遺骨をゆうパックでお寺に配達！？「送骨」と全国の送骨可能寺院一覧

送骨とは

送骨とはゆうパックで遺骨を送ること

送骨とはゆうパックなどの配達サービスを利用してお寺や霊園に遺骨を送り、そのまま納骨してもらうことを指します。納骨先のお墓の形態は様々ですが、お寺・霊園が管理・供養を永代にわたって行う永代供養墓が特に多く、合葬型の永代供養墓で非常に低価格に納骨できることが特徴です。

遠方の寺院であっても気軽に納骨できるメリットがあります。特に高齢者は車の運転が困難だったり、公共交通機関にしても骨壷を抱えて移動するのは大変です。また、お墓を持たずに、遺骨をどうしたらいいか答えが出ず、自宅に遺骨を置き続けている人も数多くいます。送骨が増えてきている背景には、このような遺骨をめぐる問題があるといってよいでしょう。

一方で弔いを軽視しているとの批判もありますが、近年急速に増えている永代供養墓とあわせて送骨も確実に広まってきており、葬送のあり方が変わってきているとも言えるでしょう。

送骨が可能な配達業者

ところで、ニュースになるときにも「ゆうパックで遺骨を配達」という一文をよく見るように、葬送ではゆうパックが利用されています。クロネコヤマトなど他の宅配便は利用されないのでしょうか？

実は遺骨を配達してくれる配達業者はそう多くなく、ヤマト運輸や佐川急便などは「紛失時の責任が取れない」として遺骨の配達を拒否しています。そんな中、日本郵便のゆうパックは「運送に適した状態であれば拒絶はしない」としているので、送骨にはゆうパックが利用されているのです。

法律的にグレーの域を出ない海洋散骨と異なり、送骨は法律的にも問題はありません。送骨は墓地埋蔵法で許可を受けた墓地・納骨堂に送るので、遺骨遺棄にも該当しません。

送骨を仲介する業者やNPO法人も

送骨の運営形態は、お寺が単独で送骨を行っているケースと、NPO法人や紹介業者を通してお寺に納骨しているケースの、大きくわけて２つのケースがあります。どちらのケースもお寺に遺骨をゆうパックで郵送することは同じです。

前者のケースは、東京都の本寿院や埼玉県の見性院などが例として挙げられます。数として多くありません。現在、送骨を受け入れてくれる寺院は増えてきていますが、お寺が単独で送骨を行っているケースはまだまだ少ないです。

後者のケースは、お坊さんジェイピーのように納骨可能な各寺院と提携して送骨を紹介している会社や、南春寺に送骨する「終の棲家なき遺骨を救う会」のようなNPO法人が送骨を行っているものもあります。これらはお寺は納骨を受け入れてくれていますが、送骨業務は会社やNPO法人が行っているため、送骨業務を行っている会社、NPO法人へ問い合せる必要があります。永代供養墓も広がりを見せており、このような形態で送骨を受け入れてくれる寺院は今後も増えてくるでしょう。

一般的な送骨の手順

送骨の申込と送骨パックの受け取り、送骨の支払い

送骨を受け付けているお寺や会社、NPO法人などに送骨の申込をします。

遺骨をゆうパックで送る際は、骨壷が壊れたり遺骨が漏れないように梱包に気を配る必要があります。多くの場合、送骨パックや送骨梱包キットなどと呼ばれる、送骨の梱包に必要な一式をまず送ることがほとんどです。

送骨の申込が完了すると送骨パックがお寺や会社、NPO法人などから送られてきます。このとき、送骨パックの受け取り時に代金引換で送骨代金を支払う事が多いです。

遺骨の梱包と発送

送骨を受け取ったら、遺骨の入った骨壷を梱包します。

まず、骨壷の蓋が外れないようにガムテープ等でしっかりと固定します。骨壷の蓋を固定したら、桐箱に骨壷を納めます。この時、桐箱の四隅に空洞にそこに緩衝材(プチプチ)を詰めます。骨壷と緩衝材を桐箱に入れたら、桐箱の蓋を閉めてさらにガムテープで固定します。

ダンボールに桐箱と埋火葬許可証、送られてきたお寺の納骨申込書や本人確認書類のコピーなど必要な書類を入れます。ダンボールを固定したら、同封されてきた送り状を貼り付けて発送します。

寺院に到着

遺骨が寺院に到着すると寺院から連絡が来るはずです。送骨の多くは永代供養墓の形をとっているものが多いので、遺骨が到着すると永代供養墓などの納骨スペースに納骨され、永代にわたって供養されます。

もちろん、送骨によって納骨した寺院にお参りすることも可能です。納骨先のお寺の連絡先や住所などは控えておきましょう。

全国の送骨を受け付けている墓地・霊園一覧

送骨を受け付けている墓地・霊園の一覧です。共通事項として、宗旨宗派不問、永代供養料・管理費など込みで、特記事項がある場合は備考欄に書いています。

墓地・霊園運営団体と送骨の申込窓口が異なるものもあります。