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寺院・公営・民営の墓地の種類と違い ― 特徴と選び方のポイント

アイキャッチ

親や配偶者の死をきっかけに、はじめて「お墓を選ぶ立場」になる方も多いのではないでしょうか。

霊園や墓地と一口にいっても、運営する主体によって特徴や制約が大きく異なります。寺院が管理する墓地、公営の霊園、民間企業が運営する霊園など、それぞれに申込条件や費用体系、宗教面でのルールがあります。

この記事では、「墓地とはそもそも何か」という基本から始め、墓地の種類選び方の違いを丁寧に解説します。

 墓地とは何か ― 基本のしくみを知る

お墓

普段の生活で「墓地」「霊園」について深く考える機会は少ないかもしれません。しかし、いざ家族の死に直面し、お墓を探す立場になると、その違いや制度の複雑さに戸惑う方も多いのが実情です。

この章では、まず「墓地とは何か」という根本的な問いから出発し、霊園との違い運営母体による区分管理制度のしくみをわかりやすく解説します。仕組みを知っておくことで、今後の検討や相談の場面でも迷いにくくなります。

墓地と霊園の違い

「墓地」と「霊園」は、日常会話ではほぼ同じ意味で使われることが多いですが、行政的には区別されています。

「墓地」とは、墓石や納骨施設などが設置された区画全体のことで、厚生労働省の定義でも「墳墓を設けるために設置された区域」とされています。一方で「霊園」は、墓地のうち、整備された公園型の施設や大型区画の呼称として用いられることが一般的です。

霊園という名前がついていても、その中にあるのは法的にはすべて「墓地」です。つまり、「霊園」は墓地の一種であり、見た目や運営形態による俗称といえます。

法律で定められた墓地と管理者の役割

墓地の設置や管理には、法律上の許可が必要です。日本では「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、自治体や都道府県知事の許可を受けた事業者のみが墓地を運営できます。墓地を設置できるのは、原則として次の三つです。

  • 地方自治体(=公営墓地)
  • 宗教法人(=寺院墓地など)
  • 公益法人などの公益性を持つ法人(=民営霊園の多くが該当)

ここで注意したいのは、株式会社のような営利企業が単独で墓地を設置できるわけではないという点です。

多くの民営霊園は、宗教法人や公益法人が名目上の設置者となり、運営や販売に民間企業が関与する仕組みをとっています。いずれの場合も、開設には都道府県知事(または政令指定都市の市長など)の許可が必要です。

参考 「墓地、埋葬等に関する法律」厚生労働省

日本における墓地の歴史と変化するニーズ

かつての日本では、先祖代々のお墓を家の近くに持ち、代々受け継いでいく「家墓(いえばか)」が主流でした。多くは菩提寺の境内に墓地を設け、檀家として供養を続ける形が一般的でした。

しかし、核家族化や都市部への人口集中によって、この慣習を保ち続けることが難しくなっています。

この流れの中で、地方自治体が管理する「公営墓地」や、宗教不問で利用できる「民営霊園」が増えました。さらに近年は、永代供養墓納骨堂といった、継承者がいなくても利用できる形式が注目されるようになっています。

これらも運営母体によって、制度や宗教的な性格に違いがある点は理解しておきたいところです。
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 墓地利用申し込みの流れ

墓地の「購入」とは土地を所有することではなく、その区画を使う「永代使用権」を得る行為です。購入と聞くと不動産のように土地を所有するイメージがありますが、実際には利用権を得るだけであり、この点を理解しておくことが大切です。

永代使用権を取得するためには、原則として次の手続きが必要です。

  1. 墓地を管理する団体に申し込む(使用者資格の審査あり)
  2. 永代使用料や管理料の支払い
  3. 使用許可証の発行(=墓地使用権)
  4. 墓石設置工事の申請と施工

ここでいう「審査」とは、墓地の種類に応じて利用条件を確認する手続きです。

公営墓地では自治体が住民票の有無などを確認し、寺院墓地では檀家かどうかをチェックします。民営霊園では、管理者が規約に基づいて利用者を受け入れる仕組みです。

公営墓地の場合は、条件を満たした人が多数にのぼるため、抽選によって利用者を決めるのが一般的です。募集も年に1回程度に限られることが多く、希望してもすぐに契約できないケースがあります。

墓地のしくみを理解するために

墓地は「誰が運営しているか」によって、申込方法、宗教的な制約、費用構造、維持管理の方針などが大きく変わります。たとえば、寺院墓地では檀家になることが前提となる一方、公営墓地では地域在住年数などの条件があります。

まずは「墓地とはどういう制度で成り立っているのか」を知ることで、今後の選択肢を整理しやすくなります。

寺院墓地の特徴

お寺

お寺が管理する墓地は、日本で古くから最も一般的な形といえます。地域の檀家制度と結びつきが強く、先祖代々その寺に墓を構える家庭も少なくありません。

この章では、寺院墓地を選ぶ際に押さえておきたい特徴を取り上げます。檀家になる必要の有無や宗派ごとの法要の違い、近年の変化などを整理し、利用を検討するときに理解しておきたい点を解説します。

檀家になる必要がある?

寺院の墓地に入る際、まず気になるのが「檀家にならなければいけないのか」という点です。多くの場合、寺院墓地の使用は檀家であることが前提とされます。檀家になると、年に数回のお布施や行事への参加が求められることが一般的です。

ただし、近年では檀家以外にも開放している寺院も増えています。少子化や檀家離れの影響で、新規の利用者を広く受け入れる動きが出ているため、必ずしも「入檀=条件」とは限らないのが現状です。
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宗派や法要のルール

寺院墓地を選ぶと、その寺の宗派の作法に従うのが基本です。

葬儀や法要といった公式の儀式は、その宗派の僧侶が執り行い、宗派特有の形式に沿って行われます。一方で、普段のお墓参りではそこまで厳格な作法を求められるわけではなく、家族が手を合わせたり花を供えたりすることは自由に行えます。

つまり、儀式は宗派のルールに基づきますが、日常の供養は形式にとらわれず続けられるというのが実際の姿です。

寺院で広がる永代供養墓と樹木葬

伝統的な墓石だけでなく、近年は寺院が永代供養墓樹木葬の区画を用意する例も増えています。これは、後継ぎがいない人や子世代に負担をかけたくない人の希望に応えるためであり、寺が運営しているからこそ宗教的な管理や供養が継続されるという安心感もあります。

その一方で、供養の方法や宗派の作法はあらかじめ定められているため、自由なスタイルを望む人にとっては選択肢が限られる場合もあります。
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寺院墓地を利用するときの注意点

寺院墓地を選ぶときは、まず費用管理ルールをしっかり確認しましょう。永代使用料だけでなく、年間管理料や法要のお布施など、さまざまな費用がかかります。

特に大切なのは、これから先も檀家として続けていけるかどうかです。もし子どもや孫の世代で檀家を継ぐのが難しくなった場合、将来的に墓じまいを考えなければならないかもしれません。

こうした不安を避けるためにも、契約する前に住職や寺務所とよく話し合い、条件をはっきりさせておくことをおすすめします。そうすることで、安心してお墓を持つことができるでしょう。
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仏教の信仰に根ざした寺院墓地

寺院墓地は、宗派とのつながりを重んじたい人に向いています。同じ寺で法要や供養を続けられる安心感がある一方で、費用の負担継承の難しさが課題になることもあります。

近年は檀家以外でも利用できる寺院や、永代供養樹木葬といった新しい形式を取り入れる寺院も増えてきました。それでも本質的には「宗派に支えられた供養の場」という性格が変わるわけではありません。

寺院墓地の利用を考えるときは、家族の信仰や将来の継承まで視野に入れて検討することが大切です。

公営墓地の特徴と注意点

公営墓地

自治体が運営する公営墓地は、公的機関による管理という安心感があり、多くの人にとって身近な選択肢です。宗教や宗派に関係なく誰でも利用できるため、寺院墓地よりも門戸が広いといえるでしょう。

ただし、人気が高いため抽選になることが多く、申し込んでもすぐには利用できないケースがほとんどです。

ここでは、公営墓地を利用するための申込条件をはじめ、費用の仕組み気をつけたいポイントについて詳しく見ていきましょう。

自治体が運営する公営墓地とは

公営墓地は、都道府県市町村が直接、または関連団体を通じて運営する墓地です。

最大の特徴は「宗教不問」であること。誰でも申し込めますが、多くの場合はその自治体の住民であることが条件となります。

法律に基づいて認可・管理されているため制度が安定しており、利用条件や募集方法も公開されるため透明性があります。民営に比べれば費用が抑えられることも多く、長期的に利用しやすい選択肢といえるでしょう。

申込条件と抽選制度

公営墓地は人気が高く、多くの地域で年に1回程度の募集が行われています。申込には以下の条件が設けられることが一般的です。

公営墓地の申込条件
  • 応募者本人または親族がその自治体に住んでいる
  • 過去に同じ墓地の使用権を持っていない
  • 埋葬の必要がある事情がある(例:納骨先が決まっていない)

応募多数の場合は抽選となり、当選してはじめて永代使用権を得られます。落選すれば次回募集まで待たなければならず、「今すぐにお墓を用意したい」という人には不向きな面もあります。

居住条件に注意

公営墓地の魅力は、宗派や宗教を問わず利用できることです。しかし、誰でも自由に申し込めるわけではない点に注意が必要です。 多くの場合、その自治体に住民票がある人だけが申し込み資格を持ちます。

また、転居してしまうと利用資格を失う可能性もあります。 たとえば、実家のある市の墓地を希望していても、現在別の市に住んでいる場合は申し込みできないケースがほとんどです。

ただし、自治体によっては親族がその市に住んでいれば申し込みを認めるところもあるため、事前に確認することが大切です。

費用面のメリットとデメリット

公営墓地の魅力のひとつは、永代使用料管理料が民営に比べて抑えられている点です。都市部でも、場合によっては民間霊園の数分の一の費用で利用できることがあります。このため、費用の負担をできるだけ軽くしたい人にとっては有力な選択肢となります。

一方で、料金が安い分だけ自由度は限られます。区画の広さや配置に選択肢が少なく、墓石のデザインや施工業者があらかじめ指定されることもあります。

費用を優先する人には向いていますが、デザイン立地にこだわる場合は制約を感じることもあります。申し込みの前に、自由度の範囲を確認しておくことが大切です。

公営ならではの条件と魅力

公営墓地は、費用の負担を抑えられ、自治体が運営する安心感もあります。

ただし、抽選制居住条件といった制約があるため、希望どおりに利用できるとは限りません。多くの自治体では年に1回程度しか募集がなく、申込者が多数の場合は落選してしまうことも珍しくありません。

特に早めに納骨先を決めたいときは、公営墓地だけに絞らず、寺院墓地や民営霊園も候補に入れて検討しておくことが現実的です。

民営霊園と新しい供養の形

お墓

民営霊園は、民間企業や公益法人が運営する墓地で、ここ十数年で大きく数を増やしてきました。

宗派にとらわれず誰でも利用できるため、寺院墓地に比べて門戸が広く、立地や区画のデザインを柔軟に選べる点が魅力です。規模の大きい霊園では、駐車場や休憩施設など利便性を高めた設備を整えているところもあります。

ただし、運営主体や契約条件によって費用や管理の仕組みは大きく異なります。指定石材店の有無や将来の承継制度など、利用者にとって重要な点は事前の確認が欠かせません。

この章では、民営霊園の特徴と注意点を取り上げ、寺院や公営墓地との違いを見ていきます。

民間企業が運営する霊園とは

民営霊園は、宗教法人や公益法人だけでなく、民間企業が主体となって運営する墓地です。設置には「墓地、埋葬等に関する法律」に基づく都道府県知事の許可が必要で、公認の施設として運営されています。

規模が大きいものが多く、駐車場休憩施設バリアフリー対応など設備が整っているのが特徴です。こうした利便性は、公営や寺院の墓地に比べて優れている場合もあります。

宗教不問であるため、特定の宗派に属していない人や家族で宗派が異なる人でも利用しやすい点も大きなメリットです。

石材店や販売制度との関係

民営霊園を検討する際に注意したいのが、石材店との関係です。

多くの霊園では「指定石材店制度」を採用しており、墓石工事を依頼できる業者があらかじめ決められています。この仕組みによって施工の質はある程度確保されますが、業者の競争が限られるため費用が高めになることもあります。

希望するデザインや予算に合うかどうかは、事前に確認しておかないと後で想定外の出費につながりかねません。申し込みの際には、利用できる業者追加費用の有無をしっかり確かめておくことが大切です。

石材店を柔軟に選べる場合は、複数業者から見積もりを取って比較検討しましょう。効率的に進めたい方は、墓石ナビなどの一括見積サービスを活用するのがおすすめです。

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樹木葬や納骨堂という選択肢

納骨堂

近年のニーズに応えて、民営霊園では樹木葬納骨堂を設ける例が増えています。これらは省スペースで利用できる区画が多く、管理は霊園が担うため、後継ぎが不要で子や孫の負担を軽くできるのが特徴です。

ただし、利用できる期間や供養の方法には霊園ごとの差があるため、契約前に内容を確認しておくことが欠かせません。
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民営霊園を選ぶときの注意点

民営霊園は選択肢の幅が広い一方で、運営者によって条件や内容に差が出やすいのが実情です。そのため契約前には、次のような点を確認しておくことが大切です。

契約前に確認したいポイント
  • 運営母体の経営基盤は安定しているか
  • 墓地使用権や管理料の条件は明確か
  • 将来の承継や墓じまいの制度はあるか
  • 指定石材店の利用が義務づけられていないか、または費用が想定以上に高くならないか

設備が整っていて利便性が高い霊園でも、石材店の条件によって思わぬ出費が生じることがあります。見学時には立地や施設の印象だけでなく、費用面の条件も含めて総合的に判断することが求められます。

とくに将来に備えて、墓じまいの制度があるかどうかを確認することは大切です。

近年、継承者不足から墓じまいを検討する人が増加傾向しています。わたしたちの墓じまいのように、離檀交渉・改葬・行政手続きなどをまるごとサポートするサービスも登場しています。

将来のさまざまな可能性を見据えて、柔軟に対応できる霊園を選びましょう。

多様な選択肢を持つ民営霊園

民営霊園は、公営や寺院墓地にはない特徴を持っています。

宗派や宗教を問わず利用でき、立地区画の種類デザインの自由度が比較的高い点は大きな魅力です。規模の大きな霊園では、駐車場や休憩所などの設備が整い、利便性に優れたところも多く見られます。

一方で、運営主体や契約条件によって費用や制度の内容に幅があるため、事前の確認が欠かせません。指定石材店制度管理料の設定承継墓じまいの仕組みなど、利用者にとって重要な条件は霊園ごとに異なります。

多様な選択肢がある分だけ、メリットと制約の両面を理解したうえで検討することが求められます。

 墓地を選ぶときに意識したいこと

お墓参り

墓地には、寺院・公営・民営といった運営母体ごとの特徴があり、それぞれにメリットと注意点があります。

  • 寺院墓地
    宗派に根ざした供養を続けられる安心感がある一方、費用や檀家制度、継承の負担が残る
  • 公営墓地
    費用が比較的抑えやすく、公的機関の管理で安心感がある。ただし抽選制や居住条件などの制約が多い
  • 民営霊園
    自由度や利便性が高く、樹木葬や納骨堂など新しい供養のスタイルも選べる。ただし、運営主体や契約条件によって費用や制度に差がある

いずれを選ぶにしても、重要なのは「自分や家族にとって何を優先するか」を明確にすることです。費用を抑えたいのか、宗派のつながりを大切にしたいのか、それとも自由度や利便性を重視するのか。希望を整理したうえで、実際に現地を見学し、管理者に条件を確認してから判断するのが現実的です。

将来の継承墓じまいまで見据えて選ぶことで、納得のいく形を見つけやすくなるでしょう。

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