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赤ちゃん連れで安心してお葬式に参列するためのマナーとポイント

赤ちゃん

突然の訃報に接し、大切な方のお葬式に参列しなければならなくなったとき、赤ちゃんを抱えるお母さんは様々な不安を感じることでしょう。「赤ちゃんが泣いたらどうしよう」「周囲に迷惑をかけないかな」「連れて行ってもマナー違反にならない?」──そんな葛藤を抱えるお母さんが、罪悪感を感じることなく赤ちゃんと一緒に故人を見送るために知っておきたいポイントをまとめました。

基本的なマナーから服装・持ち物、赤ちゃんが泣いたときの対処法、周囲への配慮の仕方、参列するべきか迷うときの判断基準、式場に確認しておきたい事柄、そして先輩ママたちの体験談まで網羅しています。ぜひ参考にしてみてください。

目次

赤ちゃん連れで葬儀に参列する際の基本マナー

受付で香典を渡す男性

まず大前提として、赤ちゃん連れで葬儀に参列すること自体はマナー違反ではありません。ただし状況によっては参列を控えた方が良い場合もあり、慎重な判断と配慮が必要です。一般的に、故人が親族や家族でない場合は赤ちゃん同伴の参列は控えるのが原則とされています。親しい間柄でない葬儀(仕事関係や知人の葬儀など)では、赤ちゃんは預けるか、後日改めて弔問する方が望ましいでしょう。一方、故人が家族や近親者である場合は、喪主側が「ぜひ来てほしい」と希望していることも多く、赤ちゃん連れでも参列を許されるケースがほとんどです。特に故人にとって赤ちゃんが孫にあたる場合など、「参列してほしい」と言われることもしばしばあります。まずは遺族や喪主の意向を確認し、参列しても良いか相談してみましょう。葬儀の形式や雰囲気、地域のしきたりによっても対応は異なるため、迷ったときは両親や親族に相談しアドバイスをもらうのも有効です。

参列を決めた場合のマナーと心構えとして、次のポイントに注意しましょう。

事前に遺族へ一言伝える

当日いきなり赤ちゃんを連れて現れるよりも、事前に「赤ちゃんを連れて参列したいが大丈夫か」を確認し了承を得ておく方が丁寧です。当日も開始前に喪主やご遺族に挨拶し、「赤ちゃんが途中でぐずいたら一旦外に出ます」と断りを入れておくと周囲も安心します。多くの場合、「赤ちゃんが泣くのは当たり前」のことなので理解してもらえるはずです。

席は出入口に近い場所を選ぶ

会場ではできるだけ出入口付近の端の席に座りましょう。赤ちゃんが泣き出したりぐずったりした際、すぐに席を立って外に出やすくするための配慮です。周囲の人にも「いざとなったらすぐ退出する」という姿勢が伝わり、安心感を与えます。

夫婦で役割分担も検討

ご両親とも故人と親しい場合でも、夫婦のどちらか一方だけが参列する方法もあります。例えばお父さんだけ参列してお母さんと赤ちゃんは自宅で待機する、あるいはその逆といった形です。体調や赤ちゃんの月齢によって無理のない判断をしましょう。無理に2人とも参列しなくても、事情を説明すれば理解してもらえます。夫婦のどちらか一方に任せきりにせず、二人でよく話し合って決めることが大切です。

静かにお別れする工夫

赤ちゃんは環境の変化に敏感です。できる限り式が始まる前に授乳やおむつ替えを済ませておく、お気に入りのおもちゃで落ち着かせておく等、式の最中に赤ちゃんが快適に過ごせるよう準備しましょう。それでも泣いてしまう可能性はありますが、後述するように適切に対処すれば大丈夫です。

以上のように、「基本的には遠慮しつつも、親族なら配慮しながら参列する」というスタンスがマナーと言えます。参列する際は周囲への気遣いを忘れず、厳粛な場の雰囲気を壊さないよう心がけましょう。

服装と持ち物のマナー(赤ちゃん・母親ともに)

ハイハイする赤ちゃん

赤ちゃんを連れてお葬式に参列する際は、服装や持ち物の準備にも普段以上に気を配る必要があります。赤ちゃんとお母さん双方が快適に過ごせ、かつ弔事の場にふさわしい身だしなみ・持ち物を整えておきましょう。

赤ちゃんの服装マナー

葬儀では大人も子どもも基本的に黒やグレー、紺、白など落ち着いた色合いの服装が望ましいとされています。とはいえ赤ちゃん用の真っ黒な喪服を新調する必要はありません。派手な色やデザインを避け、シンプルで控えめな色味の服であれば問題ありません。例えば、手持ちのベビー服からフリルやキャラクター柄のついていない無地のものを選び、色も原色よりパステルやベージュ系など目立たないトーンにすると良いでしょう。もし可能なら黒やダークグレーなどシックな色合いがベストですが、ベビー服では黒は少ないので無理をせず、落ち着いた印象のもので構いません。

また、体温調節しやすい服装にしてあげることも大切です。葬儀場の室温は季節や会場によって寒暖差があります。前開き(ボタンやホック式)の肌着やカーディガンなら脱ぎ着が簡単で、抱っこのままでもおむつ替えしやすいので便利です。重ね着できるようにして、暑ければ1枚脱がせ、寒ければブランケットで調整するなどしましょう。生地は通気性が良く柔らかい素材を選び、赤ちゃんにストレスがないようにします。

服装に関連して留意したいのが足元です。大人同様、赤ちゃんでも素足は避けた方が良いとされています。派手なキャラクターデザインの靴下ではなく、無地で落ち着いた色の靴下を履かせてあげましょう。

さらに、赤ちゃんはミルクの吐き戻しやおむつ漏れで服を汚してしまうことがよくあります。替えの服を余分に数枚持って行き、いざというとき着替えられるようにしてください。万一汚れてもすぐ新しい服に替えてあげれば、赤ちゃん自身も快適に過ごせます。

母親(親)の服装マナー

お母さん自身の服装も、基本は正式な喪服か略喪服(ブラックフォーマル)が望ましいです。黒無地のスーツやワンピースなど落ち着いた服装を選びましょう。しかし出産後間もない時期で体型が戻っていなかったり、授乳の都合があったりと、普段の喪服では難しいこともあります。最近は授乳対応の喪服(前開きのワンピースなど)も市販されていますので、必要に応じて利用するのも一つの方法です。

ポイントは、身体を締め付けない服装にすることです。産後のお母さんは体調が不安定な場合もありますので、コルセットのようにきつい礼服は避け、ゆったりめで動きやすいデザインを選びましょう。授乳中であれば前開きデザインのトップスにすると、赤ちゃんにすぐ授乳できて便利です。上下セパレートのスーツを着る場合は、赤ちゃんのお世話でかがんだ際に肌が見えないよう長めのインナーや腹巻きを着用するなど工夫してください。

靴については、必ずしもヒールである必要はありません。足元が不安定だとかえって危険ですから、ローヒールやフラットシューズでもマナー違反にはなりません。抱っこ紐で赤ちゃんを抱えながら移動することも考えると、歩きやすい靴の方がお母さんも安心です。

お母さん自身も赤ちゃんのお世話で服を汚される可能性があります。ミルクの吐き戻しやおむつ替えの際に服やストッキングが汚れることもあるため、予備のストッキングやシャツを持参しておくと安心です。特にストッキングは赤ちゃんに引っ張られて伝線することもあるので、替えを用意しておくとよいでしょう。

最後に、バッグ選びについて。赤ちゃん連れの場合、おむつやミルク用品など荷物が多くなります。小さなフォーマルバッグだけではとても収まりません。荷物が全部入る大きめのバッグを用意しましょう。黒など地味な色合いであればカジュアルなマザーズバッグでも構いません。遺族への配慮としてバッグ自体も派手すぎない物を選び、会場では邪魔にならないよう足元に置くなど気をつけます。

あると安心な持ち物リスト

赤ちゃんとの外出では「もしも」に備えた持ち物が欠かせません。特にお葬式は長時間に及ぶこともありますし、途中で抜けにくい場面もあります。以下の持ち物をチェックリストにして準備しましょう。

授乳用品

母乳の場合は授乳ケープ、粉ミルクの場合は哺乳瓶・粉ミルク・魔法瓶に入れたお湯など。
会場に授乳室がなくても、授乳ケープがあればその場で授乳できます。粉ミルクの場合、葬儀場でお湯を用意してくれることもあります。吐き戻し対策にスタイ(よだれかけ)やガーゼハンカチも忘れずに。

おむつ替え用品

おむつ数枚、おしり拭き、使用済みおむつ用のビニール袋、使い捨て防水シートや大判タオルなど。
おむつは想定より多めに持って行きましょう。式の途中で交換が必要になることも十分ありえます。専用スペースがない場合は、持参したバスタオルを大きめの椅子やソファに敷いて簡易おむつ替え台にすることもできます。

着替え・汚れ対策グッズ

赤ちゃんの着替え2~3セット、お母さん用の予備シャツやストッキング、汚れ物用のビニール袋、ウェットティッシュなど
ミルクの吐き戻しや食べこぼし、おむつ漏れなどに備え、赤ちゃんの服は多めに用意します。ウェットティッシュがあると手や口元をサッと拭けて便利です。お母さんの服も汚れる可能性があるので、予備があると安心です。

静かに遊べるおもちゃ

音の出ないおもちゃ、布絵本、人形、いつも使っているお気に入りのガラガラなど。
会場で退屈して赤ちゃんがぐずらないよう、音が鳴らないおもちゃを持参しましょう。ビニール袋などガサガサ音の出る物も式の最中は注意です。静かなおもちゃや握り慣れたタオルなどがあると赤ちゃんも安心します。

おやつ・飲み物

月齢に応じて、ボーロやせんべい等の小さなお菓子、ベビー用麦茶や水分など。
少し大きい赤ちゃんなら、ぐずったとき口に入れられるおやつがあると気分転換になります。ただし葬儀中に食べさせるのは避け、控室や外に出たときに与えるようにしましょう。

抱っこ紐・ベビーカー

長時間抱いているとお母さんも疲れるので、抱っこ紐やスリングがあると便利です。赤ちゃんが眠ってしまった場合、そのまま抱っこ紐で抱えながら参列を続けることもできます。ベビーカーについては式場の広さや状況によりますが、必要であれば持参します(ベビーカーについては後述)。

その他あると良い物

母子手帳・保険証(万一体調が悪くなった時のため)、赤ちゃん用の飲み物(麦茶やミルク以外の予備の水分)、お母さん用の飲み物や軽食(授乳中は喉が渇きやすいため)。長時間の外出になる場合、お母さん自身の体調維持のためにも適宜水分補給できるようにしておきましょう。

以上が主な持ち物リストです。大きめのバッグ一つにまとめて、すぐ取り出せるよう整理しておくと良いでしょう。荷物が多いですが、準備を万全にしておけば当日の安心感が違います。

葬儀の最中に赤ちゃんが泣いた場合の対応

泣いている赤ちゃん

厳粛な葬儀の最中に、もし赤ちゃんが泣き出してしまったら…お母さんとしては冷や汗ものですが、ここで大切なのは慌てず素早く対応することです。赤ちゃんが泣くのは「仕事」のようなものであり仕方のないことですが、だからといってそのまま泣かせっぱなしにしておくのは周囲への迷惑となります。以下の対処法と気配りを心得ておきましょう。

すぐに席を立ち、静かな場所へ移動する

赤ちゃんがグズり始めたら、遠慮せず一旦式場の外に出ましょう。読経中や焼香中などでも、泣き声が響いてしまう状況であればためらう必要はありません。昔は「焼香が終わるまで我慢しなきゃ…」と粘るお母さんも多かったようですが、それではかえって周りに迷惑をかけてしまいます。赤ちゃんが泣き続けている状態で会場内に留まるのはマナー違反と心得て、速やかに退出してください。退出といっても葬儀自体を途中で帰ってしまう必要はなく、式場の外やロビー、トイレ前など音が漏れない場所まで移動し、赤ちゃんが落ち着くまであやします。泣き止んだら、様子を見て再入場して大丈夫です。まだ難しそうであれば、無理に戻らずそのまま外で待機していても構いません。

周囲への配慮(退出時のひと声など)

席を立つ際、同席している親族など近くの方に一言「すみません、出ますね」と小さく声を掛けるか、会釈して退出すると感じが良いでしょう。「あの人急にいなくなったけどどうしたのかしら?」と心配させずに済みます。事前に「泣いたら退出します」と伝えておけば周囲も察してくれるので、深く説明しなくてもスムーズに外に出られるはずです。再入場するときも、できるだけ静かに席に戻りましょう。

交代で焼香を行う

退出するタイミングによっては、葬儀の中でお焼香(お別れの拝礼)の場面に不在になってしまうかもしれません。お焼香は故人への最後の敬意を表す大切な所作なので、可能であればどちらかの親が交代で必ず行うようにしましょう。例えば夫婦で参列している場合、片方が赤ちゃんと外にいる間にもう片方がお焼香を済ませる、という具合です。一人で参列していて退席した場合でも、スタッフや親族が気を利かせて「最後にお焼香されますか?」と案内してくれることがあります。葬儀社のスタッフは赤ちゃん連れの退席には慣れているので、遠慮なく対応してもらいましょう。事前に「子供が騒いだらすぐ退席したいので、一番後ろの席で…」とスタッフに相談しておくと、式の進行に合わせて配慮してくれることもあります。

泣き止ませのポイント

一旦外に出たら、焦らず赤ちゃんをあやしましょう。泣く原因として多い空腹・オムツ不快・眠気を順番にチェックします。お腹が空いていそうならミルクや授乳をし、おむつが濡れていれば交換します。単に怖くて泣いてしまった場合は、抱っこして優しく揺らしたり、落ち着く歌を小声で歌ってあげたり、お気に入りのおもちゃを見せて気を逸らしたりしてみてください。会場から少し離れた静かな場所であれば、赤ちゃんも徐々に安心して泣き止むことが多いです。もしそのまま寝付いてしまったなら、無理に起こさず抱っこ紐で寝かせたまま控室で休んだり、落ち着いたら席に戻ったりしましょう。赤ちゃんが眠っている間に、交代でお焼香だけ済ませるのも一つの方法です。

「退出はマナー違反ではない」という理解

赤ちゃん連れの場合、式の途中で抜けるのは失礼ではないか…と心配になるかもしれません。しかし赤ちゃんのために一時退出すること自体はマナー違反ではなく、むしろ適切な配慮です。後で戻りづらく感じるかもしれませんが、「周りの迷惑にならずに済んだ」と前向きに捉えてください。多くの参列者も赤ちゃんが泣けば仕方ないと分かっていますし、きちんと対処すれば悪く思う人はほとんどいません。「赤ちゃんがいるのに頑張って来てくれた」と好意的に受け止めてくれるケースも多いです。

大事なのは、赤ちゃんとお母さん自身の心身に無理をさせないことです。泣き声を抑えようとお母さんが神経質になりすぎると、その緊張が赤ちゃんにも伝わってしまいます。ある程度は「泣いて当然」と受け止め、泣いたらサッと退席して対処する、と事前に決めておけば心にも余裕が生まれるでしょう。

周囲への配慮(家族・親族・会葬者への気配り)

赤ちゃん連れで葬儀に参列する際は、周囲の方々への思いやりと事前の配慮がとても重要です。悲しみの中にいる遺族や、厳粛な場にいる他の参列者に対して、以下のような気遣いを心がけましょう。

事前の根回しと相談

繰り返しになりますが、参列を決めたら必ず遺族(喪主)に事前確認と相談を行いましょう。親戚付き合いや地域の風習によって受け止め方も違いますので、事前に一報入れておくと安心です。「ぜひ連れてきて」と言ってもらえれば心強いですし、逆に「大変だろうから無理しないで」と遠慮を勧められたら、それを尊重して無理に出席しない選択肢も検討してください。どちらにせよ相手の意向を尊重する姿勢が大切です。

親族内での協力体制

故人が近親者の場合、葬儀当日に親族が受付や進行の手伝いを頼まれることがあります。もし自分が手伝いを任される可能性があるなら、代わりに赤ちゃんを見ていてくれる人を確保しておきましょう。例えば自分の親や兄弟にお願いして、手伝いの間だけ赤ちゃんの子守りを引き受けてもらう計画を立てておくと安心です。親族間で役割分担をして、赤ちゃん連れのあなたが無理なく動けるよう協力してもらいましょう。葬儀の場ではお互い様という気持ちで助け合うことが大事です。

周囲への挨拶と断り

当日会場に着いたら、まず親族や近しい参列者には赤ちゃん連れであることを伝えて挨拶しておきます。「本日は赤ん坊を連れておりまして、途中で泣いたら退席するかもしれません。ご迷惑おかけしたら申し訳ありません」と一言添えておけば、皆心構えができますし、「大丈夫だよ」と温かい言葉をもらえるかもしれません。また式の最中に途中退出する際も、先述のように隣席の方に軽く断ってから立つなど、細やかな声掛けを心がけましょう。

式場での過ごし方の工夫

周囲への迷惑を最小限にするため、赤ちゃん連れでの参列中はできるだけ目立たず慎重な行動を心がけます。具体的には、式の重要な場面では赤ちゃんをあやして静かにさせておく(例えば故人とのお別れの言葉が述べられている間など)、香典や焼香の列ではベビーカーは押さず抱っこで進む、他の参列者の動線を塞がないよう端によけて待つ等です。周囲の方が赤ちゃんに気を取られてしまわないよう、お母さん自身が状況をよく見て行動しましょう。

無理はしない、周囲に甘える

周囲への配慮とはいえ、お母さん一人で全てを完璧にやろうとすると疲弊してしまいます。周りの助けを上手に借りることもマナーのうちです。ご家族や親戚から「抱っこしてましょうか?」と声を掛けてもらえたら、遠慮せずお願いしましょう。特に自分がお焼香をする間など、誰かに赤ちゃんを預かってもらえると助かります(※可能なら事前にお願いしておく)。また、他の参列者が赤ちゃんに笑いかけてくれたり、「かわいいね」と和ませてくれる場面もあるかもしれません。そんなときは笑顔でお礼を伝え、周囲の理解に感謝する気持ちを持ちましょう。赤ちゃんのおかげで会場が少し和むような雰囲気になれば、故人を偲ぶ場としても温かみが増すかもしれません。

終了後のひとこと

葬儀が無事終わったら、退出時に改めて「本日は赤ん坊連れで失礼しました」と一言お詫びとお礼を伝えると丁寧です。遺族の方々にも、「赤ちゃんを連れてきてくれてありがとう。大変だったでしょう」と逆にねぎらわれることも多いでしょう。実際に「子どもが一緒にいてくれて、少し救われた」という声も聞かれるほどで、赤ちゃんの存在自体が周囲にとって慰めになる場合もあるのです。あまり恐縮しすぎず、「皆さんのおかげでなんとか参列できました」という感謝の気持ちを伝えると良いでしょう。

参列すべきか迷ったときの判断ポイント

赤ちゃん連れで葬儀に行くべきか迷ったとき、以下のポイントを参考に総合的に判断しましょう。最終的にはお母さん・ご家族の状況に合わせて無理のない選択をすることが大切です。

故人との関係性

まずは故人や遺族との関係の深さを考えます。故人が親や祖父母などの近親者であれば、赤ちゃん連れでもできれば参列して最後のお別れをしたいところです。特に故人が生前赤ちゃんを可愛がってくれていた場合など、「ぜひ来てほしい」と希望されることもあります。一方、故人が親族でない場合や付き合いの浅い間柄の場合は、無理に参列しなくても失礼には当たりません。香典や弔電を送り、落ち着いた頃に改めてお悔やみに伺うなど他の方法で気持ちを伝えることもできます。

遺族(喪主)の意向

喪主側がどのように考えているかを確認しましょう。すでに遺族から「大変だろうから無理しないでね」と気遣いの言葉があれば、欠席しても問題ないでしょうし、「ぜひ顔を見せてあげて」と言われるようなら、できる範囲で参列を検討した方が良いかもしれません。喪主に直接聞きにくい場合は、共通の親族(自分の親など)に相談すると間接的に意向を探ってもらえます。相手の言葉のニュアンスから判断し、「来てほしい」と言われたら極力参加、「無理しないで」と言われたら遠慮する、という風にしましょう。

赤ちゃんの月齢・体調

赤ちゃんの年齢があまりに低い場合は、基本的には無理をさせない方が良いでしょう。特に生後間もない新生児(生後4週間以内)の赤ちゃんは免疫力も弱く、外出自体にリスクがあります。産後1か月健診を終えるまでの間は、たとえ親族の葬儀でも欠席した方が望ましいとされています。最低でも生後30日程度は経過してから参列するのがマナーとも言われます。また月齢に関係なく、赤ちゃんが発熱している、体調が優れない場合も当然ながら無理は禁物です。長時間の移動や人混みは赤ちゃんに負担となるため、そのようなときは参列を見合わせる判断をしましょう。赤ちゃんの健康第一で考えることが、故人への礼儀にもかなうはずです。

お母さんの体調・回復具合

出産直後でお母さん自身の体調が安定していない場合もあります。産後無理をすると後々まで影響が出ることもありますので、お母さん自身が疲労困憊のときや体調不良のときは決して無理をしないでください。葬儀は心身ともにエネルギーを使う場です。「赤ちゃんの世話だけで精一杯で参列は難しい」と感じたら、欠席しても構いません。その際は早めに欠席の旨を連絡し、可能であれば代理の家族に参列してもらう、弔電を打つなどの対応を取りましょう。

葬儀の規模・形式

葬儀が遠方で行われる場合や、通夜・告別式両方への出席が求められる場合も判断のポイントです。長時間の移動や宿泊を伴う場合、赤ちゃんにもお母さんにも負担が大きくなります。例えば車で数時間かかる距離であれば、一度に行かず途中で休憩を入れる、通夜は欠席して告別式だけ出席する、あるいは子連れは控えて後日改めて墓前にお参りする等の工夫も検討しましょう。どうしても出席したいが赤ちゃんを連れての宿泊は難しいという場合、宿泊だけ別途ホテルを取って夜間はそちらで休む選択もあります(葬儀場に無理に泊まらなくても問題ありません)。要は赤ちゃんと自分の生活リズムを大きく狂わせずに参加できるかどうかを考えてみて、厳しそうなら無理せず方法を変える決断も必要です。

預け先の有無

どうしても参列したいが赤ちゃん連れは難しい…という場合、信頼できる預け先がないか検討しましょう。身近に預かってくれる家族や託児サービスが利用できるなら、数時間だけお願いしてお母さん(お父さん)だけ参列する方法もあります。ただし授乳間隔が短い乳児期は預けるのも容易ではないため、やはり基本は赤ちゃん優先で判断してください。預けられないからといって自分を責める必要はありません。行けない場合でも、電話やお手紙でしっかり哀悼の意を伝えればお気持ちは届きます。

以上のポイントを総合し、「自分たちにできる範囲で参列する」という姿勢で判断することが肝心です。無理を押して参列しても赤ちゃんやお母さんがつらい思いをしては、故人も心配してしまうでしょう。逆に、できる工夫を凝らして参列できれば、故人もきっと喜んでくれるはずです。「赤ちゃんがいるから行かない」というのは本来寂しいものですので、赤ちゃんの体調と周囲への配慮とのバランスをとりながら、なるべく参列する道を模索するのが望ましいでしょう。ただし何よりも赤ちゃんとお母さんの健康・安全を最優先にしてください。

式場に事前に確認しておくと良いこと(控室・授乳室・ベビーカーの可否など)

赤ちゃん連れで安心して葬儀に臨むために、事前に式場や葬儀社へ確認しておくと良いポイントがあります。会場の設備や受け入れ態勢を把握しておけば、当日に慌てず対処できるでしょう。以下に主な確認事項を挙げます。

授乳室や授乳スペースの有無

式場に専用の授乳室があるかどうか事前に問い合わせてみましょう。最近の葬儀会場では、家族葬の増加に伴い授乳やおむつ替えに配慮した設備を備えている所も増えています。授乳室がなくても、「式の最中に授乳できる静かな部屋はありますか?」と相談すれば、空き部屋や親族控室を授乳に使わせてくれることがほとんどです。粉ミルクの場合はお湯を頂けるかも確認しておくと安心です。

おむつ替えスペースの有無

おむつ交換台が館内のトイレ等に設置されているか確認しましょう。最近の葬儀会館ではトイレにベビーシートやおむつ台を備えていることが多いようです。無い場合でも、「どこかおむつ替えできるスペースはありますか?」と聞けば、スタッフが適切な場所を案内してくれるはずです。万一会場におむつ替え設備が全く無さそうなら、先述のように防水シートやバスタオルを持参して、その場で対応できるよう準備しておきます。

ベビーカーの持ち込み可否

ベビーカーを式場内に持ち込んで良いかも確認ポイントです。一般的に葬儀会場へのベビーカーの持ち込みは可能ですが、狭い会場だと邪魔になることもあります。葬儀社によっては「会場内のこのスペースに置いておきましょう」といった具合に、邪魔にならない置き場所を確保してくれます。大型のA型ベビーカーより、折り畳みやすいB型の方が場所を取らず無難でしょう。事前に持ち込んで良いか、置き場所はあるかを尋ねておくと当日スムーズです。なお、会場が2階以上でエレベーターがない場合はベビーカーは不向きなので、抱っこ紐で行くなど対策しましょう。

親族控室など待機できる場所

家族葬などで親族用の控室が用意されている式場なら、そこを一時的な退避場所に使えるか確認します。葬儀中ずっと本会場に居なくても、赤ちゃんの様子を見て控室で待機し、式の最後だけ顔を出すという形でも構わない場合があります。特に赤ちゃんを故人に会わせることが参列の目的であるなら、式の間は別室にいて、最後のお別れのときに赤ちゃんと参列するという選択肢も考えられます。自宅葬で控室がない場合でも、近くの静かな部屋を使えないか相談してみましょう。事前に周囲の了承を得ておけば、当日気兼ねなく別室で過ごすことも可能です。

スタッフへの共有

式場スタッフ(葬儀社担当者)にも赤ちゃん連れであることを事前に伝えておくと良いでしょう。スタッフは過去にも同じようなケースを経験していますから、いざというときサポートに入ってくれるはずです。例えば途中退出した際、タイミングを見計らってお焼香に誘導してくれたり、ベビーカーを所定の場所に運んでおいてくれたりといった配慮をしてもらえます。「当日赤ん坊がいるのでお世話になります」とひと声掛けておくだけで、かなり心強く感じられるでしょう。

これらの確認事項は、事前に電話やメールで葬儀社に問い合わせておけばOKです。「赤ちゃん連れで伺う予定なのですが…」と切り出せば、向こうも慣れているので必要な案内をしてくれるでしょう。可能であれば下見を兼ねて少し早めに会場に到着し、出口やトイレの場所、控室の場所などを自分の目で確認しておくとさらに安心です。準備万端で臨めば、当日は気持ちにゆとりを持って故人とお別れすることができます。

まとめ

赤ちゃん連れのお葬式参列について、マナーや準備、心構えを詳しく見てきました。突然の不幸に際し「赤ちゃんがいるから無理」と最初から諦めてしまうのではなく、工夫次第で赤ちゃんと一緒に故人とのお別れが叶うことがお分かりいただけたと思います。大切なのは、赤ちゃんとお母さんの体調・負担を最優先に考えること、そして遺族や周囲への配慮を忘れないことです。その両方に気をつけながら、できる範囲で参列する姿勢を持てば、きっと温かく受け入れてもらえるでしょう。

最後にもう一度ポイントを振り返ります。

  • 参列前の相談と判断: 親族の葬儀なら基本OKだが、事前に遺族に相談。非親族なら無理せず、欠席も選択肢に。赤ちゃんやお母さんの体調次第で無理しない。

  • 服装・持ち物: 赤ちゃんは黒やグレーなど控えめな色の服でOK。派手な装いは避け、着替えを多めに準備。お母さんは授乳しやすく体を締め付けない服装で、予備のストッキング等も持参。荷物は多いので大きめの地味なバッグで。

  • 泣いたときの対処: すぐに退出してあやす。泣き止んだら戻り、無理なら控室で待機でもOK。退出はマナー違反ではなく適切な対応なので気にしすぎない。お焼香は交代で行うなど工夫。

  • 周囲への配慮: 席は出入口側にし、開始前に「泣いたら出ます」と断りを。親族に協力を仰ぎ、助けてもらう。周囲へ適宜お詫びとお礼を伝える気持ちを忘れずに。

  • 式場設備の確認: 授乳室・おむつ替え台の有無、控室利用、ベビーカーOKかなど事前に葬儀社に確認しておくと安心。

お母さんにとって、赤ちゃんを連れての葬儀参列は悩みが尽きないものです。しかし、決して特殊なケースではなく、たくさんの親御さんが同じ経験を乗り越えて故人を見送っています。あなたができる範囲で精一杯の配慮をすれば、誰にも後ろめたく思う必要はありません。故人を想う気持ちが何より大切であり、その思いは必ず届くはずです。周囲もきっと理解し、支えてくれるでしょう。

どうかご自身を責めたり遠慮しすぎたりせず、赤ちゃんとともに最後のお別れの時間を大切に過ごしてください。準備万端に整えれば、きっと安心して参列できるはずです。お母さんと赤ちゃんが穏やかな気持ちで故人を送り出せますよう、心よりお祈りいたします。

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