「終活」と聞くと、なんとなく重く感じてしまう方も多いかもしれません。しかし、最初の一歩はもっと気軽で大丈夫です。
マンガや本で全体的なイメージや手続きの流れをつかみ、エンディングノートで自分のこととして整理する。そんな段階的な進め方なら、無理なく続けられます。
ここでは、読みやすく手に取りやすいマンガや本を厳選して紹介します。試し読みや公式サイトへのリンクもあるので、気になった作品から気軽にページを開いてみてください。
物語から入る終活の入口
終活手続きの解説本から始めると、気持ちがついていかず挫折してしまうこともあります。そんなときは、物語の中で登場人物の視点を借りて「自分ならどうだろう」と考えてみるのがおすすめです。
登場人物の感情に寄り添ったストーリーなら、自然と終活のイメージがつかめます。さらに、公式サイトで試し読みできる作品を選べば、肩の力を抜いてページをめくれるはずです。
等身大で響く『ひとりでしにたい』
35歳の学芸員が伯母の孤独死をきっかけに「終活」と向き合う物語。お金や暮らしの不安を避けずに描き出し、読者の心に寄り添います。
モーニング公式サイトで試し読みや既刊情報も確認できます。最初の一冊に迷ったら、この作品のリアルな視点が背中を押してくれるでしょう。
やさしく学べる『終活勇者』
勇者が老いて迎える最後の旅は「終活」への挑戦。別れや片付けといった現実的なテーマを、ファンタジーの世界観でやわらかく描いています。
第1話は各コミックサイトで公開されているので、雰囲気を確かめてから読み進められるのも魅力。気持ちの準備を自然に整えたい方にぴったりです。
読後に芽生える終活への気づき
物語に触れると、登場人物の心の動きが自分自身の未来と重なって見えることがあります。悲しみや不安も含めて描かれているからこそ、「終活は特別な人だけのものではなく、自分にも関わることなんだ」と実感できるのです。
本を閉じた後には、終活を遠い出来事としてではなく、もっと身近で前向きにとらえられるようになるでしょう。
はじめての終活ガイド～終活の疑問まるわかりQ&A集～
亡くなった後の手続きの道しるべ
大切な人を見送った直後は、悲しみや混乱で何から始めればよいのか分からなくなるものです。そんなときに役立つのが、必要な手続きを図やマンガでわかりやすくまとめた入門本です。
手続き全体の流れがわかるマンガと、図解入りで細かい内容を整理した実務書を組み合わせて読むと、理解が進みやすくなります。
マンガで流れを知る『マンガでやさしくわかる 親・家族が亡くなった後の手続き』
誰にでも起こりうる「身近な人の死後の流れ」を、マンガで時系列に沿って解説。感情に寄り添いながらも、制度や順序を自然に学べるのがうれしいポイントです。
手続きが初めての方でも理解しやすく、読み進めやすい一冊です。
相続をやさしく学ぶ『相続のことがマンガで3時間でわかる本』
税理士・弁護士・不動産鑑定士といった相続のプロが解説する本。各項目にマンガやイラストの解説があるため、相続の基礎を気軽に理解できます。
まずは全体を知っておきたいという方に最適です。
図解で全体像をつかむ『身近な人が亡くなった後の手続のすべて』
葬儀・保険解約・名義変更、相続税…といった多岐にわたる手続きを、図やチャートでわかりやすく整理。マンガだけでは拾いきれない細かな部分もしっかり把握できます 。
手続きを知ることで得られる安心感
亡くなった後の手続きは複雑で気持ちが重くなりがちですが、流れを整理した本を読むと「自分でも対応できそうだ」という安心感が芽生えます。
知識を持つことで漠然とした不安が薄れ、未来に向けて落ち着いた気持ちで備えを考えられるようになるでしょう。
葬儀の流れを知る⑥〜葬儀後の手続き〜
エンディングノートで想いをかたちにする
終活に必要な情報を手に入れたら、次は自分のこととして整理してみましょう。エンディングノートは、そのための便利なツールです。
自分の想いや情報を整理しておけば、家族が迷わず対応できるだけでなく、気持ちの整理にもつながります。選ぶときは「書きやすさ」「保存性」に加えて、「想いを伝える工夫」があるかにも注目しましょう。
書きやすさで選ぶ『エンディングノート〈もしもの時に役立つノート〉』
エンディングノートは、「書き始めやすさ」が大切。コクヨが手がける『エンディングノート〈もしもの時に役立つノート〉』は、にじみにくい用紙を使用しており、写真・データ用ディスクケースも付属しています。
書き残していく習慣づくりにぴったりの一冊です。
思いを伝える『エンディングノートのすすめ』
『エンディングノートのすすめ』（本田桂子 著／講談社）は、記録するだけでなく「なぜそれを書き残すのか」「家族にどう伝わるのか」まで丁寧に解説されています。
医療や葬儀、相続、そして家族へのメッセージまで、具体的で優しいアドバイスが詰まっているのが特徴。ノート自体が「想いを伝えるプレゼント」になります。
安心を支える『看取り医がつくった人生を大切に過ごすためのエンディングノート』
『看取り医がつくった人生を大切に過ごすためのエンディングノート』（田谷光一 著／文友舎）は、医療・介護の視点を踏まえながら、自分史や気持ちを書き残せる構成。
心と暮らしの両面を整えられるため、書くことで静かな安心感が得られます。
書き残すことで生まれる安心の備え
エンディングノートを通して自分の想いや情報を整理していくと、「自分がいなくなった後も家族が迷わずにすむ」という安心感が生まれます。ノートが「家族への思いやりをかたちにできる道具」だと感じられるはずです。
終活が堅苦しい準備ではなく、前向きな日常の一部として受け入れやすくなるでしょう。
はじめてのエンディングノート〜今から始める安心の備え〜
本を読むことから始める終活
マンガで登場人物の気持ちに寄り添い、実用書で手続きの流れをつかみ、エンディングノートで想いを形にする――本を通して段階的に進めることで、終活は「重いもの」から「自分にもできること」へと変わります。
終活は不安を増やすものではなく、これからを前向きに生きるための支えです。今の自分に合った一冊を手に取ることが、終活の最初の一歩になるでしょう。
