アフィリエイト広告を利用しています。広告掲載ポリシーはこちら

はじめて喪主を務める方へ|挨拶のポイントと文例

はじめて喪主を務める方へ|挨拶のポイントと文例

初めて喪主という大役を任され、不安や緊張を感じている方も多いでしょう。特に喪主の挨拶は、葬儀の場で遺族を代表し参列者へ感謝の気持ちを伝える大切なものです。

本記事では、喪主の基本的な役割から、挨拶を行う主な場面ごとのポイント、仏教式でのマナーや文例、他の宗教との違い、服装や話し方のマナー、さらによくある質問やNG例までを分かりやすく解説します。ポイントをしっかり押さえ、心を込めて感謝を伝えましょう。

喪主の役割とは?

喪主の役割とは?

喪主とは、葬儀の主催者として故人に代わり儀式全般を取り仕切る遺族の代表です。具体的には、各儀式において遺族を代表して僧侶や参列者へ挨拶を行う役割を担います。弔問を受け、参列者に謝辞を述べるのも喪主の重要な務めです。また喪主は、葬儀全体の打ち合わせや進行確認などやるべきことが多く、まさに葬儀の中心的存在といえます。初めて喪主を務める方は責任の重さに不安を感じるかもしれませんが、周囲のサポートを得ながら進めれば大丈夫です。

喪主の挨拶は本来、喪主自身が行うのが基本ですが、喪主が高齢であったり体調が優れない場合などは、喪主代理として近親者が代わりに挨拶するケースもあります。また会社の社葬など特殊な形では、喪主ではなく葬儀委員長が挨拶する場合もあります。一般的な葬儀では多くの場面で喪主挨拶が必要となりますので、次章で主なシーンを見ていきましょう。

喪主の挨拶が必要となる主な場面

喪主の挨拶が必要となる主な場面

喪主が挨拶を行うタイミングは、大きく分けて通夜、告別式、精進落としの3つがあります。葬儀の形式や地域によって多少異なることもありますが、一般的には以下の場面で喪主の挨拶が求められます。

  • 通夜(お通夜) – 通夜式終了後、または通夜振る舞い(通夜後の会食)の開始時・終了時

  • 葬儀・告別式 – 式典終了後(出棺前)

  • 精進落とし – 火葬後や初七日法要後の会食の開始時・終了時

上記が代表的な挨拶シーンです。このほか、火葬場でお別れの前に一言述べる場合や、初七日や四十九日法要の際に喪主が挨拶することもあります。いずれの場合も共通する基本は「遺族代表として感謝を伝えること」です。それぞれの場面で挨拶の目的や内容が少しずつ異なりますので、次に具体的な場面別のポイントを解説します。

各場面での挨拶の目的とポイント

各場面での挨拶の目的とポイント

喪主の挨拶は場面ごとに目的や伝える内容が異なります。ここでは通夜、告別式、精進落としの各シーンにおける挨拶のポイントと文例を紹介します。それぞれの場面で「何のために挨拶するのか」「どんな言葉をかけると良いのか」を押さえておきましょう。

通夜での挨拶

目的: 通夜(お通夜)では、急な訃報にもかかわらず駆けつけてくださった参列者への感謝と、翌日の葬儀日程の案内を伝えることが主な目的です。通夜式では僧侶の読経や焼香が終わり、僧侶が退席した後に喪主挨拶の時間が設けられます。遺族を代表し「本日はお忙しい中お越しいただきありがとうございます」という感謝の言葉をまず述べ、続いて「明日の葬儀のご案内(開始時刻や場所)」を簡潔に伝えます。また、通夜振る舞い(通夜後の軽いお食事)を行う場合は、その開始前に挨拶をして参列者をお迎えし、終了時にもお開きの挨拶をすることがあります。

ポイント: 通夜の挨拶は短く簡潔で構いません。悲しみで気持ちが動揺している中ですので、長いスピーチは不要です。参列者への深い感謝を一言伝え、「明日の告別式にもぜひお越しください」といった案内を漏れなく伝えましょう。特にお世話になった僧侶へのお礼も忘れずに添えるのがマナーです。例えば「本日はご住職様にも丁重なるご読経を賜り、厚く御礼申し上げます」など、一言お礼を述べると良いでしょう。では実際の通夜挨拶の例文を見てみます。

通夜の挨拶例(参列者への感謝と葬儀案内)

本日はご多用の中、故○○の通夜にお越しいただき、誠にありがとうございます。生前、故人が皆さまに支えられ、多くのご厚情を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。なお、明日は△時より□□にて告別式を執り行います。お時間の許す方は、最後のお見送りをしていただければ幸いです。簡単ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。

(ポイント解説:参列への感謝、故人が生前お世話になったことへの感謝、翌日の告別式の日時場所案内、結びの挨拶の順に述べています)

告別式での挨拶

目的: 告別式(葬儀)での喪主挨拶は、式に参列いただいたことへの感謝と、故人に代わって最後の御礼を伝えることが目的です。タイミングとしては、読経・弔辞・焼香など式中のすべての儀式が終了し、出棺の直前に行うのが一般的です。ここでは、参列者への謝辞に加え、故人の人柄やエピソードに触れて感謝する言葉や、遺族としてこれから故人の遺志を継いでいく決意などを述べると、参列者の心にも残る挨拶になります。

ポイント: まず最初に「本日はご多忙のところ、ご会葬いただき誠にありがとうございました」とお礼を述べます。その後に、故人が生前賜った支援や厚情への感謝、故人との思い出の一端や人柄を紹介するエピソードを交えて伝えると良いでしょう。ただし長い思い出話は不要です。あくまで感謝の気持ちを伝えることが最優先であり、話したいことはコンパクトにまとめます。また遺族の一人として「これからも家族で支え合っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします」といった今後のお付き合いのお願いを加えると、参列者への感謝と支援への期待を込められます。

挨拶の最後には、改めて参列者全員への感謝を述べて締めくくります。なお、出棺時には改めて喪主が参列者に向けて「皆さま、本日は誠にありがとうございました。故人もきっと喜んでいることと存じます」といった短めの謝辞を述べるケースもあります。葬儀場での挨拶のタイミングや段取りは、当日の葬儀担当スタッフが案内してくれることが多いので、不安な場合は事前に相談して確認しておきましょう。

告別式後の挨拶例(参列者への感謝と決意表明)

本日はご多忙の中、故○○の告別式にご列席いただき、本当にありがとうございました。○○は生前、皆さまのお力添えをいただきながら、穏やかに日々を過ごすことができましたこと、深く感謝申し上げます。これからも故人の思いを胸に、家族一同支え合いながら過ごしてまいる所存です。今後とも変わらぬご厚誼(こうぎ)※を賜りますようお願い申し上げます。
※ご厚誼…「ごこうぎ」と読み、厚い交誼=親しいお付き合いを意味する丁寧な表現。

(ポイント解説:「参列への御礼」→「故人が皆様に支えられて過ごせたことへの感謝」→「遺族としてこれからの決意」→「今後も変わらぬお付き合いのお願い」の順に構成しています)

精進落としでの挨拶

目的: 精進落としとは、火葬や初七日法要の後に行う会食のことです。喪主は精進落としの開始時に参列者への感謝と労いの言葉を述べ、終了時に締めくくりの挨拶をします。目的は、葬儀が滞りなく終わったことへの感謝と、故人を偲んで集まってくださった皆さんにゆっくり過ごしてもらうことのお願い、そして会食の場をお開きにする際に改めて感謝と今後のご案内をすることです。

ポイント(開始時): 火葬まで含めた一連の儀式が終わった直後ですので、まずは今日一日付き添ってくださったことへの厚い御礼を述べます。「本日は最後までお付き合いいただきありがとうございます。おかげさまで滞りなく葬儀を終えることができました」など、無事に式を終えられた安堵と感謝を伝えましょう。続いて「ささやかではございますが、お食事をご用意いたしましたので、故人を偲びつつごゆっくりお過ごしください」といった一言を添え、会食の場であることに触れます。

ポイント(終了時): 会食をお開きにする際には、改めて参列者全員にお礼を述べます。「本日は長時間にわたりお力添えいただき誠にありがとうございました。お陰様で無事に初七日まで済ませることができました」などと感謝しましょう。その上で、「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」と今後の変わらぬお付き合いのお願いを伝えます。もし四十九日法要の日程や場所がすでに決まっている場合は、このタイミングで「なお、四十九日の法要は〇月〇日に執り行う予定でございます。改めてご案内差し上げますが、ぜひよろしくお願いいたします」などと次の行事予定を案内しておくと親切です。

精進落とし開始時の挨拶例(感謝と会食の案内)

本日はお忙しい中、私たちと一緒に最後までお付き合いいただきありがとうございます。ささやかではございますが、故人を偲ぶ場としてお食事をご用意させていただきました。どうぞ故人を思い出しながら、ごゆっくりとお過ごしください。

(ポイント解説:参列者への感謝を述べ、準備した食事を故人を偲ぶための席として紹介し、ゆっくり過ごしてくださいと気遣う内容になっています)

精進落とし終了時の挨拶例(締めの挨拶):

本日は長時間にわたり誠にありがとうございました。おかげさまで無事に一連の儀式を終えることができました。まだ落ち着かない中ではございますが、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。以上をもちまして、本日の席を閉じさせていただきます。

(ポイント解説:参列への深い感謝と無事終えられたことの報告、今後の支援のお願いを述べて締め括っています)

以上のように、喪主の挨拶は場面ごとに若干内容は異なりますが、一貫して大切なのは「感謝の気持ち」を伝えることです。次章では、特に仏式(仏教のお葬式)における挨拶全般のマナーや基本的な構成についてまとめます。

仏教における挨拶のマナーと構成(文例あり)

仏教における挨拶のマナーと構成(文例あり)

日本の葬儀の多くは仏教式で行われます。仏式の葬儀で喪主挨拶をする際のマナーと基本的な挨拶文の構成を押さえておきましょう。ここでは、仏教の考えに沿った言葉遣いや挨拶文の例、注意点を説明します。

挨拶文の基本構成

仏教式の喪主挨拶は、一般的に次のような順序で構成するとスムーズです。

  1. 参列への感謝 – 「本日はご多用の中、お集まりいただき誠にありがとうございます」のように、まず参列者への御礼を述べます。

  2. 故人の紹介や生前のお礼 – 喪主と故人の続柄(長男・長女など)を簡単に自己紹介し、故人が生前に受けた厚情への感謝や故人の人柄が伝わるエピソードを一つ述べます。必要に応じて「〇月〇日に〇歳で永眠いたしました」など逝去の経緯に触れても構いません。

  3. 今後のお願い – 遺族を代表し、「今後とも変わらぬお付き合いをお願いいたします」のように、残された家族への支援やお付き合いをお願いする言葉を伝えます。仏教では「供養を続けてまいります」等と述べる場合もあります。

  4. 結びの挨拶 – 「簡単ではございますが、御礼の挨拶とさせていただきます」「本日は誠にありがとうございました」といった締めくくりの言葉で終わります。軽くお辞儀をして挨拶を終えましょう。

文例(仏式の一般的な喪主挨拶):

本日はご多用のところ、□□(故人名)の葬儀・告別式にご参列いただきまして誠にありがとうございます。ただ今ご紹介に預かりました○○(喪主自身の名前)で、□□の長男でございます。
生前、□□は皆様より格別のご厚情とお力添えを賜り、本人も大変感謝しておりました。この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
私ども遺族一同、□□の遺志を引き継ぎ、これからも協力し合って歩んでまいります。今後ともご指導ご支援のほどお願い申し上げます。
簡単ではございますが、まずは御礼かたがたご挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。

上記はあくまで一例ですが、仏式の挨拶では感謝の気持ちと丁寧な言葉遣いが何より重要です。特に仏教には葬儀の際に避けるべき特有の表現(忌み言葉)もありますので、次に言葉遣いのマナーを確認しましょう。

忌み言葉と避けるべき表現(仏式)

仏教の葬儀では、不吉さを連想させる忌み言葉重ね言葉は避けるのがマナーです。忌み言葉とは、葬儀の場にふさわしくない不吉な言葉や、死を直接連想させる表現のことです。以下に代表的な例を挙げます。

  • 不吉な言葉・直接的な表現:「死ぬ」「死亡」「急死」「四(死)」「九(苦)」「消える」など。これらはネガティブなイメージを与えるため、「逝去」「永眠」などの婉曲表現に言い換えます。例えば「急に亡くなった」は「急逝いたしました」、「生きていた頃」は「生前」と表現します。

  • 重ね言葉(不幸の繰り返しを連想させる表現):例:「重ね重ね」「ますます」「度々(たびたび)」「再び」「しばしば」「何度も」など。これらは「繰り返す」という意味合いから「不幸が重なる」ことを連想させるため避けます。「重ね重ね」は「深く」、「ますます」は「さらに/一層」などと言い換えると良いでしょう。

仏教式では一般的に「ご冥福をお祈りします」という表現を使いますが、浄土真宗という宗派では教義上「冥福を祈る」という考えがないためこの言葉は用いません。また、浄土真宗では故人はすぐに極楽浄土へ往生し仏様になると考えられているため、「御霊前」ではなく「御仏前」と表記するなどの違いがあります。もし故人やご遺族の宗派が浄土真宗である場合は、「ご冥福」など教義と異なる言葉は避け、「安らかなお眠りをお祈りいたします」など別の表現にしましょう。

挨拶の言葉選びでは、僧侶への敬称にも注意します。仏式では導師を務めたお坊さんに対し「○○寺ご住職 ○○様」あるいは「ご導師様」といった敬称で呼び、「ご読経を賜りありがとうございました」のように感謝の意を伝えます。挨拶の中か、あるいは式後に直接お礼を述べると良いでしょう。

以上が仏教式の喪主挨拶の基本マナーと構成です。次に、神道やキリスト教など他の宗教式の場合に押さえておくべき違いについて説明します。

他宗教(神道・キリスト教など)での挨拶の違いと注意点

他宗教(神道・キリスト教など)での挨拶の違いと注意点

葬儀は宗教ごとに作法や用語が異なります。喪主の挨拶も、宗教によって適切な表現や注意点がありますので、主な違いを押さえておきましょう。

  • 神道式の場合:仏教的な言葉を使わないことが最大のポイントです。神道では、人は亡くなると「祖先の神(氏神)になる」という考え方をします。したがって仏教で用いる「成仏」「冥福」「供養」「他界」といった言葉は不適切とされています。代わりに「御神前」「葬場祭」など神道独自の用語がありますが、喪主挨拶では宗教色の強い表現はできるだけ避ける方が無難です。例えば「故人の御霊(みたま)が安らかに神様のもとへ帰られますように」といった表現を使うことがありますが、参列者に異なる宗教観の方がいる可能性も考え、一般的には「本日は誠にありがとうございました。○○もきっと感謝していることと思います」程度に留め、宗教的な表現は控える場合もあります。

  • キリスト教式の場合:キリスト教の葬儀(お別れのミサや告別式)でも、基本は参列者への感謝が中心ですが、仏教由来の表現を使わないことが重要です。例えば「ご冥福をお祈りします」は仏教的な表現なのでキリスト教では使いません。「天国で安らかにお眠りください」「神の御許(みもと)に召されました」というように、キリスト教の信仰に沿った表現があります。ただし喪主挨拶では、特定の宗教観を押し付けるような内容にならないよう注意も必要です。キリスト教では死は「悲しみ」だけでなく「永遠の命の始まり」であり神による召命と捉えます。そのためあえてお悔やみの言葉を述べず、「○○との出会いを神に感謝します」といった前向きな言葉で故人との思い出に感謝する表現を使うこともあります。実際の挨拶では、「本日は皆様にお集まりいただき感謝いたします。○○は今、神様のもとで安らかに憩(いこ)っていることと存じます。生前に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます」など、故人が天に召されたことに触れつつ感謝を述べるケースが多いようです。

共通の注意点: いずれの宗教でも、重ね言葉や不幸を暗示する言葉は避けるのがマナーです。また、聞いている方が不快になる可能性がある表現(極端に教義に踏み込んだ話や、忌み言葉)は控えます。基本はどの宗教の葬儀でも「参列者への感謝」と「故人への想い」が伝わる挨拶を心掛ければ問題ありません。宗教ごとの細かなマナーに不安がある場合は、式を依頼した葬儀社や聖職者(神主や司祭など)に事前に相談し、適切な表現を確認しておくと安心です。

挨拶をする際の服装や話し方のマナー

挨拶をする際の服装や話し方のマナー

喪主は葬儀全体のホスト役ですから、服装や身だしなみ、挨拶時の話し方にも気を配りましょう。ここでは喪主の服装マナーと、挨拶するときの話し方・態度のマナーについて説明します。

男性喪主
服装のマナー(男性): 喪主は参列者より格式の高い服装をする習わしがあるため、正喪服または準喪服を着用するのが基本です。男性の場合、正喪服なら黒の紋付羽織袴やモーニングコート、準喪服なら黒のブラックスーツを着用します。現在ではモーニングを持っていない方も多いため、実際にはブラックスーツで務める喪主が増えています。ブラックスーツとは黒無地で光沢のない生地のスーツで、無地の白シャツに黒無地ネクタイを締めるのが正式です。靴下・靴・ベルトなど身につけるものは全て黒で統一し、光沢や派手な装飾のあるものは避けましょう。ネクタイピンやカフス等のアクセサリーも付けないか極力控えめにします。また寒い時期でも毛皮のコートは殺生を連想させますので着用を避けてください(フェイクファーであっても好ましくありません)。要するに、「できるだけシンプルで黒尽くめ」が男性喪主の服装のポイントです。

女性喪主
服装のマナー(女性): 女性の喪主も、正喪服または準喪服として黒い喪服を着用します。正喪服なら黒紋付の和装(着物)、準喪服なら洋装のブラックフォーマルスーツやワンピースです。いずれの場合も漆黒で光沢のない生地で仕立てられた服を選びます。洋装の場合は襟元や袖丈にも注意が必要です。スカートの丈は膝が隠れる長さ、袖も肘が隠れる五分〜七分袖が望ましいです。肌の露出を避けることで慎ましさを示します。また靴は光沢のない黒のプレーンパンプスを履き、肌色ストッキングではなく30デニール以上の黒いストッキングを着用します。アクセサリーは結婚指輪以外ほとんど避けますが、どうしても付ける場合は一連の真珠ネックレス程度に留めます(真珠は「涙」を象徴するとされ、二連以上は「不幸が重なる」イメージから避けます)。化粧も控えめにし、香水もつけません。髪型は派手にならないようまとめ、マニキュアやアクセントメイクは控えましょう。ハンドバッグも黒無地で光沢や金具の目立たないものを用意します。男性同様、動物の革・毛皮素材のものや派手なデザインの持ち物は避けるのがマナーです。

以上のように、喪主の服装は男女とも「できる限り正式な喪服で、シンプルかつ黒一色」を意識してください。喪主は弔問客を迎える立場ですから、きちんとした身なりで失礼のないよう心掛けましょう。

話し方のマナー: 挨拶を述べるときの態度や話し方も、聞き手に与える印象を左右します。ポイントは次の通りです。

  • 落ち着いた口調ではっきりと話す: 人前で話すのが苦手でも、できるだけゆっくり落ち着いた声で話すよう心がけましょう。参列者の方々は喪主の気持ちに寄り添い温かく見守ってくれていますので、緊張しすぎず自分のペースで大丈夫です。マイクがある場合は口元に適度な距離で添え、声が震えても小さくなりすぎないよう意識します。悲しみで声が詰まることもあるかもしれませんが、深呼吸して一区切りずつ丁寧に話せば気持ちは必ず伝わります。

  • 原稿を用意してもOK: 挨拶を全て暗記する必要はありません。喪主だからといってカンペ(原稿)を見てはいけないという決まりはありません。むしろ緊張で頭が真っ白になってしまうより、要点を書いたメモを手元に用意し読み上げる形にした方が安心できるなら、その方法で構いません。実際、多くの喪主が挨拶文をあらかじめ紙に書いて式に臨んでいます。手元のメモを見るときは、下を向きすぎず声がこもらないよう気を付けましょう。

  • 姿勢と所作: 挨拶時には壇上または参列者の前に立ち、背筋を伸ばして静かに話します。名前や感謝を述べる場面では軽く会釈したり、一礼するタイミングも大切です。終わりには「ありがとうございました」と述べ、深めのお辞儀をしてから席に戻ります。あまり硬く考えすぎず、真心を持って丁寧に対応すれば自然と礼儀正しい所作になるものです。

以上の点に気を付ければ、喪主の挨拶はきっと真意が伝わるものになるでしょう。

よくある質問(Q&A)と避けたいNG例

Q&A

 

最後に、初めて喪主を務める方が疑問に思いやすい点や、挨拶で避けるべきNG例をQ&A形式でまとめます。不安や疑問は事前に解消し、当日に備えましょう。

挨拶の長さはどのくらいが適切ですか?

1~3分程度が目安です。長すぎる挨拶は参列者に負担をかけてしまいますので、内容はできるだけ簡潔に1~3分以内に収めましょう。長くなっても5分以内には終えるよう心がけてください。伝えたいことが多くても、全て挨拶で話す必要はありません。どうしても伝えきれない想いがある場合は、式後に個別に声をかけてお礼を伝えるなどの方法でも十分気持ちは伝わります。


挨拶は暗記すべきでしょうか? 原稿を見ながら話しても失礼になりませんか?

原稿を見ながら話しても大丈夫です。むしろ大事なポイントをメモしておき、それを読み上げる方が緊張が和らぎ安心できるでしょう。参列者も喪主がメモを見て話すことに対して失礼だとは感じません。葬儀は突然のことで準備時間も限られますし、内容を忘れて黙ってしまう方が喪主自身も辛いはずです。適宜メモに目を落としながら、伝えたいことを落ち着いて話してください。大切なのは言葉の一つ一つに心を込めることであり、暗記かどうかは問題ではありません。


緊張や悲しみで声が出なくなったらどうすればいいですか?

深呼吸して落ち着く時間を取りましょう。悲しみで涙が込み上げ、言葉に詰まってしまうこともあるでしょう。そんなときは無理に話し続けようとせず、一度息を吸って落ち着きを取り戻してください。周囲も皆、故人を想う気持ちは同じですから、沈黙があっても見守ってくれます。どうしても難しい場合、傍にいる親族に肩に手を添えてもらうだけでも心強いでしょう。それでも話せない場合は無理せず、「申し訳ありません、少しお時間をください」と断ってから数秒間落ち着くのも一つの手です。途中で終えてしまっても、気持ちは十分伝わっています。完璧に話そうとしなくても大丈夫です。


挨拶にユーモアや余計なことは入れない方が良いですか?

基本的にユーモアや冗談は控えましょう。故人の人柄を伝える微笑ましいエピソード程度なら問題ありませんが、笑いを取ろうとするような発言は葬儀の厳粛な雰囲気にそぐいません。また故人や特定の方を茶化すような内容は絶対に避けるべきです。悲しみの場ではありますが、明るい思い出を語ること自体は悪いことではありません。ただし話し方はあくまでしめやかに丁重にを心がけ、軽すぎる口調にならないよう注意しましょう。


喪主挨拶で気を付けるべきNGワードやNG行動は何ですか?

忌み言葉や不適切な表現を使わないこと、そして聞き手を不安にさせる内容を避けることです。具体的なNG例としては以下のようなものがあります。

  • 過度に悲観的な表現や絶望感を与える言葉は避けましょう。「まだ若いのにこんな別れになるなんて…」といった発言は、聞く人によってはかえってつらさを増す可能性があります。悲しみは当然ですが、喪主挨拶では故人の死を過度に強調せず、できれば前向きな言葉で故人を偲ぶようにしましょう。

  • 宗教や思想に偏った表現も避けてください。例えば「○○は今ごろ極楽浄土で…」「天国で神様の御許に…」など特定の宗教観に踏み込みすぎた表現は、異なる信仰を持つ参列者もいることを考えると控えるのが無難です。挨拶では誰にでも伝わる感謝の言葉や励ましの言葉に焦点を当てましょう。

  • 参列者を不安にさせたり不快にさせたりする言葉は厳禁です。例えば「○○さんがいなくなって会社は本当に困っています」などといった発言は、聞く人によっては不安やプレッシャーを与えてしまいます。また「○○さんはいつも遅刻ばかりで…」のように故人の欠点を揶揄するような内容も絶対に避けましょう。挨拶は故人への感謝と参列者への感謝を伝える場です。否定的な内容や他者への批判・説教などは挟まないようにします。

  • その他のNG行動: 挨拶の最中にスマートフォンを見る、貧乏ゆすりをする、腕を組む・ポケットに手を入れる等の不作法な姿勢は厳禁です。服装マナーに反する派手な格好や香水も避けましょう。葬儀の場にふさわしくない言動を慎み、喪主として恥ずかしくない振る舞いを心掛けてください。

以上のポイントに注意すれば、大きな失敗は防げるはずです。万一言い間違いなどしてしまっても、深く気に病む必要はありません。大切なのは喪主として感謝の気持ちを真摯に伝えることです。その想いさえ伝われば、多少言葉が詰まったり順番が前後したりしても問題ありません。

まとめ

まとめ

初めて喪主を務めることに対して不安や重責を感じている方も多いかと思います。

葬儀は突然やってくることが多く、準備も心の整理もままならない中で進めなければなりません。喪主という役割も、「きちんと務めなければ」とプレッシャーを感じてしまうでしょう。しかし、完璧な挨拶でなくても大丈夫です。大切なのは形ではなく、真心と思いやりが伝わること。これまでに述べたように、感謝の気持ちを込めて一生懸命挨拶すれば、参列者にはきっとその気持ちが届きます。

当日は葬儀社のスタッフや周囲の親族が必ずサポートしてくれます。分からないことや不安なことは遠慮せず相談しましょう。式の進行もスタッフが合図をくれますので、一人で抱え込む必要はありません。

挨拶の途中で涙が出ても、深呼吸してゆっくり話せば大丈夫。参列者も皆、喪主の思いを理解し、見守ってくれます。故人を想う気持ちと、参列者への感謝の気持ちさえあれば、きっと温かく心に残る挨拶になるでしょう。心を込めて紡ぐ言葉は、故人への何よりの手向けになり、参列者の心にも深く響くはずです。

喪主は悲しみの中での大切な務めを果たすことになりますが、無理をせず、肩の力を抜いて臨みましょう。頑張りすぎず、自分らしい言葉で、故人と参列者への感謝の気持ちを伝えることが大切です。きっと故人も、安らかな場所から微笑みながら見守ってくれていることでしょう。

葬儀の依頼・相談・資料請求は小さなお葬式へ!24時間365日受付

0120-701-754

資料請求で最大3万円割引!