「相続関係説明図は自分で作れるのか」「法定相続情報一覧図との違いは何か」——相続手続きの際に必要となるこの書類について、疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、相続関係説明図の意味・書き方・記載例から、必要書類の集め方、法定相続情報一覧図との違いまで解説します。
目次
相続関係説明図とは
相続関係説明図とは、被相続人(亡くなった方)と相続人全員の関係を家系図の形式でまとめた書類です。法務局への不動産登記申請時や、金融機関での口座名義変更・解約手続きに使用します。
相続関係説明図を添付すると、戸籍謄本の原本を返却してもらえるメリットがあります(原本還付)。複数の金融機関で手続きが必要な場合、戸籍の取り直しが不要になります。
相続関係説明図の書き方
記載する内容
相続関係説明図には以下の情報を記載します。
- 被相続人:氏名、最後の本籍地、最後の住所、生年月日、死亡日
- 相続人全員:氏名、住所、生年月日、被相続人との続柄
- 相続の種類:「相続」「遺産分割」「相続放棄」などの記載
書式とレイアウト
法律で決まった書式はありませんが、家系図形式でまとめるのが通例です。A4用紙に以下の要素を配置します。
- タイトル:「相続関係説明図」
- 中央上部に被相続人の情報を記載
- 線で結んで配偶者・子どもなど相続人を配置
- 各相続人の情報(氏名・住所・生年月日・続柄)を枠内に記載
記載例
相続関係説明図
被相続人 山田太郎(令和8年1月15日死亡)
最後の本籍 東京都新宿区○○一丁目2番3号
最後の住所 東京都新宿区○○一丁目2番3号
生年月日 昭和20年5月10日
━━ 妻(相続人)
山田花子
住所 東京都新宿区○○一丁目2番3号
生年月日 昭和23年8月20日
━━ 長男(相続人)
山田一郎
住所 東京都渋谷区△△二丁目4番5号
生年月日 昭和50年3月15日
━━ 長女(相続人)
鈴木(旧姓:山田)美香
住所 神奈川県横浜市□□三丁目6番7号
生年月日 昭和53年11月25日
手書きでもパソコン作成でも有効です。Word等のテンプレートを活用すると効率的に作成できます。
相続関係説明図に必要な書類
被相続人の戸籍謄本(出生〜死亡)
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を集める必要があります。本籍地が変わっている場合は、変遷先すべての市区町村役場から取得します。1通450〜750円程度です。
相続人全員の戸籍謄本
相続人が被相続人の戸籍に記載されていない場合は、相続人の現在の戸籍謄本も必要です。
住民票
被相続人の除住民票(最後の住所を証明するもの)と、相続人全員の住民票が必要です。
法定相続情報一覧図との違い
| 比較項目 | 相続関係説明図 | 法定相続情報一覧図 |
|---|---|---|
| 作成者 | 相続人が自分で作成 | 法務局が認証・発行 |
| 法的効力 | なし(参考書類) | あり(戸籍の代わりになる) |
| 費用 | 無料(戸籍取得費は別途) | 無料(戸籍取得費は別途) |
| 利用できる場面 | 不動産登記の原本還付請求 | 不動産登記・金融機関・税務申告等 |
| 再発行 | 不可(自分で再度作成) | 5年間何度でも無料で再交付 |
法定相続情報一覧図のほうが汎用性が高いため、相続手続きが複数ある場合は一覧図の取得をおすすめします。相続関係説明図は、不動産登記のみが目的の場合に適しています。
相続関係説明図を自分で作る手順
- 被相続人の戸籍を集める:出生から死亡まで連続した戸籍を取得
- 相続人を確定させる:戸籍から法定相続人を特定
- 相続人全員の住民票を集める:現住所の確認
- 相続関係説明図を作成する:家系図形式でA4用紙にまとめる
- 法務局に提出する:登記申請書に添付して提出
戸籍集めに最も時間がかかることが多く、本籍地の異動が多い場合は1〜2か月かかることもあります。
専門家に依頼する場合の費用
| 依頼先 | 費用の目安 | 対応範囲 |
|---|---|---|
| 司法書士 | 3万〜10万円 | 戸籍収集+説明図作成+登記申請 |
| 行政書士 | 2万〜5万円 | 戸籍収集+説明図作成 |
| 弁護士 | 5万〜15万円 | 相続トラブルがある場合 |
相続人が多い場合や、被相続人の本籍異動が複雑な場合は、専門家に依頼するほうが効率的です。
よくある質問
Q. 相続関係説明図は手書きでも有効ですか?
A. はい。手書きでもパソコン作成でも有効です。ただし、読みやすい字で丁寧に書くことが大切です。
Q. 相続放棄した人も相続関係説明図に記載しますか?
A. はい。相続放棄した人も記載し、その旨を「相続放棄」と注記します。
Q. 相続関係説明図にはんこ(実印)は必要ですか?
A. 相続関係説明図自体には押印は不要です。ただし、遺産分割協議書には相続人全員の実印と印鑑証明書が必要です。
まとめ
相続関係説明図は、戸籍情報をもとに相続人の関係を図にまとめた書類で、自分で作成できます。複数の手続きが控えている場合は、法定相続情報一覧図の取得も検討しましょう。
まずは被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めることから始めてください。
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