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法事の香典の表書きとは?基本ルール
法事に持参する香典の表書きは、故人の宗派や法要の種類によって使い分ける必要があります。葬儀の香典とは書き方が異なる部分もあるため、正しいマナーを押さえておきましょう。
最も重要なポイントは、四十九日以降の仏式の法事では「御仏前」を使うということです。葬儀で使う「御霊前」は、四十九日以降は使いません。
仏教では、亡くなった方の魂は四十九日間を経て成仏するとされています。そのため、四十九日より前は「御霊前」(霊の前に供える)、四十九日以降は「御仏前」(仏の前に供える)と使い分けます。
回忌別の表書き一覧
法事の種類ごとの正しい表書きを一覧にまとめました。
| 法事の種類 | 時期 | 表書き(仏式) |
|---|---|---|
| 四十九日法要 | 逝去から49日目 | 御仏前・御香典 |
| 一周忌 | 逝去から1年 | 御仏前・御香典 |
| 三回忌 | 逝去から2年 | 御仏前・御香典 |
| 七回忌 | 逝去から6年 | 御仏前・御香典 |
| 十三回忌 | 逝去から12年 | 御仏前・御香典 |
| 十七回忌以降 | 逝去から16年〜 | 御仏前・御香典 |
四十九日以降の法事であれば、基本的にすべて「御仏前」で統一できます。「御香典」もどの法事でも使える表書きです。
宗派別の表書きの違い
仏教の宗派によって、表書きのルールが異なる場合があります。特に注意が必要なのが浄土真宗です。
| 宗派 | 葬儀・通夜 | 法事(四十九日以降) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 一般的な仏式 | 御霊前 | 御仏前 | 四十九日を境に使い分け |
| 浄土真宗 | 御仏前 | 御仏前 | 最初から「御仏前」を使用 |
| 真言宗 | 御霊前 | 御仏前 | 一般的なルールと同じ |
| 曹洞宗・臨済宗 | 御霊前 | 御仏前 | 一般的なルールと同じ |
| 日蓮宗 | 御霊前 | 御仏前 | 一般的なルールと同じ |
浄土真宗では「人は亡くなると同時に仏になる(即得往生)」という教えがあるため、「御霊前」は使いません。葬儀の段階から「御仏前」を使います。相手が浄土真宗かわからない場合は、「御香典」と書けばどの宗派でも失礼にあたりません。
仏式以外の表書き
神式やキリスト教式の場合は、仏式とは異なる表書きを使います。
| 宗教 | 表書き | 使用場面 |
|---|---|---|
| 神式 | 御玉串料 | 霊祭(五十日祭・一年祭など) |
| 神式 | 御榊料 | 霊祭全般 |
| 神式 | 御神前 | 霊祭全般 |
| キリスト教(カトリック) | 御花料 | 追悼ミサ |
| キリスト教(プロテスタント) | 御花料 | 記念式 |
| 宗教不明 | 御香典 | どの宗教でも使用可 |
神式の法事にあたるものは「霊祭」と呼ばれ、五十日祭、一年祭、三年祭などがあります。仏式の「御仏前」は神式では使えないため注意しましょう。
墨の濃さに関するルール
香典の表書きを書く際、墨の濃さ(薄墨・通常の墨)を使い分ける必要があります。
| 場面 | 墨の種類 | 理由 |
|---|---|---|
| 葬儀・通夜 | 薄墨 | 「涙で墨が薄まった」「急いで駆けつけた」という意味 |
| 法事(四十九日以降) | 通常の墨(濃い墨) | 事前に準備する時間があるため |
薄墨を使うのは葬儀・通夜のみです。法事は事前に日程が決まっており、「急な出来事」ではないため、通常の濃い墨(黒い筆ペン)で記名します。法事で薄墨を使うのはマナー違反とされるので注意しましょう。
香典袋の選び方
法事で使用する香典袋(不祝儀袋)は、金額に応じて適切なものを選びます。
| 包む金額 | 香典袋の種類 | 水引 |
|---|---|---|
| 5,000〜10,000円 | 印刷タイプ(水引が印刷) | 黒白・双銀の結び切り |
| 10,000〜30,000円 | 実物の水引付き | 黒白・双銀の結び切り |
| 30,000〜50,000円 | 高級和紙・銀の水引付き | 双銀の結び切り |
| 50,000円以上 | 大判の高級不祝儀袋 | 双銀の結び切り |
水引は「結び切り」(一度結んだらほどけない形)を選びます。蝶結びは「何度でも繰り返す」意味があるため、弔事には使いません。関西地方では黄白の水引を法事で使用する慣習もあります。
連名で香典を包む場合の書き方
複数人で一つの香典袋にまとめて包む場合は、人数に応じて書き方が異なります。
| 人数 | 書き方 |
|---|---|
| 2人 | 目上の人を右に、連名で並べて書く |
| 3人 | 中央に代表者、右に目上の人、左に目下の人を書く |
| 4人以上 | 代表者名を中央に書き、左下に「外一同」と記す。別紙に全員の名前と住所を書いて中袋に入れる |
| 会社・部署一同 | 「○○株式会社 ○○部一同」と書く |
夫婦連名の場合
夫婦で香典を包む場合は、夫のフルネームを中央に書き、その左側に妻の名前のみを添えます。ただし、法事では夫婦で一つの香典袋にまとめるのが一般的で、夫の名前のみを書くケースも多いです。
法事の香典の金額相場
参考として、法事に包む香典の金額相場を紹介します。
| 故人との関係 | 四十九日・一周忌 | 三回忌以降 |
|---|---|---|
| 親 | 10,000〜50,000円 | 10,000〜30,000円 |
| 兄弟・姉妹 | 10,000〜30,000円 | 10,000〜30,000円 |
| 祖父母 | 5,000〜30,000円 | 5,000〜10,000円 |
| おじ・おば | 5,000〜10,000円 | 5,000〜10,000円 |
| 友人・知人 | 5,000〜10,000円 | 5,000〜10,000円 |
| 会社関係 | 5,000〜10,000円 | 5,000〜10,000円 |
法事に会食(お斎)がある場合は、食事代として5,000〜10,000円を上乗せするのが目安です。4や9のつく金額は避け、奇数の金額を包むのがマナーです。
よくある質問
Q. 宗派がわからない場合の表書きはどうすればよいですか?
宗派がわからない場合は「御香典」と書くのが最も無難です。「御香典」はどの宗派・宗教でも使える万能な表書きです。また、「御供物料」も宗派を問わず使用できます。
Q. 四十九日法要の表書きは「御霊前」と「御仏前」のどちらですか?
四十九日法要は成仏する日にあたるため、「御仏前」を使うのが通例です。ただし、地域や寺院によって考え方が異なる場合もあります。迷う場合は「御香典」を使えば問題ありません。
Q. 関西地方では法事の水引の色が違うと聞きましたが?
はい、関西地方(特に京都周辺)では、法事の香典袋に黄白の水引を使う慣習があります。黒白の水引は葬儀用とし、法事では黄白を使い分ける地域もあります。地域の慣習に合わせるのがよいでしょう。
まとめ
- 四十九日以降の法事の表書きは「御仏前」が基本。「御香典」も幅広く使える
- 浄土真宗は葬儀の段階から「御仏前」を使い、「御霊前」は使わない
- 神式の法事(霊祭)では「御玉串料」「御榊料」を使う
- 法事の香典は通常の墨(濃い墨)で書く。薄墨は葬儀・通夜のみ
- 水引は「結び切り」を選ぶ。関西地方では黄白の水引を使う場合もある
- 連名の場合は人数に応じて書き方を変え、4人以上は別紙に名前を記す
- 宗派がわからない場合は「御香典」と書けばどの宗教にも対応できる
実際に筆を執る前に、一度練習用の紙で試し書きしておくと、本番で失敗しにくくなります。




