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跡継ぎ不要・管理不要のお墓とは?永代供養と納骨堂のすべて

永代供養と納骨堂のすべて

現代の日本では、家族の形やお墓のあり方が大きく変わりつつあります。少子化や核家族化により、「お墓を誰が守るのか」という悩みを抱える高齢者の方が増えています。従来は先祖代々のお墓を受け継ぐのが一般的でしたが、子どもが少なく遠方に住むケースも多く、お墓の後継者が不在になりがちです。その結果、お墓の継承や管理が難しくなり、「永代供養墓(えいたいくようぼ)」や「納骨堂(のうこつどう)」といった新しい供養の形が注目されています。本記事では、永代供養墓や納骨堂とは何か、メリット・デメリット、利用の流れ、費用感、選ぶ際のポイント、そしてよくある誤解について、やさしく解説します。

目次

現代の供養事情とお墓の悩み

お墓

少子高齢化・核家族化が進む今、お墓に関する悩みが増えています。かつては大家族でお墓を守り継ぐことが普通でしたが、今はお墓を継ぐ人がいない、あるいは子どもに負担をかけたくないという方が多くなりました。実際、「お墓の管理を寺に任せたい」と永代供養を検討する人が約9割にのぼるという調査結果もあります。背景には、長寿化でお墓の管理が体力的に難しくなること、子ども世代が遠方に住んでいること、さらには都市部の墓地不足もあります。

都市部では土地が限られ、郊外の墓地まで出向くのも高齢者には大変です。そのため駅に近く天候に左右されにくい屋内型の納骨堂が増えており、都会で暮らす人々のニーズに合致しています。また、最近は古いお墓を整理して墓じまいし、遺骨を新しい供養先に移すケースも増えてきました。こうした状況の中で登場したのが、永代供養墓納骨堂といった、新しいタイプのお墓なのです。

永代供養墓とは何か?

永代供養墓

永代供養墓とは、簡単に言えば「お寺や霊園が遺族に代わって永続的に供養や管理をしてくれるお墓」のことです。通常のお墓では、遺族がお参りや掃除、管理を続けていく必要があります。しかし永代供養墓では、お墓の管理や法要(ほうよう:供養の儀式)を寺院や施設側がずっと行ってくれるため、後継ぎがいなくても安心です。法律上の明確な定義はありませんが、一般的には「遺族の代わりに供養・管理を行うお墓」と理解されています。

永代供養墓にはいろいろな形がありますが、多くは合同のお墓合祀墓ごうしぼ)や集合墓といった形で、他の方の遺骨と一緒に安置されるスタイルです。最初は個人ごとに骨壺を安置し、一定の年数後(例:33回忌や50回忌の頃)に合同のお墓にまとめられるケースが一般的です。たとえば「○○霊園 永代供養墓」のように、最終的には合祀される前提のお墓になります。永代供養墓ではお墓の承継者(引き継ぐ人)が不要なので、「自分の代でお墓を終わらせたい」「子供に迷惑をかけたくない」という方に選ばれています。

なお、「永代供養」という言葉はお墓の形態ではなく供養の仕組みを指します。後述する納骨堂のように、永代供養付きの施設も多く存在します。

納骨堂とは何か?

納骨堂

納骨堂とは、「ご遺骨(火葬後の遺骨)を安置するための屋内施設」のことです。お寺や霊園の中に建てられた建物で、遺骨を骨壺や箱に入れて個別に保管します。イメージとしては、屋内にあるお墓と考えるとわかりやすいでしょう。雨風にさらされる屋外墓石と違い、屋内にあるため天候を気にせずお参りできるのが特徴です。

納骨堂にはいくつか種類があります。たとえば、ロッカーのような棚に骨壺を収めるロッカー式、仏壇のようなスペースに遺骨を安置し位牌(いはい:故人の名前を書いた木牌)や仏像を置ける仏壇式、カードをかざすと自動で遺骨が参拝ブースに運ばれてくる自動搬送式などです。どのタイプも、限られたスペースに多くの遺骨を収蔵できるため、都市部で増えているお墓のスタイルです。屋内型のためバリアフリー設計の施設も多く、高齢者でも車椅子で安心してお参りできるところが増えています。

重要な点は、納骨堂そのものは「建物(ハード)」であり、永代供養は「サービス(ソフト)」だということです。両者は本来別物ですが、最近では永代供養付きの納骨堂が主流になっています。つまり、納骨堂という屋内施設を利用しつつ、その管理・供養は永代にわたり施設側が行ってくれる仕組みです。これによって、跡継ぎがいなくても供養が続けられる安心感が得られるため、多くの方に選ばれるようになっています。

永代供養墓・納骨堂のメリット

永代供養墓や永代供養付き納骨堂には、従来のお墓と比べて様々なメリットがあります。主なものを挙げてみましょう。

後継者がいなくても安心

お寺や霊園が供養・管理をしてくれるため、お墓を継ぐ人がいなくても大丈夫です。子どもや親族に墓守の負担をかけずに済み、「自分が亡き後のこと」を心配する気持ちが軽減します。

管理の手間がかからない

雑草抜きや墓石の掃除、水桶の用意など、一般のお墓に必要なお手入れが不要です。高齢で体力に自信がない方でも、お墓が荒れる心配なく安心して任せられます。ある調査では、納骨堂を選んだ理由の1位が「管理が容易だから」でした。

費用を抑えられる

新たに墓地を購入し墓石を建てる場合、総額100~300万円ほどかかるのが一般的です。一方、永代供養墓や納骨堂は墓石を建てない分だけ初期費用が安く平均30~70万円程度が相場とされています。実際、納骨堂利用者の約46.8%が「費用を抑えられる」点をメリットに挙げています。中には数万円から利用できる合祀墓もあり、経済的負担を大きく減らせるのは魅力です。

お参りがしやすい

納骨堂は都市部のアクセスの良い場所にあることが多く、駅から近かったり駐車場が整っていたりします。また屋内型なら天候や季節を問わず快適にお参りできます。ある調査でも「お墓参りがしやすい」点をメリットに挙げた人が45.1%いました。高齢になっても無理なく通える場所にあるのは大きな安心材料です。

宗教や宗派を問わず利用できる

多くの永代供養墓や納骨堂は、宗教・宗派不問で利用できます。例えば「実家は仏教だけど自分は無宗教」「夫婦で宗派が違う」といった場合でも受け入れてもらえるケースが多いです。事実、16.1%の人が「宗教や宗派の制約がないこと」を納骨堂を選んだ理由に挙げています。ただし寺院が運営する場合、法要(法事)はその寺院の宗派の形式で執り行われることがあります。

以上のように、永代供養墓や納骨堂は「便利で安心なお墓」と言えます。管理の手間がないことや、跡継ぎ問題の解決策になることが特に高く評価されています。

永代供養墓・納骨堂のデメリット

便利で負担の少ない永代供養墓・納骨堂にも、注意すべきデメリットや制約があります。検討する際には次のような点も理解しておきましょう。

参拝できる時間に制限がある

納骨堂は建物の開館時間が決まっている場合が多く、24時間自由にお参りすることはできません。夕方以降や早朝は閉館していたり、施設によっては予約制の所もあります。これにより「好きなときにふらっとお墓参り」とはいかず、不便に感じる方もいるでしょう(実際、「思ったより参拝のルールが厳しかった」という声もあります)。

いずれ他の遺骨と合祀される可能性

永代供養墓や納骨堂では、一定期間後に遺骨を合同の墓に移す(合祀する)ケースが一般的です。例えば「33回忌まで個別安置し、その後合祀」といった契約になっていることが多く、ずっと個別の場所で安置し続けるわけではありません。故人の遺骨が将来他の方と一緒になることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。合祀されるタイミング(17回忌、33回忌など)は施設によって異なるため、事前に確認が必要です。

遺骨を取り出せなくなる場合がある

一度納骨すると、施設によっては後で遺骨を取り出せないことがあります。特に合祀された後は遺骨を個別に取り出すことはほぼ不可能です。将来的に「やっぱり別の供養先に移したい」と思っても、タイミングによっては改葬(他の墓への移動)ができなくなる可能性があります。多くの施設では、合祀される前の一定期間内であれば改葬が可能ですが、事前申請や費用が必要な場合もあるので契約前に確認しましょう。

「お墓らしさ」が少ないと感じる人も

永代供養墓や納骨堂には立派な墓石がない分、従来のお墓に比べて見た目がシンプルです。屋内のロッカーやプレートだけだと、「先祖代々のお墓」という雰囲気が薄く、寂しいと感じる方もいるでしょう。お線香を焚いたり、お花を供えたりするスペースが限られる施設もあります。「やっぱり青空の下に建つお墓に眠りたい」といった従来型へのこだわりが強い方には、物足りなく映るかもしれません。

家族全員を一緒に納骨できない場合も

一般のお墓は一家で代々使える場合が多いですが、納骨堂では契約ごとに安置できる人数や骨壺の数が決まっていることがあります。夫婦で一緒に申し込めるプランや、複数区画を契約して家族で利用する方法もありますが、何世代にもわたって利用し続けるスタイルではありません。将来、子や孫世代まで同じ場所に…と考えている場合は、プラン内容をよく検討する必要があります。

このように、永代供養墓・納骨堂は万能ではなく、人によってはデメリットと感じる点もあります。ただし事前に特徴を理解し対策しておけば、多くのデメリットは受け入れ可能な範囲に抑えられるでしょう。次章では、実際に「どんな人に向いているか」を考えてみます。

永代供養墓・納骨堂はどんな人に向いている?

永代供養墓や納骨堂が向いているのは、次のようなケースに当てはまる方です。

お墓の後継ぎがいない・頼れない

子供がいない、いても娘しかおらず将来嫁ぎ先の墓に入る、子供が遠方在住または国外在住でお墓を守れない、といった場合に適しています。跡継ぎがいなくても供養してもらえるので安心です。

子供に負担をかけたくない

「自分のために子供に面倒を見させるのは忍びない」と考える方にも向いています。永代供養なら子供世代がお墓の管理に悩む必要がなく、定期的なお参りさえ無理のない範囲でしてもらえれば十分だからです。

体力的・距離的に墓参が難しい

実家のお墓が遠方にあり高齢になると通えない方、車が運転できなくなった方、足腰が弱ってきて墓地の坂道や段差が辛い方にも、アクセスの良い納骨堂は適しています。都市部の駅近くや平坦な場所にあることが多く、館内もバリアフリー対応なので高齢になってもお参りしやすいでしょう。

お墓の維持費や建立費を抑えたい

経済的に大きな負担をかけられない場合も、永代供養墓・納骨堂は有力な選択肢です。墓石を建てる費用やその後の管理費を考えると、初期費用が抑えられ年間管理費も安い(または不要な)プランは魅力的です。

墓じまいを検討している

今あるお墓を片付けて改葬先を探している場合、新たに永代供養墓や納骨堂に移すことで、将来的な不安を解消できます。遠方のお墓よりも都心の納骨堂に移せば、自分も子供もお参りに行きやすくなります。実際に田舎のお墓をしまう(墓じまいする)人が増えていることも、都会の納骨堂普及の一因です。

夫婦・個人でお墓を準備したい

従来は「○○家之墓」といった家のお墓が主流でしたが、昨今はお墓を家族ではなく個人単位で考える人も増えています。子供とは別に、夫婦二人だけのお墓を用意したり、自分一人の終の棲家を準備したいというケースですね。永代供養墓や納骨堂は「お墓=家のものではなく個人のもの」という新しい考え方にもマッチしています。

以上のような方々にとって、永代供養墓や納骨堂は安心で現実的な選択肢となります。逆に言えば、「代々のお墓を守ってほしい」という強い希望がある方や、大家族で今後もお墓を継いでいける環境にある方は、無理にこれらに変える必要はないでしょう。

一般のお墓(一般墓)との違い

お墓

永代供養墓・納骨堂と、従来型の一般墓(家のお墓)との違いをまとめてみます。

継承の前提

一般墓は子や孫への継承を前提にしています。墓地を購入する際も「永代使用料」を払い、代々使っていくことが期待されます。しかし永代供養墓・納骨堂は継承者不要で、跡取りがいなくても問題ありません。承継の負担がない分、子孫にとっては身軽なお墓と言えます。

管理と供養

一般墓では、墓石の手入れや法要の手配など家族が管理・供養します。一方で永代供養付きのお墓では寺院や霊園が管理・供養を代行します。たとえばお彼岸や命日には施設側が合同供養を行ってくれることが多く、家族が集まれなくてもきちんとお経をあげてもらえる安心感があります。

費用面

前述のとおり、一般墓は墓地の永代使用料・墓石代・工事費などまとまった初期費用が必要です。平均すると150万円前後ともいわれます。さらに毎年、管理費(数千~1万円程度)を払い続ける必要があります。永代供養墓・納骨堂は初期費用が低め(数十万円程度が中心)で、管理費が不要か安価な場合が多いです。ただしプランによっては年間費用がかかることもあるので要確認です。

お参り環境

一般墓は主に屋外の墓地にあります。青空の下で手を合わせられる反面、雨の日や真夏・真冬は大変です。また郊外に立地する墓地も多く、移動が高齢者には負担になることも。一方、納骨堂は屋内にあり天候の影響なし、立地も都市部中心でアクセス良好という違いがありますoohaka.jp。そのぶん参拝のハードルが低く、頻繁にお参りしやすい利点があります。

収容人数と期間

一般墓はひとつのお墓に家族何人でも埋葬可能(お骨がいっぱいになれば土に還すなどしながら代々使う)ですが、永代供養墓・納骨堂は契約ごとに安置できる人数が限られる場合があります。また、永代供養墓では個別安置の期間が区切られておりoohaka.jp、その後は合祀となります。一般墓であれば家族が続く限り半永久的に使用できますが、永代供養の場合は施設側が定める期間で区切りがある点が異なります。

墓石の有無

一般墓には石碑(墓石)が建ちますが、永代供養墓や納骨堂では基本的に個人ごとの大きな墓石は建てません。墓誌やプレートに名前を刻む程度で、豪華なお墓を建立する文化とは異なるスタイルです。そのため、「立派なお墓を建ててあげたい」という考えをお持ちの場合は一般墓の方が望ましいかもしれません。

以上のように、伝統的なお墓と比べると費用・管理・継承・環境など様々な違いがあります。一長一短ではありますが、現代のライフスタイルには永代供養墓や納骨堂の方が合っているという方も多いのではないでしょうか。

費用感と具体的な価格例

葬儀の価格

お墓選びで気になるのが費用です。それぞれどのくらいの費用がかかるのか、目安を示します(地域や施設、プランによって変動しますので参考程度にしてください)。

一般墓の費用相場

前述のとおり、土地代(永代使用料)と墓石代等を合わせて総額100~300万円前後が一般的です。ある調査では平均約150万円(永代使用料約47万円+墓石代約97万円)というデータもあります。この他に年間数千~1万円程度の管理費がかかり、生前から建墓すると墓石の維持費なども発生します。都市部の公営霊園などは倍率が高く、民間霊園では区画によって金額が大きく異なります。

納骨堂の費用相場

一人あたり30~70万円程度がボリュームゾーンです。ただし設備の新しさや場所(都心の一等地か郊外か)、収容人数によって、10万円未満から150万円以上と幅があります。平均的には一契約あたり約80万円ほどというデータもあります。納骨堂の場合、年間管理費がかかるところもあり、相場は年間0~2万円程度です。管理費不要のプランも増えていますが、管理費込みの方が初期費用を抑えられるケースもあります。

永代供養墓の費用相場

納骨堂以外の永代供養墓(屋外の合祀墓など)であれば、より低価格なプランも多いです。たとえば最初から合祀するタイプの永代供養墓は、一霊位あたり3~5万円程度から利用可能なところもあります。個別区画がある永代供養墓(一定期間個別埋葬できるタイプ)では、10万~50万円前後の初期費用が一般的でしょう。期間終了後は合同墓に合葬されることまで含めた料金です。こちらも施設によって年間護持会費や納骨料が別途かかる場合があります。

具体例として、都市部のある納骨堂では1名用ロッカータイプが50万円、夫婦用で80万円、家族4名まで入れる区画で120万円という設定がありました。また郊外のお寺の永代供養墓では、13回忌まで個別安置プランが30万円、最初から合祀なら5万円という価格例もあります。費用は供養内容(個別期間の長さや法要の有無)、立地、収容人数で大きく変わりますので、複数の施設の資料を取り寄せて比較検討するとよいでしょう。

ポイント
費用を見る際は、「永代供養料(永代にわたる供養の料金)が含まれているか」「プレート刻名料は別か」「骨壺のサイズ制限」「何年目以降に追加費用が発生するか」などをチェックしてください。中には分割払いに対応してくれるところもありますので、一括払いが難しい場合は相談してみるのも手です。

申し込みから利用までの流れ

実際に永代供養墓や納骨堂を利用する場合、どのように進めればよいのでしょうか。一般的な手続きの流れをステップ形式でご紹介します。

1.資料請求・情報収集

まずは興味のある霊園や寺院、納骨堂の資料を取り寄せたり、ウェブサイトで情報収集します。複数の候補を比較検討することが大切です。立地(最寄り駅からの距離、駐車場の有無)、費用(基本料金・管理費など)、設備やサービス内容(バリアフリーか、参拝ブースの有無)、開館時間や休館日などを調べ、自分の希望条件に合うか確認しましょう。

2.現地見学・相談

資料である程度候補を絞ったら、実際に現地を見学しましょう。事前に予約が必要な場合も多いので、電話やネットで見学予約をします。施設の雰囲気や清潔さ、職員の対応などを自分の目で確かめることが大切です。可能であればご家族と一緒に訪れ、質問や不安点をメモしておきましょう。現地ではアクセス経路や周辺環境(騒音はないか、近くにお花屋さんがあるか等)もチェックポイントです。

3.申し込み・契約

利用する施設を決めたら、所定の申込書に必要事項を記入して契約手続きを行います。契約時には以下の点を改めて確認しましょう。

    • 費用総額と支払い方法: 契約金額に何が含まれるか(永代供養料・納骨料・彫刻代など)を確認し、一括払いか分割払いか選びます。年間管理費がある場合はその額と支払い年数も確認します。

    • 個別安置期間と合祀時期: 遺骨を個別に安置してもらえる期間が何年(または何回忌)までか、その後はどのように合祀されるか。期限後は遺骨を取り出せなくなるケースが多いので、改葬を考える可能性があるなら個別期間内に判断する必要があります。

    • 利用規則: 参拝時間のルール(夜間は不可等)、法要の有無、追加で費用が発生しうるケース(たとえば戒名の彫刻追加など)を確認します。契約書や利用規約をしっかり読み、不明点は職員に質問しましょう。

4.納骨式・安置

契約後、実際に遺骨を納骨堂や永代供養墓に納める儀式(納骨式)を行います。既にご家族の遺骨が手元にある場合は、住職やスタッフ立会いのもと所定の場所に安置します。一般的に納骨式ではお経をあげてもらい、焼香などの簡単な法要を行います。その際に準備するものの例として、遺骨(骨壺)位牌(希望者のみ)故人の戒名(かいみょう:仏教での亡き人の名前)を書いた紙や軸認印、そしてお世話になるお寺へのお布施などがあります。服装もできれば喪服かそれに準じた礼服が望ましいでしょう。納骨の作法や必要な持ち物は事前に先方に確認しておくと安心です。

5.アフターケア・お参り

納骨した後も、定期的にお参りを続けることが大切です。永代供養の場合、基本的な供養は施設側が継続して行ってくれますが、可能であればご家族もお彼岸や命日などに足を運ぶと良いでしょう。施設によっては春秋のお彼岸やお盆に合同法要を開催してくれるところもあります。そうした行事の案内が届いたら、ぜひ参加して手を合わせましょう。また、契約から長い年月が経つと合祀の時期がやってきます。その際は事前に通知が来ることが多いので、最終的に他のお墓に移す予定がないか再確認し、気持ちの準備をしておくとよいでしょう。

以上が大まかな流れです。生前に契約だけ済ませておき、実際の納骨はご逝去後に遺族が行う、という形も増えています(生前契約と呼ばれます)。ご自身で元気なうちに手続きしておけば、残された家族が戸惑わずに済みます。逆に、故人が亡くなってから急いで探す場合でも、上記の手順を踏めばスムーズに進められるでしょう。

選ぶ際のチェックポイントと注意点

後悔のないお墓選びのために、永代供養墓・納骨堂を選ぶ際には以下のポイントを確認しましょう。

個別安置期間の長さ

遺骨を個別に安置してくれる期間が何年かは重要です。17回忌(17年後)や33回忌(32年後)など区切りは施設によって異なります。期間終了後、合祀される際に名前がどう表示されるか(合同墓碑に刻名されるかなど)も確認しておきましょう。

費用と支払い方法

初期費用に何が含まれるか、追加費用の有無をチェックします。年間管理費がかかる場合、その総額や支払い年数も把握しましょう。「思ったより費用がかかった」という後悔の声もありますので、支払いは一括か分割か、将来値上げの可能性はないかまで確認できると安心です。

参拝ルールと設備

参拝可能な日時や手順も確認ポイントです。開館時間・休館日、夜間や早朝の参拝は可能か、事前予約が必要ないかを調べましょう。また駐車場の有無や館内のエレベーター等バリアフリー対応も高齢の方には大切です。現地見学の際には、施設の清潔さや案内表示のわかりやすさ、トイレの場所なども確認しておくと良いでしょう。

宗教・宗派の取り扱い

自分の信仰やお家の宗派で利用できるかを確認します。多くは宗派不問ですが、寺院運営の場合はその寺の宗派の作法で供養祭事が行われます。無宗教可かどうか、キリスト教式の納骨に対応しているかなど、希望があれば事前に伝えておきましょう。

遺骨の取り出し可否

将来、他の墓に移す可能性があるなら改葬が可能か確認必須です。何年以内なら取り出せるか、手続き方法や手数料はどうかを聞いておきます。逆に「永代供養だから改葬できない」という誤解がありますが、個別安置期間内であれば移動できる場合も多いので安心してください。

運営主体の信頼性

永代に供養を任せる以上、その施設や寺院が長く存続するかは気になるところです。運営母体の実績や財政状況、創業からの歴史なども判断材料になります。こればかりは素人には分かりにくいですが、例えば自治体が運営する公営納骨堂や、大手石材店が手掛ける霊園、由緒あるお寺などは比較的安心でしょう。万一施設が閉鎖される場合の対応(他所の合同墓に移すなど)が約款でどう定められているかもチェックポイントです。

現地見学での印象

可能な限り現地を自分の目で確かめましょう。施設の清潔さスタッフの丁寧さ、利用者の表情など、生の雰囲気は重要です。「ここなら大事な家族を預けられる」と思えるか、自分のフィーリングも大切にしてください。

こうしたチェックを怠らなければ、「こんなはずじゃなかった…」という失敗を防げます。実際、ある調査では納骨堂購入者の約54.2%が何らかの想定外を経験したといいます。例えば「思ったよりアクセスが不便だった」「費用が追加でかかった」「他の利用者がお参りしている様子がなく寂しい」などです。契約前に疑問は全て解消し、複数比較して納得できるところを選びましょう。

よくある誤解とQ&A

最後に、永代供養墓や納骨堂にまつわるよくある誤解や疑問点をQ&A形式で整理します。

「永代供養」と「永代使用」は同じ意味?

違います。永代供養は上述の通り、寺院等が永続的に供養・管理してくれる仕組みのことです。一方で永代使用は、お墓の区画(土地やスペース)を期限を設けず使用できる権利のことです。永代使用料は土地を借りる費用であり、供養をしてくれる料金ではありません。混同しやすいですが、永代使用権を買って一般墓を建てても、遺族が供養しなければ無縁墓になってしまう点に注意しましょう。


「永代」とつくからには永久に遺骨を個別管理してもらえるの?

必ずしも永久(えいきゅう)ではありません。ここでいう「永代」とは「長い年月にわたって」という意味合いであり、施設や寺院が存続する限り供養しますというニュアンスです。実際には前述したように一定年数後に合祀されるのが普通ですし、施設側の事情で将来変更が生じる可能性もゼロではありません。ただ、何十年もの長期間にわたり手厚く供養してもらえることは確かです。契約時にしっかり説明を受け、内容に納得した上で利用するようにしましょう。


子供がいる人は永代供養を選べないの?

いいえ、そのようなことはありません。お子さんがいても永代供養墓・納骨堂を選ぶ方は増えています。理由は「子供に面倒をかけたくない」「娘しかおらず将来は別のお墓に入るから」など様々です。むしろ、将来子供世代がお墓の維持に困らないよう、親の代で永代供養のお墓にしておく家庭もあります。お子さんが了承していれば問題ありませんし、最近では家族皆で納骨堂に入るプランもあります。大切なのは事前に家族とよく話し合うことです。


永代供養墓に入ったら、もう家族は何もしなくていいの?

基本的な供養や管理は施設側が行ってくれますが、可能であれば家族も節目にはお参りしたり、法要に参加することをおすすめします。永代供養だからといって「お任せしっぱなし」で良いというわけではありません。お寺や霊園の方も、ご遺族がときどきお参りに来てくれる方が故人も喜ぶと考えています。お墓が遠方にある場合と比べて負担は格段に減っていますので、ぜひ出来る範囲で向き合ってあげてください。


納骨堂を契約したけど、将来やめたくなったらどうすればいいの?

納骨堂を解約して遺骨を取り出す(他のお墓に移す)ことを改葬(かいそう)と言います。多くの納骨堂では個別安置期間内であれば改葬は可能です。手順としては、新しい受け入れ先(他の霊園や実家のお墓など)を用意し、市区町村役場で改葬許可証を取得してから、納骨堂側に遺骨の返還を依頼します。一度合祀されてしまうと遺骨の区別がつかなくなるため取り出せませんが、それまでは対応してもらえるケースがほとんどです。ただし、契約時に一時預かり金の返金有無や違約金などの規約がある場合もあるので、事前に契約内容を確認しておきましょう。


以上、永代供養墓や納骨堂についての素朴な疑問と回答でした。これらを踏まえてもまだ不安な点があれば、遠慮なく施設の担当者に尋ねてみると良いでしょう。「こんなこと聞いていいのかな?」と思うことでも、皆さん同じように疑問に思うポイントだったりします。納得してから契約することが何より大切です。

おわりに

少子化や核家族化が進む中、永代供養墓や納骨堂は現代のニーズに合った新しいお墓の形として広まりつつあります。都市部に住む高齢者の方々にとって、「自分たちの代でお墓をきちんと完結させておきたい」「子供に心配を残したくない」という願いを叶える選択肢と言えるでしょう。管理の負担が少なく、アクセスも良い永代供養墓・納骨堂を上手に活用すれば、お墓の悩みから解放され、心穏やかに日々を過ごすことができます。

とはいえ、お墓は大切な安息の場所です。今回ご紹介したメリット・デメリットを踏まえ、ご自身やご家族にとって何が最適かゆっくり話し合ってみてください。現地見学や専門家への相談も活用し、ぜひ後悔のないお墓選びをしていただければと思います。どんな形であれ、大切なのは故人や先祖を思う気持ちです。その思いを大事にしつつ、時代に合った供養の形を選ぶ参考になれば幸いです。

 

 

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