皆さんこんにちは、税理士の秋山です。
今日は、人生100年時代に向けて相続専門税理士が女性の方にオススメする5つの相続対策、というお話をします。
最近よく人生100年時代というフレーズを耳にします。
医療の発展で私たちの寿命は長くなり、今後は男性も女性も老後の資金繰りに関して、真剣に考える必要が出てきました。
そして平均寿命のことを考えると、女性の方は男性よりもいっそう100歳までの人生設計をしっかりと考えておかないといけません。
ですので今回は、将来の相続において、女性はどんな問題に気をつけたらよいのか、というようなところをお話します。
男性の方も、自分が亡くなった後に、奥さんがどんなことで困るのかについて意識していただければと思います。
今回の話は、去年2018年12月29日発売の週刊文春WOMAN2019年正月号に掲載された、私と私の友人のK税理士のコメントの中から、話題を抜粋して解説や補足をしていきたいと思います。
ちなみにこの文春WOMANは週刊文春のムック版で、2019年正月号では香取慎吾さんが表紙を書いているということから、出版される前から新聞やSNSでかなり話題になっていました。
さてこの週刊文春Woman2019年正月号の中で、私や友人のK税理士にコメントを寄せさせていただいたのは、100歳まで生きる日本女性のための資産づくり自分年表、という記事でして、女性の40歳から100歳までの年表を元に、資産運用や保険の見直し、年金や医療・介護、それと私の分野であります相続について、どの年代でどのような備えをすればいいのかというようなところが、わかりやすくまとめられています。
そして私や、K税理士のコメントが出てくるのは55歳からの女性が考えるべきところなんですが、 まずお子さんのいる夫婦の離婚や、子供を連れての再婚、このような場面で相続においては、どのようなことを注意しておく必要があるのか、K税理士がこんなコメントをしています。
まず妻が親権を取った子供がいれば、元夫と音信不通になっても、その子が元夫の実子であることは変わらず、相続権がある。
また、再婚相手の連れ子は養子にしなければ、相続人にはなれません。
連れ子に財産を渡したいと思うなら、きちんと養子にする必要がある、とコメントをしています。
理由や事情は様々でしょうが、この頃は離婚をする夫婦は多くなってきています。
しかしですね、子供にとっては親同士が離婚しようが、血の繋がった親は、親なんです。
仮に母親に引き取られたとしましても、血の繋がった親が亡くなった際の相続権は無くなりません。
ですから、引き取られなかったほうの親が亡くなっても、子供はその親の財産を相続することができるのです。
また、子供を連れて再婚した場合はですね、先ほどとは逆で、子供が新しく親になる人と何十年親子として一緒に暮らしたとしても、再婚相手の財産を相続する権利はありません。
ですので、もし再婚相手の夫の方が連れ子に財産を残したいという意思があるのなら、養子縁組を提案しましょう。
ちなみになんですが、親の再婚相手と養子縁組をしたからといって、元の親の相続権がなくなる、こういうことはありません。
子供には、養子縁組をした現在の父親と、元の血の繋がった父親との両方の相続権があるんです。
同じく、55歳から考えるべきことに私は、親の介護と認知症の問題についてコメントをしています。
最近は、男性が両親の介護をするというケースも増えてきていますが、まだまだ親の介護は、女性が他の兄弟から押し付けられるというケース、これが多いと思います。
しかし親が認知症などになると、新しく何かを契約してたり、預金を下ろしたり、日常的な法律行為だけではなくて、相続対策も出来なくなってしまうんです。
もし親の介護費用を親自身の預金で賄うつもりでいたとしても、認知症になってしまえば預金を下すこともできなくなってしまいます。
また、いったん認知症になると、家族が後見人になって預金を管理するということもできなくなってしまいますから、なるべく親が元気なうちに、介護が必要になったらどうするかということを、親兄弟できちんと話し合って、介護費用を子供が管理できるように、家族信託の手続きを済ませておく、このような対策を考えておきましょう。
こういった話は、そのうちそのうちと言ってると、本当に後の祭りになってしまいますから、この年末年始で家族が揃うタイミングで、この動画をきっかけとしてぜひ皆さんでこれからの話をしていただきたいと思います。
さて次は、65歳から考えるべきこととしまして、義理の両親の相続の問題があります。
これには、以前私の事務所に相談に来られた、気の毒な女性の方のエピソードと合わせてコメントしました。
夫の親名義の家に同居をしている女性は、特にこのことについて気をつけて頂きたいんですが、この相談者の女性は夫婦で夫の父親の家に同居していました。
旦那さんには、二人の弟がいたんですが、相談者夫婦が父親の面倒を見て、父親が亡くなった後は旦那さんが家を相続して、そして夫婦で住み続けるつもりだったんです。
しかし不幸なことに、義理のお父さんよりも先に、相談者の旦那さんが亡くなってしまいました。
その間慌ただしく過ごしている間に、義理のお父さんも亡くなってしまったのですが、義父と相談者さんは赤の他人ですから、当然同居していた家を相続する権利はありません。
そこに夫の兄弟が乗り込んできて、この家を相続する権利は自分たちにあるんだから、この家を売却して売ったお金は兄弟二人で分ける、と主張されてしまいました。
義理のお父さんの面倒を見ていたとはいえ、相談者の女性には相続に関する権利がなかったもんですから、最終的に夫の兄弟に抵抗することができず、家を追い出されてしまったんです。
このように親と同居されている方もいらっしゃると思います。
冒頭でも人生100年時代という言葉を出しましたが、今の世の中、親も子供もどんどん高齢になり、親よりも先に子供の方が亡くなってしまうということもあり得ますから、親がまだ元気なうちにですね、いろんなパターンを想定して、自分の家は大丈夫だろうか、夫の兄弟の中に、義理も人情もないようなことを言いそうな人がいるな、という場合には、たとえ贈与税は払ってでも、早い段階から同居している家を夫名義にしておくなど、先に先に手を打っておく必要があるんです。
さて次の話も同じく、65歳から考えるべきこととして、K税理士は夫が亡くなった時に、妻が老後は子供に面倒を見てもらうという理由で、子供に全て夫の財産を相続させることがあります。
しかしそれより子供が先に亡くなると、子供の配偶者に全財産を取られることもあり、夫が亡くなった時は、妻も相続をしておくべきというコメントをしています。
先ほどの話題にもありましたが、親も子供も高齢になっていますから、子供が先に亡くなるというのは、どこのご家庭でも可能性はゼロではないんです。
また、以前の私の動画でもあげているんですが、同居している子供に夫の財産全てを相続させてしまうと、子供が生きていたとしても子供の嫁は、財産が全くないあなたのことをないがしろにするかもしれません。
そうならないためにも、子供に財産を全て相続させるのではなくて、自宅や預金など生活の基盤を安定させる最低限の財産、これはあなたが絶対に相続をするようにしてください。
さて最後は、女性が80歳を迎える頃に考えたいことなんですが、これはご自身の相続についてです。
ここで私は、夫を亡くし子供のいない女性と、独身の女性は、自分の財産の行方を決めておくこと、というコメントをしました。
自分が死亡して子供がいなければ、自分の遺産は、どこへ行くのかということも考えておく必要があります。
自分の親も亡くなっていれば、自分の財産は自分の兄弟に行きますし、兄弟も亡くなっていれば兄弟の子供に行きます。
そうなった時に、姪のA子ちゃんは、いつも自分のことを気にかけてくれて、可愛く思っているけど、甥のB君は、もう何十年も顔も見ていないとなれば、やはり自分を気にかけてくれるA子ちゃんに財産を渡したいと思いますよね。
しかし何も対策をしなければ、あなたの財産は、Bくんにも行くことになるんです。
ですからそんな、あなたが望まない財産の行方を防ぐためには、あなたが元気なうちに、自分が亡くなった際には○○に財産を相続させる、などの遺言書を残しておくことも考えられてはいかがでしょうか。
このように女性の相続については、結婚をしているかしていないか、子供はいるかいないか、夫の親と同居しているのか、などの夫や自分の財産内容、家族構成、兄弟などの生活環境によって、それぞれに事前に考えておくことがたくさんあるんです。
いざ事が起こってから慌てることのないように、今日これから、ご自身のこの先のライフプランとお金について少しでも考えてみてください。
また、今回のテーマについてやそれ以外の相続贈与のことについても、疑問や質問がありましたら、この動画のコメント欄にぜひコメントをいただければ出来る限り返信させていただきたいと思います。
今日は、人生100年時代に向けて、相続専門税理士が女性の方にオススメをする五つの相続対策、というお話をしました。
このチャンネルでは、税務調査で調査官によく指摘されるポイント、相続贈与についての節税策、税金で損をしないための情報などを週に3回、火曜木曜土曜日に投稿しておりますので、是非チャンネル登録をしていただければ幸いです。
以上です、ありがとうございました。
秋山清成
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