訃報を受けて、通夜などへ参列するとき、故人の死を悼み、遺族を慰め、励ますのが「お悔やみの言葉」です。
実際に通夜や葬儀の際にどのような言葉をかければいいのか、意外に言葉に困るものです。事前にしっかりと言葉を選んでおくためにも、お悔やみの言葉のポイントと文例を押さえておきましょう。
※2021年現在、コロナ禍中の「お悔やみ状の例文」はこちらにあります。
では、「お悔やみの言葉」を見ていきます。
目次
「お悔やみの言葉」の基本
ごく短い挨拶でお悔やみを伝える
親戚などある程度遺族と関係がある人はまだしも、一般の弔問客と遺族が話す機会は実はあまりありません。弔問客と遺族が言葉を交わす場面は、通夜振る舞いを除けば挨拶をするときくらいです。つまり、ごく短い挨拶で「お悔やみ」の気持ちを端的に伝える必要があるのです。
ポイントは「故人の死を悼む」言葉と「遺族を励ます」言葉
長々と話すのはあまりよくないので、気持ちを伝えるためにはポイントを押さえておく必要がありますが、初めての人は特に案外どう声をかけたほうが良いのかわからないものです。
重要なのは故人の死を悼み、遺族を励ますことです。例文を参考に自分なりに言葉を用意して簡潔に伝えるようにしましょう。
喪家側はお礼の気持ちを込めて挨拶する
弔問客のお悔やみの言葉に対して、喪家側も感謝の気持ちを込めてお礼の挨拶を返すようにしましょう。喪家側もやはり簡潔に返事することが必要です。
お悔やみのタブー
遺族と長々と話す
喪家側は色々な弔問客への応対や、儀式の準備などに追われているので、長々と話すことはNGです。
故人の死因について聞く
故人の死因についてを詳細を聞くことは失礼にあたります。純粋に亡くなったことへのお悔やみのみを伝えるようにしましょう。
重ね言葉・繰り返しを表す言葉
「重ね重ね」「度々」「ますます」などの重ね言葉は不幸が重なることを想起させるので避けるようにしましょう。また、「続き」「これからも」など繰り返しを連想させる表現も避けます。
直接的な表現は避ける
生死に対する直接的な表現も避けたほうが良いと言われています。例えば、「死亡・死去」などは「ご逝去」、「生きていた頃」なども「ご生前」「お元気な頃」などに言い換えます。
不吉な表現は避ける
「浮かばれない」「大変なことになる」など不吉な言葉はNGです。
「お悔やみの言葉」例文
汎用的なお悔やみ
急なお知らせで本当に驚きました。心からお悔やみを申し上げます。
このたびは思いもかけないことで、さぞお力落としのことでしょう。お慰めの言葉もございません。
病死の場合
ご体調が芳しくないとはうかがっておりましたが、こんなに急に逝かれるとは思ってもおりませんでした。心からお悔やみ申し上げます。
先日お見舞いにうかがったときは笑顔を見せていらしたので、ご回復を信じておりました。本当に残念です。どうか、お力落としのございませんように。
このたびは、まことにご愁傷様でございます。お元気な方でしたので、ご入院とうかがっても、あまり心配していなかったのですが、考えが及ばず、申し訳ありません。
事故死・急死の場合
急なお知らせで、なんと申し上げたら良いかも分かりません。どうか、気をしっかりとお持ちになってください。
思いがけない事故で残念なことです。お力落としにならないように、お気を強く持ってください。
このたびは突然の災難で、まだ信じられない思いでございます。お気持ちをお察しします。
故人が高齢の場合
お元気そうでしたのに、残念でなりません。心からお悔やみ申し上げます。
このたびは誠にご愁傷様でございます。本当に寂しさが募ります。
このたびは残念なことでございました。まだまだお元気でいていただきたかったです。私も寂しくなるばかりです。
故人が子どもの場合
このたびはご愁傷様です。こんなことになるとは本当に残念です。悲しくて胸が張り裂けそうです。ご両親のお悲しみは計り知れないものでございましょう。
あんなに元気だったのに、まだ信じられません。◯◯ちゃんの看病を懸命にされていただけにご無念とは存じます。どうか気をしっかりとお持ちください。
故人と喪主が夫婦の関係の場合
このたびは誠にご愁傷様です。奥様(ご主人)はあんなに若々しくしていらしたのに。
突然のことで信じられない思いです。長い間連れ添われたご主人(奥様)をお見送られて、さぞご落胆のこととお察しします。どうかお力落としをなさいませんよう。
ご主人(奥様)の急なご不幸で、お力落としのことと存じます。心からお悔やみ申し上げます。
代理で弔問している場合
このたびは誠にご愁傷様でございます。私は◯◯部長に会社でお世話になっておりました△△の妻の□□と申します。本人があいにく出張中でございますので、私が代わりに参りました。戻り次第ご焼香にうかがいますが、本日のところはどうぞお許しください。
このたびは、まことにご愁傷様でございます。◯◯株式会社営業課長の△△と申します。□□(社長)はただいま出張しておりますので、私が参上いたしました。社長は、ご葬儀にはぜひうかがうとのことでございます。
このたびは突然のことで心からお悔やみ申し上げます。大学時代からご主人(故人)と親しくさせていただいていた、◯◯の妻の△△と申します。本人が入院中ですので、代わって私がうかがいました。◯◯も大変悲しんでおります。
いかがでしたか?
なお、葬儀に参列できない際の「お悔やみ状の例文」と「礼状の基本」は、以下の記事あります。
葬儀に参列できない際のお悔やみ状と礼状の基本合わせてご覧くださいね。