葬儀・告別式の最後には喪家側が弔問者に対してお礼の挨拶を行います。葬儀・告別式を締めくくる大切な挨拶、ポイントと例文を踏まえて見て行きましょう。
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目次
葬儀・告別式での挨拶の基本
出棺時に行うのが一般的です
最近の傾向では、葬儀と告別式は続けて行うことが多く、喪主(または遺族代表)の挨拶は火葬場へ向けて出棺する際に行うのが一般的です。
内容
基本的には通夜と同様です。
- 葬儀・告別式に参列してもらったことへのお礼
- 死因や死去の際の様子
また、残された者としての心境を述べ、故人と同様のお付き合いと今後の支援をお願いします。
葬儀・告別式の挨拶の例文
以下、7つの挨拶例文をご紹介します。
基本パターン
喪主として一言ご挨拶を申し上げます。
本日はお忙しいところを、亡き父の葬儀に多数ご参列くださいまして、誠にありがとうございました。
お陰さまで滞りなく式を済ませることができました。
(①参列してくれたことへのお礼)
父は、○月○日午前○時○分に、家族に看取られながら息を引き取りました。
享年○○で、死因は胃がんでした。
私ども家族は、父にがんであることを伝えるかどうか悩みましたが、結局告知はせずに、父の望み通り自宅療養をすることになりました。
高齢だったので手術も抗がん剤の投与もせず、痛み止めだけを用いた闘病生活でした。
それでよかったのか、今でも答えが出ません。
ただ慰めは、父も死期を悟っていたようで、平穏な日々を送り、実に穏やかな顔で人生の幕をおろしたことでした。
(②死去の報告)
晩年の父は何事にも達観していたように思います。
私達夫婦が息子の進路のことで言い合ったりすると、「長い人生、本人の好きなようにさせてやればいい」と、ぽつりとつぶやくのです。
「ああ、親父は大きいなあ」と思わずにはいられませんでした。
(③故人のエピソード)
そんな父を温かく支えてくださったのは、ここにお集まりいただいている皆様でございます。
長い会社勤めでのご支援はもちろん、退職後は趣味のお仲間の皆様、老人会の皆様に、大変お世話になりました。
父は亡くなりましたが、遺族の者達はこの地で皆様におすがりしながら生きてまいります。
今後とも父の生前同様に、変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
(④厚誼へのお礼と今後の支援のお願い)
本日は最後までお見送りいただき、父もきっと喜んでいることでしょう。
父に成り代わりまして、厚くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
(⑤結び)
喪主としての挨拶
短い挨拶
お陰様で、つつがなく別れの儀式を執り行うことができ、出棺の運びとなりました。
父が生前皆様からいただきましたご厚誼に対し、心からお礼申し上げます。
今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
本日はありがとうございました。
長男としての挨拶
父はここ数年、認知症が進行いたしまして、施設での介護をお願いしたこともございました。
昨年からは体の方も弱まって、ほとんど寝たきりになり、自宅へ戻って療養しておりましたが、一昨日家族に看取られながら静かに息をひきとりました。
仕事をしていたころの父は頑固で、怖い親父でしたが、晩年はこれがあの父かと驚くほど無邪気で、幼児にかえったようでした。
介護の苦労はありましたが、父の幸せそうな顔が慰めでした。
父が生前賜りましたご厚誼に対し、心から御礼を申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。
妻としての挨拶
本日はお忙しいところをお運びいただき、誠にありがとうございました。
数日前まで元気でおりました夫が、夜中に急に苦しみだしまして、救急車で病院へ運んだのですが、そのときはすでに呼吸が止まった状態でした。
心筋梗塞という診断でしたが、本当にあっけないものでございます。
それでも、長く苦しまなかったことがせめてもの幸いで、最期は穏やかな顔をしておりました。
あまりにも急すぎて、私どもはまだ信じられない気持ちでいっぱいですが、夫が見守っていてくれることを信じて、残された家族で力を合わせて生きていくつもりです。
皆様には、これからも変わらぬご厚誼を賜り、私どもを叱咤激励してくださいますようお願い致します。
本日は突然のことにもかかわらず大勢の皆様にご焼香いただき、ありがとうございました。
心からお礼申し上げます。
娘としての挨拶
娘の私から一言ご挨拶申し上げます。
私達の家は母子家庭で、母が一生懸命に働いて私と弟を育ててくれました。
また、本日ここにお集まりの皆様方にもご恩情をかけていただき、色々と助けていただきました。
心からお礼を申し上げます。
私は三年前に、弟は今年就職して、これでやっと母を楽にしてやれると思っていた矢先でした。
このたびの事故で、母は突然私達の前からいなくなってしまいました。
本当に悔しいです。
でも、いつまでも泣いてばかりいては、大好きな母を悲しませるだけですから、これからは弟と二人で、強く生きていかなければと思っています。
どうかこれからも、ご指導をお願い申し上げます。
本日はご会葬いただきまして、ありがとうございました。
親族代表としての挨拶(喪主が挨拶できない場合)
弟としての挨拶
本日は、兄○○の葬儀・告別式にご参列いただき、誠にありがとうございました。
兄は○年前に脳梗塞で倒れ、退院後はリハビリに励んでおりましたが、○月○日の早朝に脳梗塞が再発し、○○年にわたる生涯を閉じました。
リハビリも順調で回復に向っていた中での逝去で、残念と言わざるを得ません。
皆様には生前故人がご厚誼を賜りまして、深く感謝申し上げます。
私ども遺族に対しまして、今後ともお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
本日はお見送りありがとうございました。
婿としての挨拶
本来ですと、喪主である○○の妻の○○がご挨拶すべきところですが、体調を崩しているため、故人の長女の夫である私・○○から一言お礼のご挨拶を申し上げます。
父はかねてより病気療養中でしたが、○月○日の夜、容態が急変し、それが原因で翌○○日未明に○歳の一生を終えました。
現役の頃は仕事一筋に生き抜いた気骨のある人でしたが、定年後は趣味の家庭菜園をしながら、平穏な毎日を過ごしていました。
天珠を全うしたと言えるのではないかと思います。
親しくしていただいた皆様にお見送りをしていただいて、父も心から感謝していることと思います。
改めて、生前賜りましたご厚誼に対し、心からお礼申し上げます。
父は遠くへ旅立ちましたが、義母をはじめ遺族一同に対し、今後ともお力添えを賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶といたします。
まとめ
いかがでしたか?
喪主や遺族が知っておくべき「葬儀・告別式の挨拶」をみてきました。
ご参考になりましたら幸いです。
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