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自分らしく生きてお別れする生前葬のメリット・デメリット、著名人に見る生前葬と主催のやり方まで

生前葬のメリット・デメリット

人によって「生前葬」の捉え方は千差万別です。

わからないことが多いのが生前葬でもあります。

「そもそも、生前葬を行うメリットってあるの?」

「誰がどんな目的で主催するものなの?」

「生前葬にはどんな服装で参加すればいいの?」

そこでこの記事の後半では、わかりやすく「著名人の生前葬」をみていきます。

いますぐ「著名人の生前葬」をみる
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また「生前葬の舞台や映画」などを例に交えながら誰でもわかるように、生前葬について詳しく解説していきます。

いますぐ「生前葬の舞台や映画」をみる
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まずは「生前葬がどのようなものであるか」を見ていきましょう。

いますぐ「生前葬のメリット・デメリット」をみる
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目次

なぜいま生前葬なのか

なぜいま生前葬が注目されているのか?

理由は簡単です。

少子高齢化が進んでいるからです。

若い世代や後継人に葬儀の負担をかけたくないからです。

生前葬は終活の一環とも言えるもの

生前葬は、「終活の一環」とも言えます。

たとえば、

  • 生前葬で配布する自身の半生を綴った自分史製作
  • ビデオメッセージを撮って式典中に映像を流す
など、これまでこの世を生きてきた軌跡として後世に伝える役割が生前葬にはあります。

すなわち生前葬は単なるイベントではありません。

終活の一環です。

お年寄りと若い人のイメージ

自分の生きた証を記録に残すとともに、これからを担う若い世代に自分の遺志を引き継ぐ場として見直されています。

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生前葬は最近できたばかりの葬儀ではありません

生前葬は最近できたものと思われがちです。

しかし、生前葬の歴史は「江戸時代」までさかのぼるとも言われます。

今から約200年前です。

随筆集『甲子夜話』に、以下の内容の記録が残っていました。

ある家老(かろう)がお寺の住職にこう頼みました。

「どうせ人生で一度は野送り(墓場まで遺体を運ばれ参列)されるものだ。」
 
「それなら命があるうちに葬礼をしてもらいたい」

このとき行われた葬儀が「生前葬」の最初と言われています。

※随筆集『甲子夜話』はこちら↓
参考 甲子夜話国立公文書館

この文献によれば、当時は今の生前葬のようなパーティ形式ではありませんでした。

本番さながらの葬儀だった、そのように伝えられています。

しかもです。

昔の生前葬は、葬儀に必要となる棺や香花などをすべて集めるところから始まりました。

その後、白装束に着替えます。棺桶に入ります。

僧侶にお経を読んでもらったりなどしていきます。

最後には埋葬される直前で棺桶から出てきたとされています。

そのため、現在の生前葬のように個人の意思を葬儀内容に反映したくても反映できませんでした。

その点、今の生前葬は、本人の希望に応えられます。

江戸時代当時より汎用性が高いものになっているといえそうですね。

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海外にも「生前葬」と似たものがあります

では海外に目を向けてみましょう。

日本とどのような違いがあるのか?

じつは海外では「生前葬」が比較的行われています。

ただ生前葬そのものは正式な英語の呼び方がありません。

ですので、外国の方に「生前葬」を英語で伝えたい場合には、「生きている間に行う葬儀」という意味から、Living funeralと表現します。

きっと理解してもらえます。

あるいは、「生きている間に葬儀をする」という意味で、Make a funeral while aliveと説明するとよりわかりやすく誤解が少なくなります。

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アメリカにおける生前葬とは?

アメリカには「プレニード」というものがあります。

プレニードとは、生きている間に親である自分の葬儀費用を前払いしておく「生前契約」にあたるものです。

残された遺族の経済的負担を減らすことをプレニードが目的としています。

その点で、「プレニード」が日本での終活や生前葬にあたるものと考えられます。

なお現在の日本においても同様の生前契約ができる葬儀会社があります。

生前葬にハードルが高いと感じている場合はこちらの制度を用いられてもよいかもしれませんね。

生前葬を行っておくことで財産についての話し合いもできます。

同時に死後の葬儀の不安を減らす目的も含まれているとされていたりもします。
親と子の助け合いのイメージ

日本においてもやがてそのように生前葬でなくても生前整理などが増えていくかもしれません。

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日本における生前葬とは?

さて日本の話に戻ります。

日本では、生前葬を耳にする機会がほとんどありません。

理由は簡単です。

生前葬にかかる金銭面の負担が大きいからです。

後述の通り、小さな規模の生前葬でも30万円近くがかかります。さらにこだわりがあれば100万円以上かかることも。

そのため、テレビに出演するような芸能人や著名人であれば参加者も多いことから開催しやすいのですが、一般の方にとってはハードルが高いものとなっているのです。

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有名人や芸能人にみる生前葬の形とは・・・

ビートたけし、テリー伊藤、アントニオ猪木など各界を代表する名だたる著名人が記憶に残る生前葬を行っています。

そのどれもが笑いと涙と感動に包まれました。

参加した者すべてに思い出を残すものとなりました。

またSMAPのように解散を想定した生前葬はファンの方にとっては忘れられない、まさに実際の葬儀さながら思い出に残る満足感の高い1日となったことに違いありません。

そのように著名人の生前葬はただ別れを悲しむ場ではありません。

ファンへの感謝の気持ちを伝えるサービスです。また一緒に時間を共有し、新たな出発に向けての準備と「決意表明の場」と言えるものです。

そして、生前葬を開催する場合、あるいは参列する際には、著名人の生前葬が大変参考になります。

かつて生前葬を行った有名人や芸能人の生前葬を足掛かりにしましょう。

どのような葬儀内容があるかを確認してみるのです。

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さて、生前葬を実際に行なった有名人には、以下のような方がいらっしゃいます(敬称略)。

芸人やタレント ・ビートたけし
・テリー伊藤
・カンニング竹山
・大橋巨泉
・水の江滝子
・永六輔
アーティスト、音楽関係 ・桑田佳祐
・SMAP
・小椋佳
落語家 ・2代目三遊亭金朝
スポーツ選手 ・アントニオ猪木
・仰木彬
学者 ・養老孟司
漫画家 ・赤塚不二夫
政治家 ・宮崎謙介元衆議院議員

以下、これら生前葬を行った著名人のうち、代表的なの葬儀内容をお伝えします。

こんなやり方があるのだと気づきも多いのですので参考になさってみてくださいね。

タレント:ビートたけしの生前葬
2009年4月3日、東京都内にてタレントのビートたけしさんの生前葬が開催されました。

たけしさんの「コントで葬式をやると番組が当たる」という考えから、番組最初に放送されました。

その様子は、翌週4月10日に放送されたテレビ東京の番組「たけしニッポンのミカタ!」、『逝き恥をさらさない生き方 ビートたけし生前葬』として放送されています。

人を笑わせることが大好きなビートたけしさんらしいですよね。
あなたもそのような楽しい生前葬をなされてみてはいかがでしょう。

国民的歌手グループ、SMAPの生前葬
2014年7月26日の「FNS27時間テレビ」の冒頭で国民的歌手グループSMAPの生前葬が行われました。
その番組の総合司会はSMAPであり、そのときにSMAPの解散話もでてきました。
そして、実際に2016年12月31日に解散となりました。
そのような意味で生前葬を通して、グループ解散や引退前の発表の予告的なアナウンスの場とすることも生前葬の役割として用いられることもできます。
タレント、テリー伊藤の生前葬
2010年9月にタレントのテリー伊藤さんの生前葬が東京・青山葬儀場で開催されました。
その様子は、TBSのバラエティ番組「テリー伊藤伝説!~還暦を祝ってテリー伊藤の生前葬~」にて放送されています。

なお、テリー伊藤さんは「還暦祝い」として生前葬を行いました。
まだまだ元気であるうちに行うことで思い出になる生前葬の形ですね。

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国民的歌手 桑田佳祐の生前葬
2009年4月20日に放送されたフジテレビ系番組「桑田佳祐の音楽寅さん ~MUSIC TIGER~」の中で「桑田佳祐追悼特別番組」という企画として、サザンオールスターズの桑田佳祐さんの生前葬が行われました。

桑田佳祐さんが亡くなったことを放送するフェイクニュースがアナウンサーから番組内で伝えられ、桑田さんの経歴が紹介されました。その後、桑田佳祐さんは虎の着ぐるみでスタジオにはいります。

この生前葬の目的を共演のユースケ・サンタマリアさんは、「新番組が始まるので1度死んで、生まれ変わってスタート(リニューアル)する」とその意味を伝えています。

ただ当時は、生前葬が受け入れられず不謹慎であるという理由や、桑田佳祐さんが出演者に見えてないという設定のためやりたい放題にやったことから、フジテレビに視聴者から多数の苦情電話が殺到したと記録に残っているとのことです。

この桑田佳祐さんの生前葬のように、いままでやってきたことを終わりにして新規に何かを始めるときに、生前葬を行うのもよいことという事例ですね。

宮崎謙介衆議委員の生前葬
衆議委員の宮崎謙介さんの生前葬は、東京ビッグサイトで 葬儀業界の展示イベント「エンディング産業展」にて行われました。妻の金子恵美さんは、本人が生きているうちに感謝の言葉を伝えられることが、生前葬の意味と伝えています。

このように不倫報道のケジメとして生前葬を行いたい方や、あらたな出発としたい場合には参考になるものでしょう。

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漫画家 久米田康治の生前葬
漫画「さよなら絶望先生」の作者である久米田康治さんの生前葬は、2007年の講談社漫画賞の受賞パーティの代わりとして行われました。
この生前葬の目的は、漫画賞受賞などあまりにも幸運が続いて、このあと不運が訪れそうなため厄払いにといった意図があったとのことです。
気になる生前葬の内容は心霊写真撮影会など笑いと歓喜に包まれた生前葬となりました。

このケースのように、祝賀パーティなどお祝い事などのイベントにおいても生前葬が用いられることもあります。

つまり、生前葬を開催する動機というのは必ずしも死を意識したからという理由である必要はないのです。

小松製作所 安崎暁元社長の生前葬
2018年5月31日に訃報が伝えられた建設機械会社大手、小松製作所の安崎暁(あんざき・さとる)元社長 の生前葬は、2017年に末期の胆のう癌と発覚してから約2ヶ月後の2017年12月に「感謝の会」として生前葬が行われました。

安崎さんは、がんを告知されて延命治療を行わないと明らかにし、「感謝の会」として会の開催を個人名で新聞広告に掲載しました。

そのため、来場者は1000人を超え、会の中で徳島県の阿波おどりが披露されたりなど他の生前葬よりも大きなものとして話題にとりあげられました。

安崎さんの生前葬は、他の芸能人の活動休止などのイベント代わりとは違い、まさに死後に行う葬儀の代わりの意味合いが強かったものとおもわれます。

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以上のように、生前葬を開催する目的は人によって様々です。

ここに挙げた他にも歌手の生前葬がコンサートで行われたり、芸能人はテレビで番組として構成されることもあるでしょう。

一般の方が行うのであれば、自身の作品を展示したり、趣味や特技を披露したり、などの場として兼ねるのもアイデアとなりそうです。

はたして生前葬に未来はあるのか?

実際のところはどうなのか?

生前葬は果たして今の日本において需要がどれほどあるものなのか?
また今後定着していくものなのか?

その実態をお話していきますね。

まず、需要がどれだけあるかということですが、生前葬に関する正確なデータがあるわけではありません。

そのため一概にいえるものではありません。

ですが、結論からいうと現状ではそれほど多くないのが実態のようです。

その理由は、このあと紹介する、費用、理解、勇気の壁が大きく立ちはだかるからです

しかし、かつてに比べれば終活ブームのあおりもあって、生前葬を認知する人が増えてきています。

なお、生前葬を行う方に多く見られるのは、自分が亡くなったあとで葬儀をしてくれる親族が一人もいない独り身の方であったり、そうでなくても死後の葬儀を断わりたいと思っている方であったりします。

また途切れてしまった親族との関係やつながりを改善して、自分の死後の家族のことをお願いしたいなど様々な意図があって行われるものです。

つまり、生前葬はたんなる儀式やイベントではありません。

死んだあとでのことも考えた、立派な終活の一環であるという認識が行われている方が増えているといえます。

また本人にとっても、生前葬を行うことでそれまでの生き方を見返す時間となります。また多くの参加者に生きた証を残すことにもつながります。

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では、今後の生前葬はどのようになっていくのか?

おそらくではありますが、少子高齢化が進む中では生前葬がますます増えて行くことが予想されています。
その理由として、親が子どもの葬儀に関する経済的負担を減らして、自分が旅立ったあとを濁したくないという想いがあるためです。

現在お金を多くもっているのは事実としてご高齢の方であり、若い方はそれほどお金をもっていない実情があるなかでは当然の流れと言えるものかもしれません。

そのため、今は偏見がある生前葬も、LGBT(性的マイノリティ)が一般に受け入れられるようになったように、いずれ当たり前のこととなっていくことが考えられているのです。

ただし、その前には大きな壁が立ちはだかっています。

その理由は以下の通りです。

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一般人に生前葬が定着しずらい3つの理由とは

費用面の問題

生前葬を著名人が行えても一般の方がやっているという話を聞かない理由は、費用が大変かかるからということがあげられます。

とくに近年の消費者傾向として、財布の紐が堅くなってきているため葬儀費用にお金をかけることが少なくなってきています。それというのも日本の葬儀費用は安いとは決して言えない状況だからです。

また、生前葬を行ったからといって死後の葬儀をまったくやらないかというと、そういうわけでもないケースが大半となっています。

それというもの、生前葬は基本的に無宗教葬です。

宗教儀式としての僧侶(お坊さん)や神官(神父さん)を招いての正式な葬儀は行ないません。

それで本人がよしとしても家族や親族が死後の葬儀を宗教にのっとって行いたい場合もあります。

その場合、結局近親者のみとなったとしても葬儀回数が二回となって費用負担が増えてしまうのです。

では、生前葬を宗教葬にすればいいのでは、と考えますが、実際のところ無宗教葬に対応できる宗教者が少ないのです。

また、仮に、死後の葬儀を行わなかったとしても、最低でも、遺体搬送と火葬までは行わなければなりません。

そのため、トータルで考えると高い費用になってしまうなどの理由で生前葬を行わないのです。

ですので、生前葬を行わずにその費用を葬儀費用として残しておくという考えもあるため、なかなか定着が進まないのが実情です。

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招待者が集まらない問題

後述の通り、生前葬は縁起が悪い、不謹慎と捉えている方もいらっしゃいます。

そのため招待しても参加を拒まれたり、そうでなくても、香典のことや時間のことで辞退されてしまうこともあるものです。

とくに生前葬がご高齢になってから開催される場合、そのまわりの人間関係によっては会場まで足を運ぶことが困難になります。

人間関係が希薄化して参加を断られてしまうこともあります。

それというのも、生前葬の認知度が低いことが起因です。

そのような場合は、招待状の中できちんと意図を明確に説明します。

場合によっては生前葬というネーミングを「生前お別れ会」など緩めてみるとよいでしょう。

なお、この問題に関しては、著名人やファンが多いタレント、会社の元社長などであれば問題はありません。

しかし一般の立場であれば、周囲からの人望が非常に厚いか、いますぐにでも飛んでいきたくなるような集客方法を考えない限りは困難なものと言えるでしょう。

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開催する気概がもてない問題

男性はとくに、生前葬を行いたいと思ってもその気概がないため開催をしないことがあります。

口では生前葬と言っていても、いざやろうと思うと人に伝えることもできずにそのままお蔵入りになってしまうのです。

ですので、生前葬を行うにはお金があって、参加者を集められ、参加するだけの気概がある人でなければ難しいものです。

現状では開催されるのが著名人などに留まっているのです。

とは言え今後、生前葬が広く行き渡れば葬儀会社などが企画するより安いプランがでてくるかもしれません。その上で参加者も集まりやすくなるでしょう。その未来に期待しておきましょう。

また、長寿を祝う風習が今もあるように新たな文化として生前葬が定着していくかもしれないことを期待しましょう。

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生前葬だからできること

さて、生前葬でできることには以下のようなものがあります。

  • 生前葬には本人が参加できます
  • 生前葬ではお世話になった人にお礼や別れを伝えることができます
  • お礼だけでなく様々な目的で開催されます

それぞれをみていきましょう。

生前葬には本人が参加できます

今までの一般的な葬儀では、故人が亡くなって行われるため、当然のことながら自分の葬儀に故人本人が参加することはできませんでした。

また、遺族が喪主として葬儀を取り仕切り、故人を偲ぶのが葬儀でした。

しかし、生前葬は本人が生前葬の主催を行い喪主の役割を本人がつとめ、自分の葬儀を自分で行うため、葬儀に本人が参加できます。

また、本人が喪主であることから葬儀の規模を小規模でも大規模でも選べます。

自分の趣味や作品を会場内で披露する場としたり、好きな音楽を流したりなど葬儀内容を自らプロデュースできます。

また、招待する参列者などを本人が自由に決められるものです。

そして、本人が生きてるからこそ、お世話になった知人・友人を招待して、感謝を伝えたりお別れの言葉を生きている間に伝えておくことができるのです。

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生前葬ではお世話になった人にお礼や別れを伝えることができます

生前葬を行う大きなメリットは、家族や友人、知人などを人生においてお世話になった方々を招いて、生きているうちに直接感謝の気持ちを伝えられることです。

「自分が人生を終えたあとではなく、生きている今、お世話になった方に直接会ってお礼を伝えたい」という思いがあって、開催されるのが多くのケースと言えるでしょう。

また、自分が亡くなる前にお別れの言葉を伝えることで、今世の心残りを減らし人生の終わりを迎え入れるために開催される方もいらっしゃいます。

それというのも、人は死んでしまうと、自分の気持ちを言葉で伝えたくても伝えられなくなるからです。

手紙や遺言状、エンディングノートで残してあればまだ良いかもしれませんが、人生ではいつ自分が亡くなるかを予測することはできません。

災害が多い中ではとくに老若男女関わらず、予期せず死を迎えることも想定されます。
認知症などを患い、表現できることが少なくなることもあるかもしれません。

そのため多くの方にとっては、死ぬ間際で「あのとき自分の想いを伝えておけばよかった」、あるいは、「あのとき傷つけてしまったことを謝っておきたい」という想いを抱えたまま(あるいはその想いを感じる間もない間のうちに)死んでしまうことが、ある意味で普通のこととも言えるものです。

その後悔は、やった後悔よりやらなかった後悔として死を迎えるときまで抱えてしまうものですが、その後悔を減らすのが「生前葬」というもの。

生きてる今の内に、お礼とお別れの言葉を伝えておくこと、場合によっては謝罪の言葉を伝えて詫びること、さらにはこれから先の自分のあり方や、引き継ぎたいものなどを口頭によって伝えることで参加者に自分の想いを伝えることができます。

このように、生前葬は、感謝とお別れの言葉を伝えられることがメリットと言えるでしょう。

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生前葬を開催する目的はお礼だけではありません

生前葬を開催する目的は人それぞれです。

それまでに歩んできた人生の数だけ形があります。

たとえば、以下のような動機で開催されることがあります。

  • 病気で余命申告を受けたため、今のうちにお礼や謝罪、会いたい人に会える場にしたい
  • 自分の死後、家族に葬儀の負担をかけないように自分で葬式を行いたい
  • 晩年を迎え老齢を感じる中で、社会的関係での区切りとして友人、知人に別れを告げたい
  • まわりの友人、知人が旅立たれる中で、元気である早いうちに感謝の気持ちを伝えたい
  • お葬式で悲しい気持ちになるよりも、明るく賑やかな雰囲気で楽しい思い出を残したい

また、まだ20代や30代、40代、50代など若い年齢であっても以下のような理由で生前葬を主催される方もいらっしゃいます。

  • 事件、事故、地震、台風による洪水など自然災害など災厄、大病など人生を一変させる災厄に見舞われたため、生前葬を機にあらたな出発としたい
  • 退職し、海外や地方に移住して隠居生活に入るため、会えなくなる前に挨拶をしておきたい
  • 人生いつ何があるか分からないから、

さらには、

  • 自分の葬儀くらい、自分の好きなように執り行いたい
  • 独り身で身内が誰でもいないので葬儀を行うことができない
  • 元気に動ける今のうちに集まって思い出を作りたい
  • 米寿を迎えたので、その記念として生前葬を行いたい

このように生前葬の理由はさまざまです。

以上のような目的で開かれる生前葬は、主催は自分ですので思い通りですが、その一方で参加される方に「いい生前葬」だったと感動してもらえるよう、おもてなしの精神も忘れてはなりません。

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生前葬のメリット・デメリット、注意点

では、ここで生前葬のメリット、デメリット、そして注意点をお伝えしましょう。

今後開催予定であれば参考になさってくださいね。

生前葬のメリット

生前葬を行うメリットは大きく以下の7つがあげられます。

  • 自分で自由に葬儀内容を決められる
  • 生きている間に直接お礼を伝えられる
  • やり方次第では葬儀費用を抑えられる
  • 死んだあとの家族の負担を軽減できる
  • 時間や場所、形式などの制限を受けずに考えられる
  • 親戚縁者との関係修復を図れる
  • 自分自身の今後の生き方を考えるきっかけとなる
それぞれを具体的にみていきましょう。

1、本人の希望をすべて反映した理想の葬儀に立ち会える

生前葬では、亡くなったあとでの一般的な葬儀ではできない思い通りの葬儀ができます。

それは、生前葬が宗教にとらわれない自由葬であるからです。

たとえば、ビンゴ大会、カラオケ大会のようにあたかも旅行の懇親会のような自由スタイルでイベントなども行うこともできます。

すべてのプランは本人が立てられます。

楽器が趣味であればライブや演奏会を開催してもよいでしょう。

また、誰かが亡くなっているわけでないため、基本的に暗い雰囲気よりも明るい雰囲気で生前葬は行われ、家族初め参加者に心理的負担を感じさせずに済ませられます。

自分で作り上げる葬儀であればこそ、記憶に、そして思い出に刻まれることでしょう。

そして、自分で参加するからこそ生前葬の結果を自分の目で確認できるのも利点です。
進行の流れを自分で決められるのも楽しいものでしょう。

自分らしさを演出する生前葬、あなたはどのようなものを開催しますか?

2、生きている間に直接お礼を伝えられる

主役となる本人がまだ生きています。

そのため、直接会ってお世話になった人に自分の口からお礼を伝えられます。またはお別れを告げられます。

ですが、死人に口なしということわざがあるように、死んでから行われる通常の葬儀ではこれは絶対に出来ません。

お葬式や告別式では棺桶に向かって参列者が一方的に語りかけることしかできません。

ですが、生前葬であれば本人からも直接声に出して想いを伝えられます。

思い出を語り合ったり、あるいは遺された家族が露頭に迷わないようにお願いすることもできるかもしれません。

もちろん、わざわざ生前葬を開催しなくても個別に連絡をとって個別にお礼を伝えに行くこともできるでしょう。

ですが、やはり長年会っていないと連絡するのも億劫になってしまったり、身近であっても気恥ずかしくて言いたい気持ちをうまく言えずに悩まれてしまうものです。

あるいは、言えない事情もあるものでしょう。

生前から常日頃、感謝の気持ちを伝えられて来なかったのであればなおのこと、生前葬のような機会をつくることは、普段言えないことを伝えるには絶好のきっかけとなるものだといえるでしょう。

そのため、現在の「生前葬」というのは、葬儀の前倒しという意味で行われるよりも「生きてるうちにできる感謝の会」「お別れ会」として開催されることが多くなってきているのです。

また生前葬は、家族や親族だけでなく、友人や仕事仲間なども誘うことができます。ですので、普段なかなか会えない人とも会えますしお礼を直接本人の口から伝えられるものです。

さらに言えば、お礼だけでなく、死後に遺される人たちが迷わないように感謝に合わせて伝えたいメッセージを伝えて、意思を引き継いでもらうきっかけにもなるでしょう。

あとあとで親族などが集まった時も「あのときの生前葬は・・・」と話題になって思い出してもらえる機会が増え、亡くなったあとでもいつまでも心の中で生き続けていくことができます。

3、方法によっては葬儀費用を抑えられる

必ずしもではありませんが、やり方次第では葬儀費用を抑えて実際に死後の葬儀を考えても安くすることができます。

また遺族の理解が得られれば、葬儀は生前葬のみとして、死後は直葬など火葬のみにしたり、近親者だけでの集まりなど必要最低限しか葬儀を行わずに済むため、葬儀費用はさらに安く抑えることが可能です。

または、友人知人を多く招待して、会費制にして行うなどのやり方もあります。

さらに生前葬を自費で払うのであれば、家族や遺族に本当の葬儀の際の、葬儀費用の負担をかけずにすみますし、それ以上に精神的な負担も軽減することができるでしょう。

あのとき言えなかったと後悔するよりも、生前葬を開いてわだかまりを解消するのも良いことです。

また、遺族となる者にとっては慣れない葬儀のプチ予行練習として、いざ実際に亡くなったときの心理的不安が軽減されることでしょう。

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4、死んだあとの家族への経済的、精神的負担を軽減できる

生前葬を行っておくことで、死後の家族への負担を減らせます。

たとえば、生前葬の中で遺産関係の話し合いをしたり、相続問題について話し合うこともできるため、その後実際に亡くなったあとで大きな混乱がきたされる可能性を低くできます。

遺された方にとってこれほどの安心感はないでしょう。

また、家族同士でも疎遠になってしまっていたり、物理的距離があって疎遠な関係にある場合の家庭であれば、いざ葬儀となったとき誰にどのように連絡をすればよいかわからないことがあるものです。

もちろん、エンディングノートなどにまとめておく方法もありますが、情報が古くなっていることもありますし、遺族においてのその負担は大きいものです。ですので、生前葬を行っておくことでお互いに面識をもてるので、葬儀を行うとなった際に連絡もとりやすく、実際に呼ぶべき相手かどうかを見極められるので遺族にとって安心となるものでしょう。

さらにいえば、死後に行われる通常の葬儀は基本的に喪主を親族の代表がつとめるのに対し、生前葬では本人が喪主を務めるのが一般的です。
死んだときに行う葬儀の喪主は、葬式の手配や参列者への対応などで多大に精神的にも肉体的にも心労がたつものでしょう。

その点、生前葬は打ち合わせから手配まですべて自分で行いますし、その後の葬儀を行う場合でも簡略化できます。

自身で生前葬をあげておくことで一度お別れをしているため、その代わりとすることで遺族もその時を受け入れやすく、金銭的にも精神的にも負担を減せるのです。

また、生前葬を行っていなかった場合、葬儀内容に関する遺言やエンディングノートなどが残っていれば良いのですが、そうでない場合は遺族の判断で葬儀が行われるため、葬式が終わったあとで「果たしてこの葬式で本当によかったのであろうか」と悩まれてしまうケースがあとをたちません。

ですが、生前葬であれば、家族が迷うことなく本人の意思を反映した葬儀が行えるため双方に満足度が高いものになっていきます。

さらに、もう一点

葬儀だけでなく、遺品整理や遺産相続についても話し合える場となります。

たとえ遺言やエンディングノートを残しても必ずといっていいほど遺族間のトラブルは起きるものです。

その点、生前葬を行っておき、本人の口から多数の証人がいる前で話すことで相続争いの問題をなくせます。

その点だけをみても、たとえ生前葬でお金がかかったとしても行う価値があります。親族との関係を良好とすることで遺族同士が揉めることも少なくできるでしょう。

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5、時間や場所、形式の制約を受けないで考えられる

亡くなってすぐに行う通常の葬儀に比べて、時間的にゆとりがあります。

通常の葬儀であれば、通夜、葬儀会社や宗教家への連絡と打ち合わせ、参列者のもてなしや料理の手配、告別式、火葬、その後もさまざまな手続きがまっています。

そのため、時間的に準備に多くの時間をさくことができません。

ですが、生前葬であれば、そのような時間的制約がなく、じっくりと納得できるプランを決められます。

また本物の葬儀ではないため、会場をホテルやレストラン、またスペースがあれば自宅などでも開催することが可能です。

基本的にはパーティやイベントのようなスタイルで行われることが多いため、服装は自由であり、内容も宗教などにとらわれず自由に決められます。

費用に関しても香典にせず、会費制で徴収することも可能です。

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6、親戚縁者との関係修復やつながりを強化できる

長いこと疎遠になってご無沙汰となっている親族や友人、あの人ともう一度関係を結びつける役割として生前葬を開かれる方もいらっしゃいます。業者に依頼するのであれば、自分からは言いにくい相手でもその橋渡しとして仲介してもらえます。

また第三者が入ることで、親族だけでは解決できない問題もうまくいく可能性が高くなることでしょう。

現在は、ご近所づきあいや親戚との交流も希薄になりつつある世の中ですが、生前葬を機にもう一度交流を深めてみてはいかがでしょうか?

親族で集まって知る限りでの家系図を作るなどして互いを再認識し、あらたな関係を深めてみてはいかがでしょう。

また生前葬という集まりの中でだからこそ聞きたいことも聞けるでしょう。

他の方は介護や終活をどのようにおこなっているのか、相続や生前整理をどのようにおこなっているかなど、話題として聞くことで今後の生き方の参考になるはずです。

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7、自分自身と向きあい今後の人生の再スタートとできる

そして、生前葬を行うことで、本人にとっても大きな転機となりえます。

気持ちが明るく前向きになり新たな人生へのスタートの区切りとできます。

生前葬を通して、これまでの人生が果たして納得できるものだったのか、そうでなければこれから何をしていけるのかなど再認識することで、今後の人生をどう生きるかの指針となるものでしょう。

やり残したことはありませんか?

本当に満足できる人生でしたか?

その答えこそが生前葬を開催する中でみつかるかもしれません。

また、生前葬の中で今後のあり方をどのように考えているか、その発表の場とすることでその後の人生がより生き生きとしていくものに違いありません。

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生前葬のデメリット

では、一方の生前葬のデメリットも考えてみましょう。

大きくは以下の7つがあげられます。

1、家族や周囲の理解が得られにくい

生前葬は人によっては嫌悪されることもあります。

なぜなら、生前葬が一般的なものではなく広く認知されていないからです。

終活ブームで知っている人などを除けばあとは著名人がテレビでごく稀に行うものですが、なにぶん死に関わるテーマであるため(死を連想させるものであるため)、嫌厭される家族や参列者はまだまだ多いことでしょう。

生きているのにお葬式なんて!そのように死を忌み嫌う文化が日本にはあるからです。

そのため、普通の通夜や葬儀では忌引休暇や慶弔休暇をとれても、生前葬ではその類の休暇はとりにくく、お子さんも生前葬のために休ませることが今の日本では難しい問題があります。

そのため、実際に生前葬を行えるのは著名人など限られた人だけになっているのが実状です。

ですので、生前葬を行うには家族はじめ近親者などに理解してもらう必要があります。

なぜ生前葬を行うのか、その意図を明確に伝えておかないと生前葬をあげても、お別れ会という雰囲気よりも普通の会食パーティと同じように終わってしまい、本人が亡くなったあとで遺族が再度葬儀を行うことにもなりかねません。

そのような意味で説明責任をはたし、理解をしてもらうように心がけましょう。

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開催をすぐに行いたいと思っても、実際には準備と理解してもらうまでに時間と多大な労力が求められるでしょう。

それでも、生前葬を開くとなったら後々のトラブル防止のため、親族の理解と同意を得てから行うようにしていきましょう。

また、生前葬を家族以外の人間が反対してくることもあるでしょう。

今では高齢化社会で終活がニュースでも話題になるようになったことからかつてのように、生前のうちから遺品整理や相続のことを考えたり、葬儀や延命治療を施すか、お墓や納骨はどうするかなどを考えることが抵抗ないものになってきています。

とはいえ、まだまだ受け入れられずに考えることに抵抗がある方もいらっしゃる実状があります。

とくに、葬儀に関しては話すこと自体が不吉だとか、縁起でもないことを考えることで悪いことを引き寄せてしまうのではないか、と不安がる方もいらっしゃることでしょう。

ですので、そのような方がいらっしゃる中で反対を押し切ってまでして生前葬を行うことは、それまでの関係を崩すことになりかねず本来の趣旨と外れたものになりかねません。

ですので、開催をしたいと思うのであれば家族や親族と事前によく話し合いましょう。

いずれ生前葬がごくごく当たり前の冠婚葬祭の一部と認められる時がくるかもしれませんが、そうでない今の段階では、協力を仰ぐ以前の問題として家族や親族の納得と理解を得ることが最優先課題となります。

具体的に、生前葬にどのくらいの費用がかかり、どのくらいの人数をどの会場で、どのような内容を行っていくのか、その具体的な内容をわかりやすくまとめて、誰がみてもこれなら開いてもいいだろうと唸るくらいに計画を綿密に立てていきましょう。

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まずは家族からです。

そして、親族の賛成や同意を得られてから会の開催を招待客に伝えていくとよいでしょう。

生前葬は家族の協力なくしてなりたちません。

本気で行いたいという熱意がなければ説得はできません。

なぜ生前葬をそこまでしてやりたいのか、ただ感情論ではなく論理的な筋道を立てて、理解をしてもらい、実際の生前葬での準備や開催の手伝いなど協力を仰ぐと大助かりです。

そして、家族も生前葬に出席するとなった場合は、家族は参加者よりも主催側にあたるので明確な役割分担を依頼していきましょう。

そして協力してくれることに感謝を伝えることです。

また、家族においては家族が死を迎えることに心の準備ができずに悩まれる方もいますので、時間をかけて理解を得られるように説明をしていきましょう。

2、親族など参加者への配慮が必要となる

生前葬はさきにお伝えした通り、芸能関係の世界にでもいれば経験があるかもしれませんが、多くの一般な人にとっては経験ないため、参列者にとっては内容のイメージがつかず混乱の極みです。

生前葬の名前は知っていても、

  • 一体何を用意すべきなのか、
  • 服装は何を着ていけばいいのか
  • マナーは?
  • 香典は持参すべきなのか
などについても書籍などで解説されてるものがほとんどないため、戸惑われてしまうことも珍しくはありません。

そのため、「声をかけられたけれど、どうしたらいいのだろう?」と実際に言わなくてもそのように感じている人も多いものです。

また、亡くなっていないにも関わらず葬儀を行うことに抵抗を抱く方もいらっしゃることでしょう。

さらには親族などにおいては実際に亡くなったときに、どう対処していいのかわからず、生前葬で香典を受け取らなかったときに死後はどうすればいいのか、反対に生前葬で香典を渡した際には死後の葬儀でもまた渡す必要があるのか、生前葬の段階で伝えておくことが親切かもしれません。

また、慶弔休暇の取得が難しく、日程が合わないケースもありえます。

そのため、招待する相手の都合のよい日程を調整し、できるだけ多く集まりやすい日程をスケジュールするように調整していきましょう。

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そして、呼ばれる側の親族や参列者の気持ちに寄り添いつつ、一般の葬儀以上に丁寧に説明を行います。

案内状や招待状には、

  • 具体的な趣旨や持ち物
  • 服装(喪服か平服か、普段着かなど)
  • 会費
  • 香典を受け取るかどうかなど
これらを事細かに書いて伝えるようにしておきましょう。

主催は自分でもあくまでももてなすという気遣いが大切なのです。

相手に心理的負担にならないよう、招待者にはできる限りわかりやすく必要事項を指定をして、それに従えば問題がないという形にしていきましょう。

その中でも、なぜ生前葬を行うことに決めたのか、その経緯と想いを感情に伝わるように伝えていきましょう。

とくに協力してくれる方にはすべての内容をしっかり伝えておきます。

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3、生前葬を行っても再度葬儀を行ったり費用が高くかかることも

生前葬を行ったにも関わらず、遺族の判断で再度大々的に葬儀が行われることもあります。

もちろん、遺体の搬送や火葬など最低限のことは生前葬を行ったとしても葬儀として行う必要がありますが(ただし特例はのぞく)、生前葬で別れを告げたのに再度葬儀を行ってしまっては、葬儀費用がトータルで膨らんでしまうというものです。

とくに、残された家族にとっては、「生前葬をやったから死後の葬儀はまったく行わない、火葬だけで済ませてしまおう」とはなりがたいものです。

遺言状やエンディングノートに死後の葬儀は一切不要と書いたとしても、特例をのぞき日本では火葬を行う必要があるためそれにあわせて一般葬を行うこともあります。

とくに菩提寺がある場合は、むげに断ることもはばかれて読経や戒名、告別式などを行うことで家族に負担をかけてしまうこともありえます。

あるいは、世間体が気になる家族や親族も少なからずいることでしょう。

もちろん、生前葬を行っていることで簡易的に済ませられるかもしれませんが、それを決めるのは遺族や親族の気持ち次第です。

そして、生前葬を行ったにも関わらず葬儀をやるとなると、参列者にとっては香典を二重で受け取ることになりかねないため、負担となったり陰口を叩かれかねません。

また、生前葬を企画しておきながらそれ以前に本人が体調不良などで亡くなってしまった場合、生前葬が実際の葬儀となってしまいますので、そうならないように元気である早い段階で生前葬は行うようにしていきましょう。

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なお、このデメリットは、生前葬を行っておくことで家族や親族などが葬儀のリハーサルができる、というメリットとしても受け止められます。

たとえ葬儀を2度行うことになったとしても生前の故人の意向を葬儀の中で見ているので、本人の意思にそった葬儀ができますし、事前の心の準備ができる点では生前葬を行うことに意味があったといえます。

2度目の葬儀は参列者を呼ばない家族葬などにすることで費用負担を抑えることができます。

そして、もうひとつ覚えておいていただきたいのが、亡くなったあとの葬儀(通夜やお葬式など)は、故人のためというよりも遺族のために行うという意味合いがあるということ。

たとえば、それは故人の冥福を祈ることを通して、遺族の心の慰めの場とする意味合いです。

この場合の主体は故人ではなく遺族側であり、だからこそ生前葬ではできない遺族の慰めの場として、葬儀をたとえ簡易的であっても行うことが求められるのです。

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社会的な関係が希薄となりつつある現在においても、遺族はその後も生き続けるため社会的な関係性を保ち続ける必要があります。

ですので、生前葬ですべてを完結するのではなく、生前葬後の家族とご近所や遺族などとの関係も考慮して行う必要があるでしょう。
その点が生前葬を行う上で難しい点でもあります。

そのため、生前葬とその後のお葬式など葬儀はある程度別のもとのして捉えたほうが良い場合もあります。

生前葬は、生きている間にお礼を伝える本人が主体の場、その後の葬儀は、家族や親族が周りの社会的関係をきずくために必要な家族主体の場とすると良いかもしれません。

あるいは、生前葬のあとは小規模な家族葬などで済ませるというのであれば、生前葬の場で「私の死後は家族葬のみになります」と本人の口から伝えることを忘れないことが大切です。

また、無宗教式で葬儀を行ったり葬儀を省略すると、菩提寺ので埋葬や戒名の取得、法事・法要などが開催できないなどの可能性があるので十分に調べてから行うようにしていきましょう。

そして、たとえ生前葬を行っても遺族の心情や世間体から葬儀を再度行うこともありえます。

そのため喪主となる方の負担にならないように、死後の葬儀費用や預貯金も事前に遺族に残しておくなどもできることが理想となります。

葬儀費用の目安としては、平成29年1月の一般社団法人日本消費者協会の「葬儀に関するアンケート調査」によると全国平均でおよそ200万円と言われています。

ただし、この数値に関しては調査方法自体が疑問視されている点(サンプル母数の少なさなど)もあるため、一概に言えませんが、一つの目安として考えられると良いでしょう。

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4、葬儀内容や形式を決めるのが大変である

葬儀内容や葬儀の形式をきめることが生前葬では難しくなります。

その理由として、生前葬は自由度が高いため、逆にどのスタイルや規模で開催するかを選ぶまたは考えることが難しいからです。

宗教葬であれば、仏式、神式、キリスト教式など、ある程度の決められた儀礼があります。

しかし、そもそも生前のお葬式は宗教では認められていないため生前葬は無宗教葬に必然的になります。

それゆえに著名人などの生前葬の例を程度の前例を参考にできたとしても、いざ行うとなるとそのテーマ決めに悩んでしまうものです。

ですが、今は生前葬を取り扱う業者に依頼することもできます。

また気をつけなくてはいけない点として、生前葬というのは自分の葬儀だから何をやっても構わないと思われがちですが、そこに参加してくれる参列者や協力してくれる家族や遺族の助けがあって、進められるものです。

そのため、多少意向に添わないものであっても、独りよがりで決めてしまうのではなく、相談しながらときには折れて企画、運営をしていく必要がでてくることでしょう。

専門業者であれば生前葬の開催ノウハウはあります。ですが、葬儀社によっては生前葬を取り扱っていないケースもあります。それでも相談次第で応じてくれることもありますので葬儀社を通す場合は一度相談されるとよいでしょう。

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5、遺産や相続争いに発展することも

生前葬で親族が集まったことで、そこから遺産相続問題に発展する危険性があります。

とくに遺産がたくさんんあるという場合は、親族が集まることでそのような相続問題に触れることが十分あることを理解しておき、必要であれば生前葬とは別に話し合いを相続対象者だけで話し合う場を設けるようにしましょう。

せっかく楽しい生前葬にしようと思っても遺産トラブルが発生しては本末転倒ですから、その事前対策は極めて重要です。

6、参加者の気分を害することも

そして、生前葬の開催をきっかけに誰かの気分を害する危険性があることも十分理解しておきましょう。

死をタブー視する人もいます。奇を狙いすぎて不快な想いをいだかせないように最低限のルールを守って行っていきましょう。

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メディアや舞台にみる生前葬

では、ここからは生前葬についてもっと知りたいあなたに向けてテレビドラマや映画、漫画や単行本などの書籍などでわかる生前葬の紹介をしていきます。

すでに放送が終わって視聴できないものもありますが、書籍などは手に入れられるものもありますので必要の際は調べられて参考になさってくださいね。

では、紹介していきます。

NHKの朝の連続テレビ小説「まんぷく」

いわゆる朝ドラとして2018年に放映されたドラマ『まんぷく』の3月28日の149回目放送が、生前葬を行うシーンであり平均視聴率関東地方で20.6%になるなどが話題になりました。

まんぷくのあらすじ

インスタントラーメンの生みの親である、日清食品創業者の安藤百福(ももふく)と仁子(まさこ)の仲睦まじい夫妻の半生がモデルのドラマです。

時代は昭和45年ごろの戦前から高度成長時代に遡ります。

生前葬を取り扱う部分のあらすじは、立花福子(安藤サクラ)の病み上がりの母、今井鈴(松原慶子)が、咲の夢をみて、
「死んでは挨拶ができない、生前葬を挙げたいの、生きているうちにみんなにありがとうを伝えたいの」
といった内容のことを言い出したことがきっかけとなって、本当に生前葬を行うことになるところから始まります。

鈴は生前葬を行うために身に白装束でまとい、生前だから別れの挨拶ができるとの説明を親族や親戚に伝えたうえで、自身から棺桶に入り世良(桐谷健太)らが弔辞が読み上げていきました。その最中では、弔辞に対して棺桶で答えられるシーンもあります。

以上のように、ドラマ「まんぷく」は他の著名人の生前葬に比べて死後の葬儀の代わりとなる本格的なものということができるでしょう。

そのため同様の生前葬を行いたい場合はこのドラマを参考に自宅に布団を敷いて、棺桶に運んでもらい、読経をしてもらうかCDを流して弔辞を読んでもらうなどをしてもらうとよいでしょう。

また大手葬儀社では納棺体験を行っています。実際に白装束を羽織って棺桶に横たわることで死をリアルに感じるとともに、今後の生き方を見直すきっかけになるものですので今一度、生前葬を行ってみることをおすすめします。

日清食品の創業者のその後

さて、NHKの朝の連続ドラマ小説「まんぷく」は日清食品創業者の安藤百福夫妻をモチーフにつくられたものですが、その後の葬儀はどうなったのでしょうか?

結論からいいますと、2007年2月27日に大阪の野球スタジアム「京セラドーム」にて日清食品が主催の社葬が行われています。葬儀委員長は中曽根康弘元首相がつとめ、6500人ほどにもおよぶ関係者が集まったとの記録があります。

葬儀内容は、安藤百福氏が「宇宙食ラーメン」の開発に晩年史上初の試みとして取り組んでいたことから、社葬テーマを「安藤会長を宇宙にお送りすること」として宇宙葬をイメージした、34人の僧侶にとる読経とシンセサイザーの生演奏の音楽が織りなす壮大な社葬となり話題となりました。

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ABCラジオで生前葬

ABCラジオ「桑原征平 粋も甘いも」や「土曜も全開‼︎」で知られるアナウンサーの桑原征平氏(当時75歳)の生前葬が9月に行われました。

開催の理由として現在桑原氏が、父親代わりに面倒を見ている3人の孫が成人になるまで働けるように力を授かりたいという思いや、関西テレビのアナウンサーとしてデビュー50年を迎えたことや、メインパーソナリティーとなって15年という節目を迎えたことなど様々な理由があるようです。

■YouTube
桑原征平生前葬~浦川泰幸アナ・塩田えみさんからのお悔やみの言葉~

■YouTube
桑原征平生前葬~喜多ゆかりアナからのお悔やみの言葉~

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NHK特集ドラマ「お葬式で会いましょう」の生前葬

>>特集ドラマ「お葬式で会いましょう」/ NHK

NHK総合の特集ドラマ「お葬式で会いましょう」の生前葬についてお話しましょう。

2014年5月5日放送分のこちらのドラマでは、生前葬がドラマの中で執り行われました。
主演は満島真之介さんで、氏曰く自分の母がおなじように白装束で出てきたらを思うととても不思議な体験でしたとのことでした。

あらすじは以下の通りです。

主人公で売れない俳優の太田黒男(満島真之介)に田舎の母、靖恵(市毛良枝)から「生前葬を開くからこい」との一報が届きます。相続のこともあり実家に帰らなくてはもらえる遺産が減らされると思いつつも、実家に帰ることを諸々の事情で躊躇っていました。

それでも実家に戻ってみると、案の定、不仲である兄や小うるさい祖母などが集まっておりさらには見知らぬ案内人がいて様々な騒動が勃発します。

その生前葬の中の決め事として靖恵が目の前にいても「見えないことにする」「喋らない」「触れない」の3つがあり、弔辞が読まれます。

果たして生前葬がうまくいくのかというストーリーです。

その後、案内人から重大発表があります。

そのような生前葬を通して、描かれる家族の再生の物語がこのドラマでは笑いと涙で表現されています。

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映画「終わった人」の生前葬

映画「終わった人」の生前葬についてお話しましょう。

この映画は2015年に脚本家の内館牧子氏が手掛けた小説「終わった人」を元に映画化された作品です。

そのなかで「定年って生前葬だな」という名言の一言があります。

■YouTube
映画「終わった人」予告編

あらすじは以下の通りです。

かつて一流のエリートサラリーマンだった主人公の田代壮介(舘ひろし)が、定年を迎え、会社の規定により黒塗りのハイヤーで自宅に運ばれます。その様子は生前葬にたとえられています。まさに現代社会の超高齢化社会の問題をリアルに写しだしているものであり、シニア世代から絶大な支持を得られました。

この映画では定年を生前葬になぞっていますが、人にとっては社会的な死を迎えるという意味での定年はこれまでの人生を振り返り、これまで一緒に歩んできた伴侶にお礼を伝える絶好のタイミングと言えるものかもしれませんね。

さて、いかがでしょう?
書籍で読まれてもよいかもしれませんし、抵抗がある場合は映画をぜひご覧ください。

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終わった人
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映画「生前葬~はみ出し者の逝く末~」の生前葬

映画「はみ出し者の逝く末」は、癌が発覚して余命宣告を受けていた元ボーカルの主人公が、病気をきっかけに最後の生前葬ライブを行うという映画です。

残念ながら現在閲覧できませんが、音楽活動をされている方は生前葬ライブを検討されることもよい転機になるかもしれません。

舞台「生前葬ng♪」の生前葬

舞台「生前葬(so)ng♪」は2019年8月に東京・あうるすぽっとの公演と、大阪・大阪城のTTホールで公演された吉本興業の公演舞台となります。

この作品は、ザ・プラン9のお〜い!久馬こと久馬歩とお笑い芸人NON STYLEの石田明が共同で脚本を手掛ける第3弾の企画です。出演には、かもめんたる、モト冬樹、木崎ゆりあ、平田敦子、カラテカ矢部、かたつむり林などの著名人が演技しました。

あらすじは以下の通りです。

定年を迎えた鈴木武(モト冬樹)が葬儀社にクルージングでの生前葬を依頼します。その船には生前葬ができるとは到底思えないような面々、腹を空かせたホームレスや司会した経験がない司会者、さらには拳銃をもった2人組などばかりが集まっています。そして船は出港しました。果たして生前葬の行末は・・・

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漫画「アカギ」の生前葬

漫画「アカギ〜闇に降り立った天才〜」は、賭博目次録カイジの著者である、福本伸行さんの麻雀漫画の作品のひとつとなります。

そのなかのひとつ、漫画の中で主人公の赤木しげるは、自身の葬式として生前葬を行うために告別式を主催し執り行います。その場所には遺影がかざってあり、アルツハイマーになって3年後に認知症となることがわかっていることから、命を経って死ぬ前に集まってもらって話をしたいとのことを語り出します。

そして、死をどのように捉え、向き合っていくのかその答えがこの漫画に隠されているかもしれません。

■YouTube
アカギの生前葬

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生前葬 まとめ

いかがでしたか?

今回は、生前葬の歴史から入ってメリット・デメリット、マナーや主催時の注意点などをお伝えしてきました。

ここまでで生前葬を開催する上での注意点や、実例を通してどのような内容を行えるかについてご理解いただけたことと思います。

招待されて参列する側の立場であれば、服装、香典、などのマナーが参考になったのではないでしょうか?

途中でもお話しましたが、生前葬はその認知度が日本においては決して高いものでなく、主催者にとっても参加する側にとっても大きな抵抗があるものかもしれません。

ですが、この少子高齢化社会の今の日本の現状を鑑みれば、生前葬それ自体は大変意義のあるものであり、費用面を一切無視したとしても(遺族が葬儀を再度行うことになったとしても)、そのメリットは計り知れないものかもしれません。

人生は一生に一度のことです。

後悔が、先に立つことはありません。

この記事を通して生前葬を改めて考えるきっかけになったのでしたら大変嬉しく思います。

そして、生前葬のことをもっと知りたい場合は、こちらの記事もご参考くださいね

生前葬 招待されたら生前葬に招待されたらどうすればいいの?参列のマナー、挨拶、香典、持ち物について 生前葬の開催方法生前葬の開催方法、企画、手続き、式の流れなどを詳しく解説します

では、長文を最後までお読みいただきありがとうございます。

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