両親や祖父母など高齢の家族が一人で暮らしていると、「もし倒れて誰にも気付かれなかったら」といった不安が常につきまといます。電話をかけてもつながらない日があると胸騒ぎがして、最悪の事態さえ頭をよぎることもあるのではないでしょうか。
日本では高齢者の孤独死が社会問題となっており、離れて暮らす家族にとって、大切な人を見守り、孤独死を防ぎたいという思いは切実です。一方で、過剰な見守りや監視はプライバシーの侵害につながり、親のプライドを傷つけてしまうおそれもあります。
こうした中で登場したのが、NTTドコモとスタートアップ企業チカクが共同開発した“デジタル近居”サービス「ちかく」です。「見守りよりも、やさしい選択」をコンセプトに掲げ、離れて暮らす親子の不安と寂しさに寄り添う、全く新しい見守りのかたちを提供しています。
この記事では、「ちかく」のサービス内容や機能、導入方法、利用者の声、そして創業者・梶原健司さんがこのサービスに込めた思いまでを詳しく紹介します。
目次
見守りよりも、やさしい選択。「ちかく」とは何か
「ちかく」は、離れて暮らす高齢の親を見守る手段として、親と子それぞれのプライバシーや気持ちに配慮したサービスです。やさしくつながる距離感を大切にした、“デジタル近居”という新しいスタイルの見守りを実現しています。
カメラ付き端末でテレビとつなぐ、やさしい見守り
「ちかく」は、離れて暮らす家族をやさしくつなぐ見守りサービスです。最大の特徴は、単なる監視や通知ではなく、親子の双方にとって“ちょうどいい距離感”を保てる点にあります。
ミニチュアの家の形をした専用端末(カメラ搭載)を親側のテレビに接続し、離れて住む子ども側は専用アプリをインストールしたスマートフォンを利用します。端末にはSIMが内蔵されており、自宅にインターネット回線やWi-Fiがなくても使用できます。
親側は、見慣れたテレビの大画面で子や孫の顔を見ながら会話ができ、子ども側はスマホから在宅状況の確認やテレビ電話の発信が可能です。「ちかく」は、離れて暮らす親子の不安に向き合いながら開発された、これまでにない“デジタル近居”のかたちです。
プライバシーも自立も尊重する、理想のつながり方
「ちかく」は、NTTドコモとチカク社による協業プロジェクトの第一弾として、2024年5月に提供が開始されました。全国のドコモショップで購入でき、ドコモの携帯電話契約がなくても利用可能です。
サービス名の「ちかく」には、「近く」と「知覚」という二つの意味が込められています。“距離も時間も超えて、大切な人を近く・知覚できる世界を創る”――これがチカク社の掲げるミッションです。
物理的な距離があっても、まるでそばにいるかのように互いの存在を感じながら、プライバシーや自立心を損なわない。「ちかく」は、そんな理想的なつながりを形にしたサービスです。
創業者の想いが形にした「ちかく」
孤独と不安に寄り添う、家族のつながりを支えるテクノロジーの原点
あと何回親に自分の子どもを会わせてあげられるだろう――そのシンプルで切実な想いが、「ちかく」の原点でした。高齢社会の孤独や家族の距離に対する課題に、テクノロジーでやさしく応えようとする開発者の姿があります。
きっかけは、家族への個人的な気づきから

創業者・梶原健司さん
「ちかく」を開発したのは、Apple Japanで新規事業に携わった経歴を持つ、株式会社チカクの創業者・梶原健司さんです。梶原さんが高齢者向けサービス開発に乗り出したきっかけは、自身の両親と幼い子どもの存在でした。遠方に住むご両親に初孫の成長を見せる中で、「あと何回、親に自分の子どもを会わせてあげられるのだろう」とふと思ったことが、すべての出発点だったといいます。
スマートフォンで孫の写真や動画を送っても、高齢の親にとっては操作が難しく、せっかく送っても見てもらえないことが少なくありませんでした。「なんとか自分の力で解決できないか?」――そう考えた梶原さんは、自宅のテレビに孫の映像を直接届ける専用端末というアイデアにたどり着きます。それが、2014年創業のチカク社が手がけた第一号製品「まごチャンネル」でした。
「まごチャンネル」は、電源ボタンすらない究極にシンプルな設計で、撮影した孫の動画を遠く離れた実家のテレビにリアルタイムでで映し出せる仕組み。梶原さんは「シニア・ファースト」を掲げ、高齢の親世代が無理なく使えるよう、徹底して寄り添うプロダクトづくりを追求しました。その結果、国立長寿医療研究センターとの共同研究では、「まごチャンネル」が祖父母の孤独感を和らげる効果が期待できると報告されるまでに至りました。
双方向のつながりを目指して、「ちかく」へ
しかし梶原さんはここで満足することなく、「今後は双方向のコミュニケーションを可能にしたい」と次の構想を描きます。孫の姿を一方的に届けるだけでなく、離れて暮らす親子が顔を見ながら会話できるようにすること。日常の安否を自然に確認できる仕組みをつくること。その想いが、NTTドコモとの協業によって「ちかく」というかたちで結実しました。
梶原さんの根底には、「高齢社会における孤独」という大きな課題に、テクノロジーで立ち向かいたいという強い信念があります。高齢者は若い世代のようにSNSを使って気軽に人と繋がることが難しく、どうしても日常的な孤独感を抱えがちです。そうした現実に寄り添い、家族の絆によって支え合える仕組みを作りたい――その想いが「ちかく」には込められています。創業者自身の家族への思いや、高齢社会の課題に真摯に向き合う姿勢が色濃く反映されたサービスなのです。
「ちかく」のサービス内容と特徴
「ちかく」がどのような機能を備え、どのように家族の安心を支えてくれるのかを見ていきましょう。サービスは大きく分けて、子ども世代向けの見守り機能と、親世代向けのテレビ電話機能の二つの柱で構成されており、さらに細やかなサポート機能も充実しています。
在室確認(見守り機能)
親御さんが部屋にいるかどうかの在室状況を家型端末のセンサーが感知し、離れて暮らす子どもはスマートフォンの「ちかく」アプリを通じてひと目で確認できます。実家の窓に明かりが灯っているのを遠くから見るように、「今、部屋にいるか」が画面で直感的に分かります。親が外出している場合でも、最後に部屋にいた時刻が表示されるため、「何時までは家にいた」と行動の目安になり安心です。電話を毎日かけられなくても、アプリを開くだけで様子をそっと見守れるこの機能は、忙しい子世代にとって大きな支えになります。
「あんしんモード」で生活リズムを把握
親の生活状況をより詳しく把握したい場合には、無料オプションの「あんしんモード」を有効にできます(親御さんの同意が必要です)。あんしんモードでは生活ログ機能が働き、就寝や起床の時刻、睡眠時間、在室の履歴などが自動で記録されます。たとえば、夜中にトイレに起きる頻度が増えていないか、日中に外出せず部屋にこもっていないかなど、、生活リズムや健康状態の変化にも気づきやすくなります。あらかじめ設定した時間までに起床が確認できない場合は通知が届くため、朝になっても反応がない時にすぐに異変に気付くことができます。
また、明らかに様子がおかしいとき(長時間動きが感知されないなど)は、子ども側から親側のテレビ電話に直接接続して部屋の映像を確認できます。声をかけても応答がない場合でも、画面越しに状況を確認できることで、救急対応の必要性をすぐに判断できます。こうした備えが、万一の事態を未然に防ぐことにもつながります。
テレビ電話で顔を見る安心と楽しみ
見守りだけでなく、離れていても顔を見ながら会話ができるテレビ電話機能も「ちかく」の大きな特徴です。親御さんは、使い慣れた居間のテレビの大画面で子や孫の笑顔を見ることができ、スマートフォンとは違って、まるで本当に会って話しているかのように感じられると好評です。実際に30代の女性利用者は「テレビの大画面に私の顔が大きく映るので、テレビ電話中、祖父はずっと笑っています」と話しています。離れて暮らすおじいちゃん・おばあちゃんにとって、孫や子どもの表情が見えることが、何よりの元気の源になります。
操作はボタン一つでOK。スマートフォンを持っていない80代のお母様も「ボタンひとつでテレビ電話が楽しめて、自分でも使いこなせる」と喜んでいたという60代女性からの声もあります。さらに、テレビ電話中には子ども側のスマートフォンから写真や画像をテレビ画面に表示させることもでき、旅行の写真や日々のスナップなどをその場で一緒に見ることができます。会話の幅が広がり、自然と笑顔も増えていくことでしょう。
簡単設置&シンプル操作
「ちかく」が高齢の方にも受け入れられている理由の一つが、設置や操作の手軽さにあります。家型端末は、テレビのHDMI端子と電源コンセントにそれぞれケーブルを挿すだけで接続完了。面倒な工事や初期設定、Wi-Fiのパスワード入力などは不要で、電源を入れると内蔵SIMによって自動的に通信が始まり、すぐにサービスが利用できます。親御さん側でスマホやPCを操作する必要もなく、付属のリモコンやお使いのテレビリモコンのボタンを呼び出しに応じて押すだけで、簡単に応答できます。スマートフォンやIT機器の操作に不慣れな高齢の方でも迷わず使えるよう設計されており、シニア世代を第一に考えて開発されたことがうかがえます。
端末本体は小さくかわいらしい家の形をしており、無機質な機械というよりも、部屋になじむインテリアのようなデザインです。ある利用者は「お家のようなデザインがかわいらしく、機械が苦手な母もすんなり受け入れてくれた」と話しています。このような工夫によって、「監視されている」ものではなく、「家族とつながるためのやさしい道具」として受け入れられているポイントでしょう。
みんなで見守れる招待・グループ通話機能
「ちかく」は一対一の親子間だけでなく、家族みんなで支え合えるよう設計されています。専用アプリには家族の招待機能があり、離れて暮らす兄弟姉妹や親戚など最大10人までを追加ユーザーとして招待できます。招待された家族も、アプリを通じて在室確認やあんしんモードの情報を共有し、必要に応じてテレビ電話で会話することができます。
さらに、2025年からはグループ通話機能が追加され、親御さんを交えて最大4人までが同時に会話できるようになりました。お盆や年末年始のような特別な機会でしか集まれなかった親戚とも、「ちかく」を通じて日常的に顔を合わせることができます。例えば、遠方に住む兄弟が「今夜8時にみんなで母と話そう」と声をかけ合うような使い方も可能で、親御さんにとっては自分を中心に家族が集まってくれるような温かさを感じられるでしょう。複数人で見守ることで、一人では気づけなかった変化にも対応しやすくなり、子世代の負担が分散されるだけでなく、親御さんにとっても多くの人に気にかけてもらえる安心感が生まれます。
このように、「ちかく」には高齢の親子にとって役立つ多彩な機能が詰め込まれています。
次に、その特徴を表にまとめて紹介します。
機能・特徴 | 内容 |
---|---|
在室検知 (基本の見守り機能) |
親の家に設置した家型端末が人感センサーなどで在室を感知し、離れた場所にいる子どもはスマートフォンのアプリでリアルタイムに在宅状況を確認できる。不在時も最終在室時刻の履歴が表示され、日々の安否確認に活用可能。電話連絡が難しい日でも、アプリを開くだけで見守ることができる安心感がある。 |
あんしんモード (高度な見守り機能) |
親の許可のもと、無料で有効化できるオプション機能。生活ログ機能によって、就寝・起床時刻、睡眠時間、在室履歴などが記録され、生活リズムの変化を把握できる。設定した時間までに起床が確認できない場合は通知が届く機能もあり、異変の察知に役立つ。さらに緊急時には、親側の操作なしでテレビ電話を接続し、部屋の様子を映像で確認することが可能。離れていても孤独死リスクへの備えができる。 |
テレビ電話機能 | 子ども側はスマートフォン、親側はテレビを使って顔を見ながら会話できるビデオ通話。テレビの大画面に映る家族の笑顔は臨場感があり、大きな安心と喜びをもたらす。「本当に会っているみたい」と感じられるほどで、会えない寂しさを癒やしてくれる。実際に「祖父がずっと笑っている」との声もある。通話中にはスマートフォンから写真を送信し、テレビ画面に表示する写真共有機能も搭載されており、思い出をその場で一緒に楽しめる。 |
簡単設置・シンプル操作 | Wi-Fiや工事は不要で、届いたその日からすぐに使える手軽さ。家型端末をテレビのHDMI端子と電源に接続するだけでセットアップが完了。スマートフォンなどでの初期設定は不要で、端末は内蔵SIMにより自動で通信を開始する。親側は付属のリモコンでボタンを一つ押すだけの簡単操作。機械が苦手な高齢者でも戸惑うことなく使えるよう設計されている。家を模した親しみやすいデザインで、心理的な抵抗感も少ない。 |
招待機能・グループ通話 | 家族を複数人招待でき、兄弟姉妹や親戚も見守りに参加可能。アプリのオーナー(契約者)が他の家族に招待リンクを送り、登録してもらうだけで、全員が見守り機能と通話を利用できる。最大4名までの同時グループ通話にも対応し、離れて暮らす家族が日常的に一緒に会話を楽しめる。複数人での見守りにより親の異変にも気付きやすくなり、家族全体で支える体制が築ける。 |
料金と提供形態 | 端末の希望小売価格は33,000円(税込)、専用サービスプラン料金は月額1,980円(税込・データ通信量5GBを含む)。ドコモショップ店頭で購入・契約して利用を開始でき、ドコモ回線を契約していない場合でも利用可能。契約後はスマートフォンに専用アプリをインストールし、親の家に端末を設置するだけでサービスが利用できる。契約時に端末を受け取り、その日からすぐ利用できる。NTTドコモとチカクの共同サービスだが、ドコモ以外のスマートフォンユーザーでも使用できる。 |
「ちかく」がもたらす安心と笑顔
実際に「ちかく」を利用しているご家庭からは、喜びと安心の声が数多く寄せられています。ここではいくつかの利用者の生の声をご紹介しましょう。それぞれのエピソードから、「ちかく」がどれほど家族に温かな変化をもたらしているかが伝わってきます。
利用者の声
・離れて暮らす祖父に笑顔が戻った(30代女性)
「地元に住む大好きな祖父(90代)になかなか会えず、祖父を遠くに感じることもしばしばでした。でも仕事や子どもの学校を考えると近くに引っ越すのも難しく…。一緒に暮らすと関係が崩れる心配もあり悩んでいました。『ちかく』を使い始めて、テレビの大画面に私の顔が映ると祖父はテレビ電話中ずっと笑っています。また在室検知のおかげで『まだ起きてるんだ!じーちゃん何してるかな』って思う時間も増えて、祖父を以前より身近に感じられるようになりました。」
遠く離れていても、毎日大好きなお孫さんの顔を見ることができることで、おじいさまの孤独感がやわらぎ、生き生きとした笑顔が戻った様子が伝わります。お孫さん自身も「離れている祖父を遠くに感じて自己嫌悪に陥ることがあった」が、「ちかく」を通じて心のつながりをより感じられるようになったと語っています。双方にとって絆が深まる素敵な効果ですね。
・「連絡がつかない」不安から解放(40代女性)
「離れて暮らす母(70代)が心配で、実家に連絡しても繋がらないことが度々ありました。1日連絡が取れないと気が気でなく、仕事も手につかないほどでした。『ちかく』を使うようになってからはスマホのアプリをひと目見るだけで母が部屋にいるかわかるし、不在でもいつまで部屋にいたかがわかるので親の動きが感じられて安心できるようになりました。」
これは、見守り機能による典型的な安心効果の声と言えます。電話がつながらないことで最悪の想像に陥るという悪循環から解放され、手軽に安心できる日常を得られたと語っています。また、お母さまにとっても過干渉にならず失礼にならない距離感で見守れる点が、このサービスの「やさしさ」を感じさせるポイントです。
・機械オンチの母でも大丈夫だった!(60代女性)
「母(80代)が高齢になり急に体調が悪くならないか心配で見守りサービスを検討していました。でも新しい機械の導入には抵抗があって、母でも使えるものがなかなか見つからず…。『ちかく』のお家型デザインがかわいらしく、母もすんなり受け入れてくれました。スマホを持たない母ですが、ボタンひとつでテレビ電話を楽しめて『自分でも使いこなせる!』と喜んでいます。母に負担をかけず見守りができて本当に助かっています。」
機械が苦手なお母様にも「自分で使えた!」という自信と喜びをもたらした点で、「ちかく」の設計思想が見事に活かされたエピソードです。かわいらしい見た目とシンプルな操作性が心理的な抵抗感をやわらげ、高齢者ご本人にも自然と受け入れられています。まさに「見守りよりも、やさしい選択」を体現する利用例と言えるでしょう。
このように、「ちかく」は家族の不安をやわらげ、高齢の親御さんの笑顔と安心を生み出していることが利用者の声からも伝わってきます。緊急時に備える機能にとどまらず、日常のコミュニケーションを増やし、孤独感を和らげる役割を果たしている点にこそ、このサービスの本質があります。
※「利用者の声」は、株式会社チカク 2024年5月7日付プレスリリースより引用
導入方法と利用の流れ
「ぜひ我が家でも使いたい」と感じた方のために、「ちかく」の導入方法と利用開始までの流れを説明します。
- 購入・契約
「ちかく」はNTTドコモが取り扱う製品で、最寄りのドコモショップで購入・契約できます。手続きの一部はオンラインにも対応していますが、基本的には店頭で説明を受けながら契約する流れとなっています。店舗によっては実機のデモが設置されており、予約をすれば実際の使い勝手を確認してから購入することも可能です。また、公式サイトから無料の資料請求もできるため、パンフレットを取り寄せて家族と検討するのも一つの方法です。
近年では、自治体がこうした見守りサービスの導入を支援する例もあり、東京都立川市や兵庫県たつの市では「ちかく」の購入費用に対して購入費用の一部補助制度が設けられています。お住まいの地域の高齢者支援策も併せて確認しておくと良いでしょう。 - 料金プラン
端末代金は33,000円(税込)、サービスの月額利用料は1,980円(税込)です。毎月のビデオ通話は180分まで料金に含まれており、超過するとその月は音声通話へ切り替わります。
ドコモ以外のスマートフォンを利用している場合でも、このサービスは単独で契約でき、他社回線の利用者も問題なく導入可能です。 料金の支払いは、クレジットカードなどでの月額引き落としとなります。 - セットアップと利用開始
端末と契約書類を受け取ったら、親御さんの自宅にあるテレビに接続します。HDMI端子に付属のケーブルで家型端末をつなぎ、コンセントに差し込みます。テレビの入力を切り替えると「ちかく」の初期画面とペアリング用の数字が表示されます。
子ども側では、スマートフォンに「ちかく」アプリ(iPhone/Android対応)をインストールし、テレビに表示される数字をアプリで入力すれば、親機(家型端末)と子機(スマホアプリ)がペアリングされ、利用を始めることができます。
テレビ電話をアプリから掛けると端末から着信音が鳴り、専用リモコンでボタンを一つ押せば、テレビチャンネルが自動で切り替わって、そのままテレビ電話が繋がります。リモコン操作によるテレビ電話のかけ方・受け方を親御さんに伝えておくと安心ですが、こちらから一度テレビ電話をかければ、画面に顔が映り声も聞こえるため、操作に不慣れな方でも直感的に理解できます。通信圏外や電源オフ等で繋がらない場合は、アプリに通知やステータス表示が出て確認できます。
このように導導入のハードルが非常に低く、思い立ったときにすぐ利用を始められる点が「ちかく」の利便性です。「機械に不慣れな親でも問題なく使えた」という利用者の声もあり、安心感につながっています。
困った時のサポートも充実しており、NTTドコモのカスタマーサポートやチカク社の問い合わせ窓口が利用できます。また、「よくあるご質問」ページも公開されているため、事前に不明点を確認することも可能です。
大切な家族に「ちかく」という安心を
離れて暮らす高齢の家族を思うとき、不安は尽きません。「今日も元気に過ごしているだろうか」「もし倒れていたらどうしよう」といった心配を完全に取り除くことは難しいもの。「ちかく」は家族の絆で不安をやさしく包み込み、安心をもたらしてくれる心強い存在です。見守りサービスと聞くと、監視カメラのような冷たい印象を持たれる方もいるかもしれませんが、「ちかく」は監視ではなく、コミュニケーションによって見守るというスタンスをとっています。子ども世代には必要な安心感を、親世代には生きがいとなる笑顔で過ごすひとときをもたらしてくれる、まさに「見守りよりもやさしい選択肢」と言えるでしょう。
日本が超高齢社会を迎える中で、これからの時代は「家族のつながり」がますます重要になると考えられます。チカク社は「距離も時間も超えて大切な人を近くに感じられる世界」をつくることをミッションに掲げ、革新的なサービスの提供に取り組んでいます。その第一歩となる「ちかく」は、孤独死といった悲しい出来事を一件でも減らし、離れて暮らす家族同士がお互いの存在を近くに感じて支え合える社会への大きな一歩になるはずです。現在、離れて暮らす両親や親族のことを案じている方にとって、「ちかく」は有力な選択肢の一つとなるでしょう。技術の力で心の距離を縮め、「いつも見守っている」という安心を届けるこの仕組みが、大切な家族に寄り添い、これからの暮らしを明るく支えてくれることが期待されます。