訃報を受けた際、故人の枕元にお花を贈る「枕花(まくらばな)」をご存知でしょうか。供花(きょうか)と混同されやすい枕花ですが、贈るタイミングや意味合いが異なります。
この記事では、枕花の意味や贈り方のマナー、供花との違い、費用相場、花の種類、札名の書き方まで詳しく解説します。故人への弔意を正しく伝えるための参考にしてください。
目次
枕花とは?意味と役割
枕花(まくらばな)とは、故人の枕元に飾るお花のことです。通夜の前、ご遺体が安置されている間に届けるもので、故人への弔意と遺族へのお悔やみの気持ちを表します。
枕花は故人と特に親しかった方が贈るものとされています。一般的な弔問客が贈るものではなく、近親者や親しい友人、会社の上司など、故人と深い関わりがあった方が贈るのが通例です。
・故人の近親者(兄弟姉妹、甥・姪など)
・故人の親しい友人
・会社の上司や同僚(故人と特に親しかった場合)
・故人がお世話になった方
枕花と供花の違い
枕花と供花はどちらも故人に贈る花ですが、贈るタイミングや飾る場所が異なります。
| 項目 | 枕花 | 供花 |
|---|---|---|
| 贈るタイミング | 訃報を受けてから通夜の前まで | 通夜・告別式に合わせて届ける |
| 飾る場所 | 故人の枕元(安置場所) | 祭壇の両脇や葬儀会場 |
| 贈る人 | 故人と特に親しかった人 | 親族・友人・会社関係者など幅広い |
| 花の形式 | 籠盛り(アレンジメント)が基本 | スタンド花・籠盛り・花輪など |
| 費用相場 | 5,000〜15,000円 | 7,500〜20,000円(1基あたり) |
| 札名 | 付けないことが多い | 贈り主の名前を記した札を付ける |
枕花は通夜の前に届けるものなので、訃報を受けたらできるだけ早く手配する必要があります。一方、供花は通夜や告別式の会場に届けるもので、手配のタイミングが異なります。
枕花の費用相場
枕花の費用相場は5,000〜15,000円程度です。故人との関係性によって金額の目安が変わります。
| 贈り主の関係性 | 費用の目安 |
|---|---|
| 近親者(兄弟姉妹・甥姪など) | 10,000〜15,000円 |
| 親しい友人 | 5,000〜10,000円 |
| 会社関係者 | 5,000〜15,000円 |
あまりに高額な枕花は遺族に気を遣わせてしまうため、相場の範囲内で選ぶのがマナーです。
枕花に適した花の種類
枕花には白い花を基本に選ぶのがマナーとされています。清らかさや弔意を表す白い花が最も適しています。
・白い菊:最も一般的な弔花。格式が高い
・白いユリ:上品で香りもよい。人気が高い
・白いカーネーション:優しい印象で広く使われる
・白い胡蝶蘭:格式のある場にふさわしい
・白いトルコキキョウ:柔らかな印象のアレンジメントに
白を基調としつつ、淡い紫や薄いピンク、淡いブルーの花を少し混ぜることもあります。ただし、赤やオレンジなど派手な色の花は避けましょう。バラはとげがあるため弔事には不向きとされることが多いですが、白いバラであれば問題ないとする考えもあります。
故人が好きだった花がある場合は、その花を取り入れるのも故人を偲ぶ良い方法です。ただし、あまりに華やかな色合いは避け、落ち着いたトーンにまとめましょう。
枕花を贈るタイミングと届け方
枕花は訃報を受けてから通夜が始まるまでの間に届けるのが基本です。
贈るタイミング
訃報を受けたら、できるだけ早く花屋に手配しましょう。故人が安置されている場所(自宅や葬儀社の安置室)に届けます。通夜の後に届いてしまうと「枕花」としての意味がなくなるため、タイミングには十分注意が必要です。
訃報を受けてから通夜までの時間が短い場合は、枕花ではなく供花として手配するほうが適切です。
届け方のマナー
枕花を届ける際は、以下の点に注意しましょう。
・必ず遺族に連絡を取り、届け先と受け取り可能な時間を確認する
・自宅安置の場合は、ご自宅に直接届ける
・葬儀社の安置室の場合は、葬儀社に連絡してから届ける
・自分で持参する場合は、長居せず短時間でお悔やみを伝える
枕花の札名の書き方
枕花には札名(名札)を付けないのが一般的です。枕花は故人の枕元にひっそりと飾るもので、供花のように名前を掲示する必要がないためです。
ただし、花屋や葬儀社によっては、誰からの花か分かるよう小さなカードを添えることもあります。その場合の書き方は以下のとおりです。
| 贈り主 | 書き方の例 |
|---|---|
| 個人で贈る場合 | フルネーム(例:山田太郎) |
| 夫婦で贈る場合 | 夫のフルネーム(例:山田太郎) |
| 会社として贈る場合 | 会社名+代表者名(例:株式会社○○ 代表取締役 山田太郎) |
| 連名で贈る場合 | 右から目上の方の名前を書く(3名まで) |
枕花の手配方法
枕花を手配する方法はいくつかあります。それぞれの特徴を理解して、状況に合った方法を選びましょう。
| 手配方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 葬儀社に依頼 | 安置場所に確実に届く。弔事に適した花を選んでもらえる | 担当の葬儀社が分からない場合は遺族に確認が必要 |
| 近くの花屋に依頼 | 細かい希望を伝えやすい。自分で持参もできる | 弔事用のアレンジメントに対応しているか事前確認が必要 |
| オンライン花屋 | 遠方からでも手配可能。24時間注文できる | 届くまでに時間がかかる場合がある。通夜に間に合うか要確認 |
注文の際は「枕花として使いたい」と伝えれば、弔事にふさわしいアレンジメントを提案してもらえます。急ぎの場合は葬儀社に依頼するのが最も確実です。
枕花を贈る際の注意点
枕花を贈る際には、いくつかの注意点があります。マナー違反にならないよう、以下のポイントを押さえておきましょう。
遺族への事前確認は必須:枕花を贈る際は、必ず事前に遺族に確認を取りましょう。安置場所のスペースに限りがある場合や、遺族が辞退している場合もあります。
花の形式は籠盛り(アレンジメント)が基本:枕花は花束ではなく、籠盛り(バスケットアレンジメント)で贈るのが一般的です。花束は花瓶が必要になり、遺族に手間をかけてしまいます。
香りの強い花は避ける:安置場所は密閉された空間であることが多いため、香りが強すぎる花は避けたほうがよいでしょう。
鉢植えは贈らない:鉢植えは「根付く」が「寝付く」を連想させるため、弔事では避けるのがマナーです。
よくある質問
Q. 枕花のお返しは必要?
枕花をいただいた場合、四十九日の忌明け後にお返しをするのが一般的です。いただいた金額の半額〜3分の1程度の品物を、お礼状を添えてお送りします。香典返しとまとめて送ることもあります。
Q. 枕花はいつまで飾る?
枕花は通夜・告別式を通じて飾られ、出棺の際に棺の中に入れることが多いです。棺に入りきらない場合は、火葬場まで持参するか、自宅に持ち帰って飾ります。
Q. 枕花を自分で持参してもよい?
自分で持参することは問題ありません。ただし、遺族に事前連絡をした上で、長居はせず短時間でお悔やみの言葉を伝えて失礼するのがマナーです。通夜前のご遺族は準備で忙しいため、配慮を忘れないようにしましょう。
Q. 枕花と香典は両方必要?
枕花を贈った場合でも、通夜や告別式に参列する際は香典を別途持参するのが通例です。枕花は香典の代わりにはなりません。ただし、故人との関係性や地域の慣習によって異なる場合もあります。
まとめ
- 枕花は故人の枕元に飾る花で、訃報を受けてから通夜の前までに届けるのがマナー
- 供花とは贈るタイミング・飾る場所・贈る人の範囲が異なる
- 費用相場は5,000〜15,000円で、故人との関係性によって金額が変わる
- 白い花(菊、ユリ、カーネーションなど)を基調とした籠盛りアレンジメントが基本
- 札名は付けないのが通例だが、カードを添える場合もある
- 贈る前に必ず遺族に連絡し、届け先と受取可能な時間を確認すること
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