントも公式サイトに掲載されています。
口コミの両社の比較
両社を比較すると、小さなお葬式はネット上での口コミ件数・評価点ともに非常に高く、「安くてもしっかりしている」という評判が広がっています。ベルコも老舗大手として堅実な評価を維持しており、「少し費用はかかっても安心を買う」というイメージで選ぶ人もいるようです。どちらを選んた場合でも大きな失敗は少ないと考えられ、信頼性の面では両社とも実績十分で利用者から高い評価を得ていると言えるでしょう。
特徴的なサービスや強み・弱み
小さなお葬式の強み
小さなお葬式の特徴・強みはなんと言ってもその手軽さと低価格です。互助会などの事前加入が不要で、電話一本・Web申し込み一つで必要な時にサービスを利用できます。料金プランがシンプルで追加料金も把握しやすく、「まず費用を抑えたい」という方には非常に魅力的です。また、関連サービス(仏壇、法要、遺品整理等)もワンストップで紹介してもらえるので、葬儀後まで含めたトータルサポート力も高いです。葬儀実績累計52万件以上という実績から「日本一選ばれている葬儀社」※3とも称されており、利用者数の多さ自体が安心材料でしょう。「のりかえ割」のように他社互助会から乗り換える人向けの割引を用意するなど、価格訴求力で業界をリードしています。さらに全国どこでも質を一定に保つネットワークを持ち、地方在住でも都市部と同じプランを享受できる点も強みです。加えて、公式サイトや資料が分かりやすく、葬儀知識の情報発信にも積極的なので、インターネットで自分で調べて準備したい人にも向いています。
※3 対象期間:2009年10月~2024年3月 2024年4月 ユニクエスト調べ

小さなお葬式の弱み
一方、小さなお葬式の弱みとして考えられるのは、葬儀そのものは提携先に委託するケースが多いためサービス品質が提携葬儀社に依存する部分があることです。基本的にはどの提携社も一定の研修・基準を満たしているでしょうが、地域によって対応のばらつきがゼロとは言い切れません。
ただ、同社は利用後のアンケート結果をもとにサービス品質の改善を常に行っていると述べており、満足度96%という数字から見ても大きな品質問題は起きていないと考えられます。また、「小さなお葬式」というブランド名のイメージから、大規模葬や社葬には向かない印象を持たれるかもしれません。実際のところ一般葬プランも用意されていますが、参列者数が極めて多い場合や特別な式典的要素が必要な場合は、設備や人員の面でベルコのような伝統大手に分があるかもしれません。逆に言えば、小さなお葬式は小規模~中規模の葬儀に特化して効率化・低価格化を図っているため、豪華さや格式を求める層には物足りない可能性があります。とはいえ一般的なご葬儀であれば十分なサービス内容ですので、大きな弱点は見当たらないでしょう。
ベルコのお葬式の強み
ベルコの特徴・強みは、まずその圧倒的な規模と歴史に裏打ちされた信頼感です。1969年創業以来培われてきたノウハウ、全国250万口を超える互助会加入者のネットワーク、そして冠婚葬祭すべてを扱う総合力は他社の追随を許しません。自社直営の葬儀会館数は日本一であり、地域によっては「葬儀といえばベルコ」というブランドイメージも確立しています。スタッフ教育や儀礼文化の継承にも力を入れており、「高品質なサービスを心がけている」ことが業界調査でも高く評価されています。
また、互助会システムを通じて冠婚葬祭の費用負担を相互扶助で軽減するという社会的役割も担っており、結婚式から葬儀まで一生付き合える安心感があります。葬儀内容の面では、大規模葬や社葬など特別なセレモニーの実績も豊富です。自治体や企業の合同慰霊祭、著名人の葬儀なども手掛けるケースがあり、規模に関わらず対応できるキャパシティがあります。
一方で前述のように最近は家族葬専用ホール「ユアホール」を各地に展開するなど、時代のニーズに合わせた柔軟なサービス開発も行っています。利用者の多様な要望に“オーダーメイド”で応えられる点、そして専任スタッフが細かなところまでサポートしてくれる点はベルコの大きな強みです。加えて、互助会会員なら葬儀だけでなく結婚式や法事の割引、提携宿泊施設の優待など様々な特典も受けられるため、「長い目で見ればお得」と考える層から支持されています。
ベルコのお葬式の弱み
ベルコの弱みとしては、やはり費用面のハードルが挙げられるでしょう。互助会に加入し積み立てを行う必要があり(加入しなくても利用はできますが)、月々数千円とはいえ事前負担が発生します。若い世代には互助会システムが分かりにくい、煩わしいと感じる向きもあるようです。
また非会員の場合、同等サービスを受けようとすると結果的に割高になるケースもあります。ただしそれもプラン次第で、例えば「ベルコの会員になっておらず小さなお葬式と同じような直葬をお願いしたら費用が高くつく」かというと、最低限のプランで抑えれば大きく変わらない場合もあります。
費用に関しては事前の相談・見積もりで納得できれば問題ないのですが、明示的なパッケージ料金がないため初めてだとイメージが掴みにくい点はデメリットと言えます。そのため、「事前に具体的な総額を知りたい」「ネット上で比較検討したい」という人には小さなお葬式の方が検討しやすいでしょう。またベルコは規模が大きい分、地域や担当者によって対応に差が出る可能性もわずかながらあります。
しかし口コミを見る限り大きなばらつきはなく、標準以上のサービス品質が保たれているようです。総じて、ベルコの弱みは手軽さや即時性でネット型サービスに劣る部分といえますが、裏を返せば「手間をかけてでも確かな式を行いたい」層にはむしろ合致します。
契約・申し込みのしやすさ
申し込み手続きのしやすさも重要なポイントです。突然の不幸の場合は迅速に依頼しなければなりませんし、事前準備段階では資料請求や契約の手順が負担にならないか気になるところです。
小さなお葬式の契約・申し込み
小さなお葬式は、基本的に電話またはWEBで24時間受付しています。急ぎの場合はフリーダイヤルに電話すればそのままスタッフが手配を進めてくれます。「お急ぎの方」向けページからは故人の所在地や希望プラン等を入力して送信するフォームもあり、深夜でも素早く担当者と連絡が取れるようになっています。生前の申し込みについても、資料請求フォームや事前相談フォームが用意されており、自宅にいながら手続きを完結可能です。実際に契約書にサインする必要が生じた場合も、郵送やオンラインで対応できます。小さなお葬式の場合、互助会への入会といった事前手続きなしで利用できるため、「とりあえず話を聞いてみたい」「見積もりだけ知りたい」といった段階でも気軽にコンタクトできます。WEBサイト上で概算見積シミュレーションもできるため、自分でプランとオプションを選んで料金を確認することも可能です。全てにおいてインターネットで完結できる利便性は小さなお葬式の強みと言えます。
ベルコのお葬式の契約・申し込み
ベルコの場合、互助会への入会というステップがある点が特徴的です。葬儀を会員価格で行いたい場合は事前に契約が必要ですが、現在はオンライン入会申し込みも公式サイトから可能となっています。郵便番号や住所から自分の地域のプランを検索し、そのまま申込フォームに進めるため、従来のように営業担当者と対面で契約しなければならないということはありません。
資料請求もWEB上ででき、パンフレットを取り寄せて検討することができます。急な不幸で至急手配が必要な場合は、非会員でもまず電話相談すればすぐに対応してもらえます。その際に希望すれば当日の打ち合わせ時に互助会に新規入会し、割引を受けながら葬儀を行うことも可能です(多くの互助会では、葬儀直前に一括で会費を払えば会員待遇を受けられる制度があります)。したがって、ベルコも「電話一本で駆けつけてくれる」という点では変わりません。
ただ、小さなお葬式のようにWebでプラン選択から日時予約まで完了…という形ではなく、最終的な契約は対面または電話でスタッフと詰める形になります。言い換えれば、人を介して丁寧に進めるプロセスのため、ネット上だけで完結する簡便さはやや劣ります。しかしその分「説明を受けながら安心して決めたい」という方には適しています。実際、ベルコ利用者の声として「支社に問い合わせたらすぐ担当者が来てくれてその場で契約できた」「迷ったが相談室のスタッフが親身に教えてくれたのでベルコに決めた」というものがあります。長年地元で営業展開してきたベルコは高齢者にも馴染みが深く、対面サポート力という形で契約のしやすさを実現しています。
契約・申し込みの両社の比較
まとめると、手続きの気軽さでは「小さなお葬式はオンライン中心でスピーディー」「ベルコはオフライン相談も充実で安心」という違いがあります。インターネットを活用して自分で段取りしたい方は小さなお葬式、直接人と話しながら進めたい方はベルコ、といった選び方になるでしょう。
まとめ:どちらを選ぶべき?
ここまでベルコと小さなお葬式を様々な観点で比較してきました。両社とも実績豊富で評判も良く、信頼できる葬儀サービスを提供しています。それぞれの特徴を簡単にまとめると以下のようになります。
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小さなお葬式:低価格で明瞭なセットプランが魅力。全国一律のサービスをネットで手軽に利用可能。費用を抑えたい、事前準備なしですぐ依頼したい人に向く。
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ベルコ:業界最大手の安心感と柔軟な対応力が魅力。互助会会員になれば充実したサービスを割安で受けられる。伝統ある丁寧な対応を重視したい人に向く。
「どちらが良い葬儀社か」は一概に言えず、重視するポイントによって選択肢が変わってくるでしょう。例えば、「できるだけ費用を抑えたい」「ネットで簡単に申し込みたい」という方には小さなお葬式が適しています。一方、「多少費用がかかっても構わないから信頼できる担当者にお任せしたい」「以前からベルコの会員なのでそのまま頼みたい」という方はベルコを選ぶメリットが大きいでしょう。
迷っている場合は、事前に両社から資料を取り寄せたり相談してみることをおすすめします。小さなお葬式は資料請求でプラン割引がありますし、ベルコも各支社で随時相談を受け付けています。実際に話を聞く中で、自分や家族に合った対応かどうか感じ取れるはずです。
人生で何度もない大切な儀式ですから、不安な点は遠慮なく質問し、納得できる葬儀社を選びましょう。小さなお葬式とベルコは方向性こそ異なりますが、どちらも多くの人に選ばれてきた実績があります。それぞれの強みを理解した上で、ご家族の希望や状況に合ったサービスを選択していただければと思います。