この記事では、自治体も関わる「市民葬」「区民葬」「規格葬儀」について、その全体像をまずみていきます。
続いて、東京23区の「区民葬」についてです。
その手続きや費用について解説していきます。
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記事後半では大阪市の「規格葬儀」をみていきます。
規格葬儀の料金、内容、含まれない経費についてご案内いたします。
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では、さっそくみていきましょう。
目次
市民葬・区民葬・規格葬儀とは
自治体と葬儀社が協力して行っている低負担の葬儀プラン
市民葬・区民葬・規格葬儀といった制度は自治体と地域の葬儀社が協力して、地域住民が比較的少ない負担で葬儀が行えるような制度です。
これは自治体や葬儀社が自主的に行っているものですので、もちろん市民葬や規格葬儀にあたる制度自体が無い自治体もあります。
市民葬・区民葬・規格葬儀の一般的な手順
これも自治体にもよりますが、一般的にはこれらの制度の取り扱い店の葬儀社が用意している市民葬、区民葬、規格葬儀を申し込みます。
一般的には市民や区民であれば、取扱店に市民葬・区民葬で行う旨を伝えて申し込むことで利用することができますが、例えば23区では役所で区民葬儀券をもらうなど、特別な手続きが必要な自治体もあります。
詳しくは自身の自治体にご確認ください。
料金プランに含まれない料金がある
市民葬・区民葬・規格葬儀では「祭壇」「棺」「霊柩車」などの決められた葬具などを定額で受けられるものです。
それ以外で必要なもの(ドライアイスや斎場使用料等)を利用する場合は葬儀社の価格によります。
基本的には仏式のみです
基本的には仏式葬儀のみに対応しているところがほとんどです。神式やキリスト式には対応していないところが多いです。
必ずしも最安なわけではない
市民葬・区民葬はなんとなく「安い」というイメージがあります。しかし、必ずしも最安になるわけではありません。
斎場使用料や寺院費用、葬儀社のオプションによっては思ったより費用がかかる場合もあります。
もちろん、市民葬・区民葬をうまく利用することで、費用を抑えることは可能なので、
葬儀を行う自治体の制度をよく理解し、取扱店からしっかりと見積もりをもらうことが重要です。
東京23区の区民葬の場合
例として東京23区の区民葬制度について詳しく見て行きましょう。
手続きの方法
区民葬は故人や葬儀を行う親族が23区に住んでいるときに利用することができます。
- 区民葬取扱店に、区民葬儀を申し込む
- 死亡届提出時に、窓口で区民葬儀券をもらう
- 取扱店に区民葬儀券を渡す
祭壇・棺の料金
23区では基本的に4つの区民葬プランから選ぶ事ができます。
また、故人が大柄な人だった時は長尺棺という大きめのサイズの棺を使用します。
祭壇+普通サイズの棺
区分 | 料金 |
---|---|
A1券 (金らん5段飾) 桐張棺 | 283,800円 |
A2券 (金らん4段飾) 桐張棺 | 236,000円 |
B券 (白布3段飾) プリント棺 | 124,000円 |
C券 (白布2段飾) プリント棺 | 91,000円 |
祭壇+長尺棺
長尺棺は故人が高身長だったり、肥満体型だったりなど、大柄な場合に使う大型の棺です。
一般的な棺は6尺棺で、推奨身長が170cmまでなので、170cm以上である場合は長尺棺が推奨されています。
区分 | 料金 |
---|---|
A1券 (金らん5段飾) 桐張棺 | 295,800円 |
A2券 (金らん4段飾) 桐張棺 | 248,000円 |
B券 (白布3段飾) 桐張棺 | 156,000円 |
C券 (白布2段飾) 桐張棺 | 123,000円 |
祭壇なしで棺のみの場合
区分 | 料金 |
---|---|
桐張棺(長尺棺) | 72,000円 |
桐張棺 | 60,000円 |
プリント棺 | 40,000円 |
なお、祭壇なしの場合は別途人件費が必要になります。
霊柩車運送料金
宮型指定者は車の上に屋根がついている、いわゆる一般的な霊柩車です。
普通霊柩車は外見は普通の車です。
種類 | 10kmまで | 20kmまで | 30kmまで |
宮型指定者 | 30,250円 | 35,750円 | 41,250円 |
普通霊柩車 | 14,160円 | 17,760円 | 21,360円 |
火葬料金
東京都内は民営の火葬場がほとんどです。これも定額で火葬することができます。なお、火葬料金には消費税がかかりません。
対象 | 料金(非課税) |
大人 | 53,100円 |
小人(満6歳以下) | 29,000円 |
遺骨収納容器代
遺骨収納容器とは骨壷のことです。
種類 | 料金 |
2号一式(大人用) | 10,900円 |
3号一式(大人用) | 9,800円 |
6号一式(小人用) | 2,300円 |
区民葬の費用
「祭壇・棺の料金」「霊柩車運送料金」「火葬料金」「遺骨収納容器代」を組み合わせた合計額が「区民葬」の価格になります。
区民葬に含まれない費用
区民葬は「祭壇・棺の料金」「霊柩車運送料金」「火葬料金」「遺骨収納容器代」を定額で受けられるようにしたものです。逆にいうとこれら以外でかかる費用は葬儀社により異なります。例えば以下のものが挙げられています。
- ドライアイス
- 遺影写真
- 会葬礼状
- 返礼品
- 飲食費
- 花輪
- 生花
- 供物
- テント
- ハイヤー
- マイクロバス
- 斎場使用料等
参考サイト
参考 区民葬儀とは東京都葬祭業協同組合大阪市規格葬儀の場合
今度は大阪市の例を見てみましょう。
規格葬儀の料金
大阪市の規格葬儀の場合、大阪市民を対象に百合と桔梗の2種類のプランから選ぶことができます。
種別 | 百合 | 桔梗 |
---|---|---|
大人(10歳以上) | 323,800円 | 185,700円 |
小人(10歳未満) | 304,700円 | 166,600円 |
規格葬儀の内容
- 納棺等の遺体の取扱い
- 総裁用品の供与
- 祭壇等の飾付
- 斎場の予約等の事務手続き
内容 | 百合 | 桔梗 |
---|---|---|
門前飾付 | 尊名建札、日時建札、玄関脇櫁、提灯台(提灯付)、幕関係(水引幕、鯨幕) | 日時建札、水引幕 |
祭壇飾付 | 御祭壇(檀敷白布付)、幕関係(白絹幕、水引幕、鯨幕)、経机、位牌台、掛け軸、香炉香鉢(抹香付)、柩前飾両袖花、祭壇脇中櫁 | 鯨幕、掛軸、祭壇脇櫁 |
焼香受所 | 焼香机(机敷白布付)、香炉及香鉢(抹香付) | 焼香机(机敷白布付)、香炉及香鉢(抹香付) |
枕元飾 | 棺巻(飾房及刀付)、陶器製五具足(ローソク線香付) | 棺巻、陶器製五具足(ローソク線香付) |
葬儀具等 | 位牌、寝棺箱(防水布付)、寝棺白衣覆、寝棺敷物代用、納棺用櫁、、棺台用馬、仏衣(六文銭及数珠付)、本骨袋(白木机付) | 位牌、寝棺箱(防水布付)、寝棺白絹覆、寝棺敷物代用、納棺用櫁、棺台用馬、仏衣(六文銭及数珠付)、本骨袋(白木机付) |
その他 | 放送設備、受付用(机・イス・テント)、所要諸記録帳、所要貼紙類、納棺・飾付社員、式次社員 | 所要諸記録帳、所要貼紙類、納棺・飾付社員、式次社員 |
規格葬儀に含まれない経費
- 読経料(宗教者費用・寺院費用)
- 遺影写真
- 粗供養、会葬礼状
- 式場使用料
- 飲食費
- 冷却材
- 霊柩車、マイクロバス、タクシー
- 火葬料
参考サイト
参考 大阪市市民の方へ 斎場事業大阪市【関連記事】
大阪市で葬儀を安く行うには?地域別にみる葬儀社一覧と規格葬儀のやり方まで
まとめ
いかがでしたか?
ここまで東京23区の「区民葬」と大阪市の「規格葬儀」をみてきました。
この他にも各自治体で「市民葬」や「規格葬儀」を行っている自治体もあります。
詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせください。
また、関連記事としてこちらもどうぞ。
【関連記事】
私の葬儀費用高すぎ?費用を抑えるための工夫。お葬式でかかる費用を徹底解剖!
それでは、この記事が「市民葬」「区民葬」「規格葬儀」の参考になりましたら幸いです。