お世話になった方の「お別れ会」や「偲ぶ会」に招かれたものの、どう振る舞えば良いか不安に感じていませんか?
本記事では、マナーや仏事に不慣れな一般の方向けに、最新の参列マナーや注意点を丁寧に解説します。
お別れ会と偲ぶ会の違いから服装マナー、数珠など持ち物の要不要、香典や会費の扱い、弔辞・スピーチのポイント、欠席する場合の例文集、当日の流れ(献花・会食)と注意点、さらには現代のお別れ会・偲ぶ会のトレンドまで網羅しました。
ぜひ最後までお読みいただき、不安を解消して参列に臨んでください。
目次
お別れ会と偲ぶ会の違いと目的
まずは「お別れ会」と「偲ぶ会」の違いを押さえておきましょう。いずれも葬儀とは別日に改めて故人を偲び、お別れをするための集まりという点は共通しています。しかし、一般的に以下のような違いがあります。
開催時期の違い
お別れ会は故人の死去後比較的早い時期(葬儀後~四十九日までの約1か月以内)に開かれることが多く、偲ぶ会は四十九日法要が終わった後や一周忌・三回忌など、より時間が経ってから開かれることが多い傾向です。例えば、命日に合わせて一年後に行う場合は一般的に「偲ぶ会」と呼ばれます。
主催者の違い
偲ぶ会は故人と親交のあった友人・知人など有志が発起人となり主催するケースが多い一方、お別れ会はご遺族(喪主やご親族)が主催する場合も含まれる点が異なります。会社関係者が中心となる社葬のような大規模な「お別れの会」も存在します。
宗教色の違い
お別れ会は日程がまだ葬儀に近いこともあり、僧侶の読経や焼香など宗教的な儀式を取り入れる場合も見られます。一方、偲ぶ会は無宗教形式で行われることが多く、決まった式次第にとらわれない自由なスタイルになりやすいです(会食中心のカジュアルな偲ぶ会など)。
目的と雰囲気
いずれも「故人を偲び、思い出を共有する」目的ですが、お別れ会は「葬儀に参列できなかった人々にも改めてお別れの場を提供する」意味合いが強く、比較的改まった雰囲気になりやすいです。一方偲ぶ会は、故人の趣味や人柄に合わせた演出を凝らすなど「その人らしいお別れの場」という色合いが強く、より和やかで自由な雰囲気になる傾向があります。
なお、最近では家族葬が増えたため、後日改めてお別れ会や偲ぶ会を開くケースが多くなっています。葬儀後にゆかりの人々を招いて故人を偲ぶ場を設けるニーズが高まっているのです。
服装マナー:平服とは?男女別・子どもの服装【偲ぶ会の服装】
お別れ会・偲ぶ会の服装は、案内状に特別な指定がない限り「平服(へいふく)」で参列するのが一般的です。ここで言う平服とは「略喪服」のことで、決して普段着という意味ではありません。誤ってジーンズやカジュアルすぎる服装で行かないよう注意しましょう。
平服=略喪服の基本ルール
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色合い: 平服とはいえ、黒・濃紺・ダークグレーなど暗めで落ち着いた色味が基本です。模様や光沢のない無地の生地を選び、派手な柄物や明るい色は避けます。
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格式: 略喪服(平服)は正式喪服よりワンランク控えめな弔事用服装です。男性ならブラックスーツほど厳格ではないダークスーツ、女性ならブラックフォーマルほどではないダークカラーのスーツやワンピースを指します。葬儀で着る準喪服(正式な喪服)より少し軽い装いと考えてください。
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案内の確認: 招待状に「平服でお越しください」と書かれていれば上記の平服で、逆に「喪服で」と指定があれば男性はブラックスーツ・女性は正式なブラックフォーマル(準喪服)で参列します。指定が曖昧な場合は、主催者に問い合わせるか、念のため略喪服に近い黒に統一した服装で臨むと無難です。
続いて、男女別および子どもの服装マナーを具体的に見ていきましょう。
【男性】お別れ会・偲ぶ会の服装ポイント【お別れ会 服装】
男性は基本的にシンプルなダークスーツ姿が平服マナーとなります。
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スーツ: 黒無地が最も無難ですが、濃紺やチャコールグレーでも構いません。光沢のある生地や派手なストライプは避け、出来るだけ光沢やヨレのない黒に近いスーツを選ぶと安心です。
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シャツ: 白無地の長袖シャツを着用しましょう。襟はレギュラーカラーでボタンダウンは避けます。派手な色柄や光沢素材のシャツはNGです。
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ネクタイ: 黒無地のネクタイが基本です。略喪服の場合、無地のダークグレーや極めて地味な織柄程度なら許容されることもあります。結び目は小さなディンプル(くぼみ)を作らないようにプレーンノットでシンプルに結びます。
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靴・靴下: 靴下は黒の無地で、白や派手な柄は避けます。靴は黒の革靴(紐付きのプレーントゥなど装飾のないデザイン)を選びましょう。エナメルのような強い光沢靴や、動物の皮(ヘビ革・ワニ革)素材は弔事には不向きです。
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その他小物: 派手なアクセサリーや時計は避けます(結婚指輪程度は可)。ベルトは黒無地で目立たないバックルのものを。男性は基本的に大きなバッグを持たないのが正式マナーなので、荷物は最小限にしポケットに収めるか、必要なら黒のシンプルなセカンドバッグを使用します。
【女性】お別れ会・偲ぶ会の服装ポイント
女性もダークカラーで露出を控えた控えめな服装が原則です。
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服装の種類: 黒・濃紺・ダークグレーのワンピース、スーツ、アンサンブルなどが定番です。ブラウスやインナーも光沢のない黒系で揃えましょう。平服指定であればパンツスーツでも構いません。
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デザイン: 無地でシンプルなデザインを心がけます。派手なフリルやレース、目立つボタンなどは避け、スカート丈は膝が隠れる長さ、袖丈も二の腕が出ない程度(肘が隠れる七分袖~長袖)を目安にします。胸元の開きすぎた服やノースリーブは避けてください。
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ストッキング: 素足はマナー違反です。必ず黒のストッキング(できれば30デニール以下の薄手のもの)を着用します。肌色ストッキングや模様付きタイツ、厚手の黒タイツはカジュアルすぎるので避けましょう。
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靴: 黒のパンプスが基本です。光沢や装飾のないシンプルなデザインで、5cm前後までの低めヒールが望ましいです。オープントゥやバックストラップなどつま先・かかとが出る靴、派手なデザインの靴は避けます。
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バッグ・アクセサリー: バッグは黒無地で布製のフォーマルバッグを持ちます。光る金具やロゴのないシンプルなものを選びましょう。アクセサリーは基本的に結婚指輪以外付けないのが無難ですが、どうしてもという場合は真珠(パール)のイヤリングやネックレス(一連)が弔事では定番です。派手な宝石や揺れるイヤリングなどは控えてください。
【子ども】の服装ポイント
お子さんを連れて参列する場合も、大人と同様に落ち着いた服装をさせます。
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制服の活用: 幼稚園・学校の制服がある場合は、それが子どもの正装となります。制服なら明るい色でも公式の服装なので問題ありません。制服がある場合はできるだけ着用させましょう。
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私服の場合: 制服がない場合は、できるだけフォーマル感のある服装を心がけます。男の子なら黒・紺・グレーの長ズボンに白いシャツなど清潔感ある服を、女の子なら地味色のワンピースやスカートにブラウスなどを組み合わせます。大人の略喪服を子ども用に簡略化したイメージです。
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靴・持ち物: 靴は黒や濃色のローファー・フォーマル靴がベストですが、持っていない場合はシンプルなスニーカーでも構いません。ただしキャラクター物やピカピカ光る靴は避けます。派手な髪飾りやおもちゃ類も持たせないようにしましょう。
季節・会場に合わせた服装の注意
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暑い季節: 夏場でも半袖のシャツ一枚で参列などは避け、会場に入るまでは上着(ジャケットやカーディガン)を羽織るようにします。会場内は空調が効いていることが多いので、薄手のジャケットを用意すると安心です。女性も素足にならずストッキング着用は忘れずに。暑い時期用の喪服素材(サマーウール等)もありますので、可能なら季節に合わせた喪服を準備しましょう。
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寒い季節: 冬場はコート等で防寒しますが、会場では脱ぐのがマナーです。黒やグレーなど地味色のコートを着用し、会場受付のクロークで預けます(毛皮のコートは殺生を連想させるため弔事では避けます)。女性は黒いタイツは本来NGですが、屋外の移動時は防寒優先で履き、会場で着替えるなど工夫すると良いでしょう。
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会場がホテルの場合: ホテルでの開催時は喪服(特に和装の喪服)を禁止している会場もあります。結婚式などお祝いの席と同じフロアになる場合、黒の喪服姿が他の来客に心理的影響を与えることへの配慮です。そのためホテル会場では主催者側が「平服で」と案内している場合が多く、指定がなくても正式喪服は避けた方がよいでしょう。男性はダークスーツ、女性は略喪服の範囲で少し柔らかめの服装に留めてください。
以上が服装の基本マナーです。お別れ会・偲ぶ会の服装に迷ったら「控えめで品のある身なり」を心がけるのが一番です。【お別れ会 服装】【偲ぶ会の服装】ともに平服が多いとはいえ、決してラフになりすぎないよう注意しましょう。不安な場合は遠慮なく主催者に問い合わせて服装を確認しても失礼にはあたりません。
数珠や持ち物はどうする?必要な物・不要な物【お別れの会 持ち物】
葬儀に参列するときは数珠や袱紗(ふくさ)など色々と持ち物がありますが、お別れの会・偲ぶ会では何を持参すべきか悩む方も多いでしょう【お別れの会 数珠 必要】。一般参加者が用意しておくと良い持ち物を整理します。
数珠(念珠)は持っていくべき?【偲ぶ会 数珠】
「お別れの会に数珠は必要ですか?」という質問はよくあります。結論から言えば、状況によります。
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宗教的な儀式がある場合: 招待状や事前案内に「読経があります」「焼香あり」といった記載がある場合は、数珠(念珠)を持参しましょう。お別れ会は葬儀に準じて焼香を行うケースもあり、その場合は葬儀と同様に数珠が必要です。
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無宗教形式・献花のみの場合: 偲ぶ会など無宗教スタイルで献花のみ行うような場合、数珠の出番は通常ありません。この場合数珠は必須ではありません。献花では数珠を持たずとも構いませんので、荷物を増やしたくなければ持参不要でしょう。
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迷う場合は持参: 案内に特に書かれておらず判断がつかない場合は、念のため数珠を持参することをお勧めします。小さな数珠であればポケットやバッグに入れておけますし、使わなければそのまま持ち帰れば良いだけです。万一急に焼香などが始まっても慌てず対応できます。
💡ワンポイント: 数珠は宗派ごとに正式なものがありますが、お別れ会・偲ぶ会では形式ばらないことも多いため、片手数珠(略式数珠)でも差し支えありません。色も男性用は黒か茶、女性用は紫やグレーなど地味な色合いで統一しましょう。
袱紗(ふくさ)
袱紗とは香典袋を包む布のことです。葬儀では香典を袱紗に包んで持参し、受付で袱紗から出してお渡しするのが正式マナーです。お別れ会・偲ぶ会でも香典を持参する場合は袱紗があると望ましいでしょう。袱紗がない場合は、代わりに無地のハンカチで香典袋を包むか、せめて封筒を直接バッグから出さないように心がけます。袱紗の色は紺や紫、グレーなど弔事用のものを使います(祝儀用の金封袱紗と区別)。
ハンカチ・小物類
会場では涙を拭う場面があるかもしれませんので、ハンカチは必携です。色は白無地か黒・紺など地味なものを用意しましょう(派手な柄物は避ける)。また夏場は汗拭き用にもなります。
そのほか、ポケットティッシュ、長時間の場合は喉の乾き用に小さな水筒やペットボトル(会場規定による)を持っておくと安心です。ただしかさばる荷物は避け、必要最低限に留めます。
バッグ【偲ぶ会 持ち物】
前述のように、女性は黒無地のフォーマルバッグであれば持参OKです。葬儀よりはくだけた場とはいえ、キラキラしたパーティバッグやブランドロゴが大きく出たバッグは控え、あくまで落ち着いたデザインのものにします。荷物が多い場合でもサブバッグは葬儀同様に黒など地味な布製トートを使用すると良いでしょう。会場がホテルならクロークに預けることもできます。
男性は基本的に手ぶら(バッグなし)が正式ですが、香典や弔電、手土産など荷物がある場合は黒のセカンドバッグや書類ケース程度は問題ありません。リュックサックやカジュアルなショルダーバッグは避けましょう。
その他の持ち物
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招待状: 忘れずに持参しましょう。会の詳細(日時・会場)が記載されているので受付で確認事項があったとき役立ちます。また、席次や手土産引換券が付属している場合もあります。
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名刺: ビジネス関係者の集まるお別れ会では、名刺交換の機会があるかもしれません。念のため数枚持っておくと安心です(遺族に渡す必要はありませんが、受付で芳名帳代わりに名刺を出す場合もあります)。
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弔電控え: 弔電を事前に送った場合、その控え(内容メモや受付番号など)を持参すると万一届いていなかった場合に確認できます。
以上が持ち物の基本です。お別れの会 持ち物として困ったら、「香典関連(香典・袱紗)、数珠、ハンカチ、招待状、必要最小限の荷物」を押さえておけば十分でしょう。荷物が多いと身動きがとりにくくなりますから、できるだけコンパクトにまとめて参列してください。
香典の相場・包み方と会費制の場合の対応【偲ぶ会 香典】【偲ぶ会 会費】
香典(こうでん)とは故人へのお悔やみとして持参する現金のことです。葬儀では香典を持参するのが一般的ですが、お別れ会・偲ぶ会では香典をどうすべきかは主催者からの案内に従って判断します。
案内状の「香典辞退」「会費」に注目
まず、招待状に香典についての記載がないか確認しましょう。
「香典ご辞退」
招待状に「ご香典ご辞退申し上げます」「香典は不要」と明記されている場合は、香典を持って行ってはいけません。これは主催者側が金品のやり取りは遠慮したい意向を示していますので、厚意であっても持参しないようにします。どうしても気持ちを表したい場合は、後日お花や菓子折りを贈るなど別の形にしましょう(ただしこれも相手に気を遣わせる可能性があるため基本は不要です)。
「会費制」
招待状に「会費◯◯円」等と書かれている場合は、指定の会費を受付で支払います。会費制の偲ぶ会では香典は徴収せず、その代わりに会の運営費用として定額の会費を集める方式です。偲ぶ会 会費と香典は基本的に両立しませんので、会費制の場合香典は持参不要です(香典辞退と同義と考えてOKです)。受付で現金を支払う際はなるべくお釣りのないよう新札以外の現金を用意しましょう。
特に記載なし
香典辞退や会費の指定が特に案内されていない場合、通常の葬儀と同じように香典を用意します。念のため主催者に確認できればベストですが、一般的には持参するのがマナーです。
香典の相場と金額の決め方
香典の金額は故人との関係性や立場によって異なりますが、お別れ会・偲ぶ会では1万円〜2万円程度が相場です。以下を目安にすると良いでしょう。
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友人・同僚として参列: 5,000円〜1万円。親しい友人や同僚なら1万円、知人程度であれば5,000円でも失礼ではありません。
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会社関係(上司・部下): 5,000円〜1万円。社葬的なお別れ会であれば会社として香典をまとめて出す場合もあるため、個人としては5,000円程度に留めることもあります。
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親族以外の恩師・目上の方: 1万円が一つの目安です。多額すぎても相手に気を遣わせますので、故人との間柄に見合った金額にしましょう。
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夫婦で連名で参列: 二人分として2万円程度準備することもあります。ただし偶数は「割り切れる」数字で本来忌み嫌われますので、1万円札1枚と5千円札2枚(計2万円、枚数は3枚)など工夫します。
金額は「4」「9」を避ける(死・苦を連想)という考えから、1万円や3万円などキリの良い奇数枚になるよう調整するのが昔ながらのマナーです。ただし現在ではあまり神経質にならなくても良いともされています。
香典袋の選び方・表書き・包み方【お別れ会 香典】
香典は必ず専用の不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)に入れて用意します。葬儀と同様ですが、お別れ会・偲ぶ会では宗教を問わず表書きは「御香典」または「御香料」と書くのが一般的です。「御霊前」「御仏前」など宗派固有の表書きより汎用的な表記が無難でしょう(薄墨で書ければベストですが、濃墨でもマナー違反ではありません)。
不祝儀袋の水引は黒白または銀色の結び切り(ちょうちょ結びは不可)を選び、中袋に適当な金額を入れます。新札は避け、一度折り目をつけたお札や少し使ったお札を使うのがマナーです。「死を予期して用意していた」という印象を避けるためですが、最近は新札でも非常識とまでは言われなくなっています。
中袋に金額と氏名住所を記入し(三万円以上の場合は金額は漢数字で「金壱万円」等と記載)、袱紗に包んで持参します。当日受付では袱紗から香典袋を出し、表書きが相手から読める向きで受付係に手渡し「この度は御愁傷様でございます」と一言添えるか、無言で一礼して差し出します。香典を辞退されている場合は受付で会費を支払い、芳名帳に記帳するのみです。
香典返し・返礼品について
お別れ会・偲ぶ会では香典返し(香典をいただいたお礼の品)を簡略化する場合が多いです。会費制なら香典返しは基本ありませんが、会の終わりに参列者全員に記念品や菓子折りを渡すケースがあります。これを一般に返礼品と呼びます。香典を持参した場合も、当日または後日に主催者からお礼の品が贈られてくることがあります。
返礼品を受け取ったら、特にお礼の連絡は不要です(香典へのお礼ですので)。逆にこちらから香典辞退にも関わらず渡してしまった場合などは、後日お詫びとお礼を伝えるとよいでしょう。
弔辞・スピーチのマナーと文例【3〜5分程度】
お別れ会・偲ぶ会では、一般参加者が指名されてスピーチをお願いされることがあります。特に故人と関係の深かった友人や同僚、教え子などが代表して弔辞(ちょうじ)や思い出のスピーチを行う場面です。ここでは弔辞・スピーチのマナーと、3〜5分程度で話す際の文例を紹介します。
弔辞・スピーチを頼まれたら
引き受ける姿勢
恐れ多いことですが、依頼されたら出来る限り引き受けましょう。断るのは非常に親しい間柄で動揺が激しく無理な場合など特別な事情がある時だけです。その場合も早めに主催者に辞退の旨を伝えます。
長さ
3分〜5分程度(原稿用紙換算で2〜3枚、文字数にして800〜1500字程度)が目安です。長すぎると他の参列者の負担になるので注意します。
内容構成
初めに遺族・参列者へのねぎらい(「本日は○○さんを偲ぶ会にあたり、一言ご挨拶申し上げます」など)から始めます。次に故人との関係や思い出をエピソードを交えて話します。故人の人柄や功績を称え、感謝の気持ちや寂しい気持ちを述べます。最後に故人へのメッセージや冥福を祈る言葉で締めくくりましょう(「○○さん、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします」など)。
言葉遣い
弔辞では直接的な表現より婉曲な敬語表現を使うのが慣例です。例えば「死」という言葉は使わず「ご逝去」「お亡くなりになられ」などと言い換えます。「生前」は「ご生前」、「ますます」は不幸が重なることを連想させるので避ける、など忌み言葉にも注意しましょう。悲しみを強調しすぎず、故人への敬意と感謝を込めた落ち着いた語り口が好まれます。
態度
原稿を用意する場合は当日黒無地のバインダーなどに挟んで持参します。読み上げるときは姿勢を正し、祭壇の遺影に向かって語りかけるようにします。途中で涙が出て言葉に詰まっても構いませんが、極力最後まで声を出して読み切りましょう。聞き取りやすい速度と声の大きさで、会場全体に語りかける意識を持つと良いです。
スピーチの文例【偲ぶ会 スピーチ 例文】
それでは簡単なスピーチ文例を示します。故人を会社の先輩社員(山田太郎さん)とし、部下の立場で挨拶する場合の一例です。
本日は、故・山田太郎さんを偲ぶ会にあたり、お時間をいただきましたので、僭越ながら思い出をお話しさせていただきます。
私は山田さんの部下として5年間ご指導を仰いだ〇〇と申します。入社当初、右も左もわからなかった私に、一から仕事の姿勢を教えてくださったのが山田さんでした。毎晩遅くまで残業していた私を気にかけ、「たまには息抜きも大事だぞ」と笑って声をかけてくださった優しいお顔を、今でも昨日のことのように思い出します。
山田さんはプロジェクトの節目ごとに必ず「皆で成功を祝おう」と食事会を開いてくださる懐の深い方でもありました。今日はその温かい笑顔が見られないことが本当に残念でなりません。ですが、山田さんからいただいた数々の教えは、今も私たちの胸に生き続けております。
どうか天国でも持ち前の明るさで周りの方を励ましながら、安らかにお過ごしください。山田さん、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。
(※上記は一例です。実際のスピーチでは故人との具体的な思い出やエピソードを交え、あなたならではの言葉で語ることが大切です。)
スピーチで避けたいNG事項
最後に、弔辞やスピーチで避けるべきポイントも押さえておきましょう。
ユーモアの加減
故人の人柄によっては明るい思い出話も良いですが、笑いを狙いすぎるのは禁物です。会場の雰囲気を壊さない程度に留め、基本はしめやかに。
ネガティブな話題
故人や遺族に関するマイナスイメージの話、触れてほしくないプライベートな話題は避けます。昔の失敗談などもフォローが難しければ控えましょう。
長すぎる謝辞
遺族や関係者へのお悔やみを述べるのは大切ですが、冗長にならないよう注意します。「この度は心からお悔やみ申し上げます」程度で十分です。
宗教観の押し付け
無宗教の場では特定の宗教的表現(「ハレルヤ」等)は避けます。また「成仏してください」など遺族の信仰によっては不快になる言葉も避けた方が無難です。
弔辞・スピーチは緊張しますが、心を込めて故人を送り出すことが何よりの目的です。形式にとらわれすぎず、あなたの言葉で故人への想いを伝えましょう。
欠席する場合のマナーと文例集【偲ぶ会 欠席 メッセージ 文例】
やむを得ない事情でお別れ会・偲ぶ会に行けない場合(欠席する場合)は、速やかにその旨を連絡するのがマナーです【お別れの会 行けない場合】。ここでは欠席連絡のマナーと、返信はがき・メール・弔電それぞれの文例を紹介します【偲ぶ会 欠席 文例】。
欠席連絡の基本マナー
早めの連絡
出欠の返信期限が設けられている場合はそれを厳守し、そうでなくても案内を受け取ったらできるだけ早く欠席の連絡をします。直前にならないよう注意しましょう。
連絡手段
招待状に返信はがき(出欠葉書)が同封されている場合はそれを使うのが正式です。返信はがきがない場合は、主催者から指定された方法(電話やメールなど)があればそれに従います。指定がなければ、はがきか封書で丁重に欠席の挨拶を送るか、カジュアルな会であればメールでも構いません【偲ぶ会 欠席 メール】。ビジネス関係ならメール+電話で一報入れるなど念入りに。
欠席の理由
欠席理由は簡潔でOKです。プライベートな会なら「先約があり」「どうしても都合がつかず」で問題ありません。ビジネス上では「出張のため」「公務のため」など具体的に。重病や不幸など深刻な理由はかえって先方を気遣わせるので詳述しない方が良いでしょう。「所用のため」「私事都合により」などオブラートに包む表現で十分です。
お悔やみの言葉
欠席連絡には、故人への哀悼の意と会への招待への感謝を必ず添えます。「ご案内いただきありがとうございます。ご逝去を悼み心よりお悔やみ申し上げます。当日は伺えず残念ですが、遠くよりご冥福をお祈りしております」等、気持ちが伝わる一文を加えましょう。
香典や弔電の判断
欠席する場合でも、香典辞退の記載がなければ香典を現金書留で送るか、または弔電(お悔やみ電報)を打つことを検討します。特に親しい間柄なら香典をお送りする方が良いですが、会社関係などで先方がお断りの場合は控えましょう。弔電は式当日に届ける電報で、行けない場合によく利用されます(後述)。
返信はがきで欠席を伝える文例【お別れの会 欠席 はがき】
招待状に同封の返信用はがきで欠席を伝える場合の書き方です【偲ぶ会 欠席 書き方】。返信はがきには予め「御出席」「御欠席」などの項目がありますので、以下のように記入します。
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敬称を二重線で消す: 「御出席」「御欠席」の「御」の字を二本線で消し、自分側からの敬語表現を外します。合わせて「御芳名」「御住所」等の「御芳」「御」も二重線で消します。
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出欠の選択: 出席できない場合は「御欠席」の「御」を消した上で「欠席」側に○印を付けます。「出席」の方には何も付けません。さらにその下に「欠席させていただきます」と丁寧語を付け加えます。
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一言添える: 空いたスペースに、欠席のお詫びとお悔やみのメッセージを簡潔に書き添えます。「今回は所用のため、残念ながら欠席させていただきます。【偲ぶ会 欠席 メッセージ 文例】」などとし、さらに「ご案内を賜り心より感謝申し上げます。○○様のご冥福をお祈りいたします」等の一文を加えると丁寧です。
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氏名・住所: はがきの所定欄に自分の氏名と住所を忘れずに記入します。
メールで欠席連絡をする文例【偲ぶ会 欠席 メール】
カジュアルな偲ぶ会やビジネスの場では、メールで欠席連絡をする場合もあります。【偲ぶ会 欠席 メール】の例文として、ビジネスメール形式のものを示します。
件名例: ○○様偲ぶ会のご案内について【欠席のご連絡】
本文例:
株式会社〇〇 〇〇部 △△ △△様
平素よりお世話になっております。〇〇株式会社の山田花子です。
この度は○○様(故人名)を偲ぶ会へのご案内を頂き、誠にありがとうございます。
ぜひ参列して故人を偲びたいところではございますが、
あいにく当地を離れる出張と日程が重なっており、今回はやむを得ず欠席させていただきたく存じます。【偲ぶ会 欠席 例文】
ご準備等お忙しい中、ご迷惑をおかけしますことお詫び申し上げます。
略儀ながらメールにて欠席のご連絡とさせていただきますが、
故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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署名(名前・所属・連絡先)
ポイント:
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ビジネスの場合、冒頭に会社名や宛名を明記し、件名にも「欠席」のキーワードを入れて一目で分かるようにします。
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メール本文でも敬語を用い、欠席理由とお詫び、お悔やみを盛り込みます。
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最後に故人への哀悼の意(ご冥福をお祈りします 等)を忘れずに。
プライベートな関係であれば、もう少し砕けた表現でも構いませんが、基本は改まった丁寧語を心がけましょう。
弔電・手紙でお悔やみを伝える文例
弔電(ちょうでん)とは、お悔やみの電報のことです。葬儀に参列できない時によく利用されますが、お別れ会・偲ぶ会に弔電を送ることについては意見が分かれます。実際には「問題ない」という声と「お別れ会なら電報より手紙が望ましい」という声があります。
一般的に、日時があらかじめわかっている偲ぶ会では電報より事前にお悔やみ状(手紙)を送る方が丁寧とも言われます。いずれにせよ、欠席する場合は以下のような文例でお悔やみの気持ちを伝えると良いでしょう。
弔電文例:
この度は○○様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
本来であれば直接お別れを申し上げるべきところ、
偲ぶ会に伺えず誠に残念でなりません。
ご遺族の皆様のお悲しみはいかばかりかと拝察いたします。
心ばかりではございますが、遠くより○○様のご冥福をお祈りいたします。
(※字数の都合上、電報では簡潔な文面になります。)
手紙(お悔やみ状)文例:
拝啓 ○○の候、△△様におかれましてはますますご清祥のことと存じます。
さて、この度○○様の訃報に接し、ただ驚いております。
ご家族のご悲嘆はいかばかりかとお察し申し上げます。本来であれば早速弔問に参上すべきところ、叶わず申し訳ございません。
○月○日開催の「お別れの会」にも出席叶わず、無念の思いでいっぱいです。
ご遺族の皆様に心よりお詫び申し上げます。
○○様には生前大変お世話になりました。
温厚でいらっしゃったお人柄を偲び、哀悼の涙が禁じ得ません。
謹んで○○様のご冥福をお祈り申し上げます。
ご遺族の皆様には、どうかご自愛のほどお祈りいたします。 敬具
令和○年○月○日
〇〇県〇〇市〇〇町 山田花子
手紙では、頭語(拝啓)や時候の挨拶から始め、訃報への驚きとお悔やみ、欠席のお詫び、故人への哀悼、遺族への気遣いという流れで書くと良いでしょう。あまり形式にとらわれず、真心を込めて書けば気持ちは伝わります。
以上のように、欠席の場合でも礼を尽くして連絡とお悔やみを伝えることが大切です。【偲ぶ会 欠席 メッセージ 文例】を参考に、自分の言葉で丁寧に表現しましょう。欠席連絡を怠ったり直前になってしまうのはマナー違反ですので注意してください。
当日の流れと参列マナー【献花・会食の手順と注意点】
最後に、お別れ会・偲ぶ会当日の一般的な流れと、各場面でのマナー・注意点を確認しましょう。初めて参列する方でも流れを把握しておけば安心です。
会場到着・受付
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時間厳守: 開始時刻の15〜20分前までには会場に到着するようにします。受付開始時間が案内に書かれている場合はそれに従いましょう。遅刻は厳禁です。万一遅れる場合は事前に主催者へ連絡します。
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服装最終チェック: 会場に入る前に、コートを脱ぎ、身だしなみを整えます。男性はネクタイや靴紐を確認、女性は髪や装飾品を整え、携帯電話の電源は切っておきます。
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受付での対応: 受付が設置されている場合、芳名帳(受付簿)に氏名を記帳します。会社関係なら会社名・役職も書きます。香典や会費を持参している場合はこのときお渡しします。香典を渡す際は一礼して「本日、○○より参りました山田でございます。この度は誠にご愁傷様でございます」と一言添えます。会費の場合は案内状に記載の金額を受付係に渡し、「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶します。
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名札・会次第の受け取り: 大規模な会では受付で名札や式次第(プログラム)を渡されることがあります。受け取ったらその場で名札を胸につけ、プログラムに目を通しておきます。
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案内に従う: 受付が終わったら会場スタッフの指示に従い、所定の席または待合スペースで開会を待ちます。知人を見かけても大声で話し込まず、開会前は静かに控えめに過ごしましょう。
開会・献花の流れとマナー【偲ぶ会 献花】
お別れ会・偲ぶ会は、まず主催者挨拶や黙祷など開会セレモニーがあり、その後献花が行われるのが一般的です。献花とは、参列者が順に花を一輪ずつ祭壇に捧げる儀式で、無宗教の弔事では欠かせないものです。献花の手順は以下の通り進みます。
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係員から花を受け取る: 献花用の白い花(カーネーションや菊が多い)を会場係の人から一輪手渡されます。このときの持ち方は左手で花の茎の根元を上から優しく持ち、右手を花の下(茎寄りの花側)に添える形が基本です。受け取った花は胸の高さで垂直に持って順番を待ちます。
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遺族・祭壇に一礼: 自分の番になったら、まずご遺族席の方(遺族や親族)に一礼します。次に祭壇の前に進み、祭壇正面で軽く一礼します。
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花を捧げる: 祭壇に向かって一礼した後、手に持った花を時計回りに回転させます。回転させることで花のつぼみが自分側、茎が祭壇側に向きます。両手で花を水平に持ち替え、目の高さくらいまで捧げるようにしてから、目の前の献花台に静かに花を置きます。このとき花の頭が自分に向いて茎が向こう側(遺影側)になる向きで置くのが正式です。(※キリスト教式では逆向きの場合もありますが、無宗教の献花ではどちらでも大きな問題にはなりません。)
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黙祷: 花を捧げ終えたら、そのまま胸の前で手を組むか、静かに目を閉じて2~3秒間黙祷します。宗教に応じて合掌(仏式)や十字を切る(キリスト教式)などしますが、無宗教なら軽く目を閉じ故人へ想いを馳せます。
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退下: 黙祷後、半歩下がって祭壇に一礼します。さらに振り返って遺族席に向かい、もう一度軽く一礼します。そのまま自分の席へ戻ります。他の参列者の妨げにならないよう静かに移動しましょう。
このように、一連の所作は仏式の焼香に近い流れです。周囲の動きを見ながら落ち着いて行えば大丈夫です。献花が終わった後、主催者や近親者からの挨拶、弔辞(先述のスピーチ)、映像上映などが行われる場合もあります。プログラムに沿って進行しますので、その間は私語を慎み、静かに耳を傾けましょう。
💡メモ: 最近では献花の代わりに故人ゆかりの品を捧げる演出も増えています。例えば野球が好きな方ならボールを、農業をしていた方なら稲穂を捧げるといったケースです。参列者としては特別な持参物は不要ですが、そうした演出がある場合はスタッフの指示に従って行動してください。
会食・懇親の席でのマナー【偲ぶ会 食事】
献花や挨拶などセレモニー部分が終わると、会食(懇親会)に移ることが多いです。ホテルやレストランでは立食ビュッフェ形式や着席のコース料理が提供され、参列者同士が故人の思い出を語り合う懇親タイムとなります。【偲ぶ会 食事】の場面でのマナーを押さえておきましょう。
献杯(けんぱい)
懇親会の冒頭で、乾杯の代わりに献杯が行われることがあります。献杯とは、故人に敬意を表して杯を捧げる行為です。司会者などが「それでは○○さんに献杯いたしましょう。ご起立ください」と促したら、皆グラスを持って起立し、「献杯」の発声でグラスを少し掲げてから黙って一口飲みます。絶対に「乾杯」と言わないよう注意してください。
席次・席移動
着席形式の場合、席次は招待状に同封の席札や会場入口の案内で確認します。指定された席に着席し、無断で移動しないのが基本です。立食形式の場合は、特に席は決まっていないので知り合いと談笑しつつ自由に過ごします。ただし遺族・主催者席に長時間押しかけておしゃべりするのは避け、節度を保ちましょう。
料理のマナー
ビュッフェでは取り皿を使い、少しずつ料理を取ります。一度に山盛りにせず、他の参列者にも行き渡るよう配慮します。和食の会席形式なら一般的なテーブルマナーに従います。アルコールも用意されますが、あくまで故人を偲ぶ場ですので深酒は厳禁です。酔って羽目を外すようなことは絶対にないようにしましょう。
会話の内容
懇親中は故人の思い出話を穏やかに語り合うのが自然です。明るいエピソードで場が和むこともあるでしょう。ただし笑い声が大きくなりすぎないよう注意し、他のテーブルへも気配りを。遺族やご家族と言葉を交わす機会があれば、改めてお悔やみを伝え、「○○様には生前大変お世話になりました」「本日は本当に立派な会で、○○様もきっとお喜びだと思います」など労いと感謝の言葉をかけると良いでしょう。遺族に対して「元気を出して」などは不要です。「お力落としのないように」と体調を気遣う程度にします。
写真撮影
会によっては遺影や会場の様子を写真撮影してよい場合もありますが、基本的には慎重に判断しましょう。遺族の許可なく遺影を背景に記念撮影するのはマナー違反です。SNSへの投稿も控えるべきです。公式のカメラマンがいる場合は任せ、自分は記録係でない限り写真撮影は控えるのが無難です。
終了・お開き時
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お礼の挨拶: 会が終了したら、退出時に主催者や遺族に一言お礼を述べます。受付付近でお見送りがある場合は「本日はありがとうございました」と声をかけ、一礼して退場します。涙で言葉が詰まるようであれば、黙礼でも構いません。
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返礼品の受け取り: 帰り際に返礼品(会の記念品やお菓子など)が配られることがあります。受け取る際は「ありがとうございます」と丁寧にお礼を言いましょう。家に帰って開封したら、後日改めてお礼状を…とまでは不要ですが、職場関係で上司が主催の場合などはお礼メールを入れても良いでしょう。
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退出後: 会場を出た後も、建物から離れるまでは気を抜かずに。エレベーターやロビー等で他の参列者と鉢合わせることもあります。最後まで沈んだ表情を保てとは言いませんが、あまりにも明るく談笑しながら帰る姿は避けたいものです。節度を持って会場を後にしましょう。
以上が当日の大まかな流れとマナーです。お別れ会・偲ぶ会は、格式張った葬儀よりは自由度が高いとはいえ、故人を送り出す厳粛な場面であることに変わりありません。「参加して良かった」と思えるような会にするためにも、一人ひとりがマナーと心遣いを心がけて参列しましょう。
現代のお別れ会・偲ぶ会トレンドあれこれ
昨今、葬送のスタイルは多様化しており、お別れ会・偲ぶ会も進化しています。ここでは現代ならではのトレンドや動向をいくつか紹介します。
オンライン参加・ハイブリッド開催
コロナ禍をきっかけに、Zoomなどを使ったオンライン偲ぶ会・オンラインお別れの会が考案されています。実際に2020年頃から遠方の親族や海外在住の友人がリモートで追悼に参加できるよう、会場の様子をライブ配信したり、オンラインだけで完結する偲ぶ会も登場しました。オンラインならではの利点として、画面越しに遺族の表情を間近に見られたり、オンライン参加者同士でコメントを共有できる一体感があるという声もあります。
カジュアルな「お別れパーティー」形式
従来の葬儀のイメージにとらわれず、明るいお別れ会を企画する例も増えています。例えば参加者は平服どころかカラフルな服装でOKとし、好きな音楽を流して乾杯しながら思い出話をする「お別れパーティー」のような形です。実際、芸能人の偲ぶ会などではファンが思い思いの服装で集まり、映像や音楽を楽しみながら故人を偲ぶ会もあります。生前に「自分の時は明るく送り出してほしい」と遺言する方も増えており、それに応えるカジュアル形式の偲ぶ会が行われることもあります。
個性あふれる演出
前述の通り、献花の代わりにゆかりの品を捧げるなどユニークな演出も登場しています。他にも、故人の好きだった料理や飲み物を振る舞うコーナーを設けたり、ゲストに故人との写真を持ち寄ってもらい思い出ボードを作るなど、「その人らしさ」を表現する演出が好まれる傾向です。写真や動画スライドショーは定番ですが、最近は会場にプロジェクションマッピングを施したり、VR技術で思い出のシーンを再現する「VRお別れ会」なるものも登場しています。
プロデュースサービスの充実
お別れ会や偲ぶ会を専門にプロデュースする業者も増えました。葬儀社が提供するプランや、イベント会社が請け負うケースもあります。プロに任せることで、会場手配から案内状送付、当日の司会進行、映像制作、引き出物手配まで一括して行ってくれるため、遺族の負担が軽減されます。最近の調査では「葬儀とは別に改めて故人を偲ぶ場を提供したい」というニーズが高まっていることから、今後もこうしたサービスは一般化していくでしょう。
家族葬+偲ぶ会の定着
かつては通夜・葬儀を盛大に行うのが普通でしたが、今は近親者のみの家族葬で済ませ、後日に関係者を集めたお別れ会でお別れする流れが定着しつつあります。家族葬で香典や供花を辞退し、お別れ会では会費制で気軽に集まってもらう、といったスタイルも増えました。偲ぶ会 会費制の会はその一例です。参列者にとっても平日の葬儀に駆けつける負担が減り、週末など参加しやすい日に開催される偲ぶ会でお別れできるメリットがあります。
このように、お別れ会・偲ぶ会は時代とともに形を変えつつあるイベントです。大切なのは形式よりも故人を想う気持ちですので、どんな形であれ遺族や参加者の心に残るひと時になることが一番でしょう。
まとめ
お別れ会・偲ぶ会の最新マナーと注意点を詳しく解説しました。初めての参列で不安な方も多いと思いますが、マナーの基本さえ押さえておけば大丈夫です。大切なのは形より気持ちですから、故人への尊敬と感謝の気持ちを忘れずに行動すれば、きっとご遺族にも思いは伝わります。この記事を参考に、どうぞ心を込めて故人とのお別れの時間を過ごしてください。皆様の参列が、故人にとって何よりの供養になることでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。