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デジタル終活完全ガイド|SNSやネット口座、そのままで大丈夫?

近年、「デジタル終活」という言葉が注目されています。これはスマートフォンやパソコンに残されたデジタル遺品(SNSアカウント、ネット銀行口座、クラウド上の写真データなど)を、生前に整理しておく活動のことです。デジタル社会が進み、50~60代の方でも日常的にインターネットサービスを利用する機会が増えました。

それに伴い、もし自分が亡くなったあとにこうしたデジタル資産が放置されると、遺された家族が対応に困ったり思わぬトラブルになるケースが増えています。特に、ネット銀行の口座サブスクリプションサービス(定期課金の動画・音楽配信など)は手続きをしない限りずっと残り続けるため注意が必要です。

本記事では、50~60代の一般的なネット利用者の方に向けて、死後に家族が困らないようデジタル終活を進める方法を分かりやすく紹介します。大切なSNSアカウントやオンライン口座、パソコン内のデータ、ID・パスワード情報などを事前に整理するポイントを具体的に見ていきましょう。

1. SNSアカウントの整理方法

SNSアカウントをどうするか決めておこう

FacebookやInstagram、LINEなどのSNSは、私たちの思い出や人とのつながりが残る大切な場です。しかし、アカウントが亡くなった後も放置されていると、思わぬ形で家族や友人に負担をかけることがあります。

例えば誕生日になると、亡くなった方のSNSプロフィールに「お誕生日おめでとう」の通知やメッセージが届き、遺族の心を痛めてしまうケースがあります。また、長く使われていないアカウントは第三者に乗っ取られ、スパムや詐欺に悪用される危険も指摘されています。そうならないためにも、生前のうちに各SNSアカウントを「削除する」か「残す(追悼用に保存する)」かを決めておき、家族に自分の意向を伝えておくことが大切です。

主要SNSごとの対応策(2025年現在)

以下に、代表的なSNSについて死後のアカウント対応方法をまとめます。それぞれ事前に設定できる機能や、遺族が申請できる手続きが異なります。

  • Facebook(フェイスブック): 生前のうちに「追悼アカウント管理人」を指定する機能があります。自分に万一のことがあった際、その指定した人があなたのFacebookアカウントを管理したり投稿を残したりできます。また設定によって、死亡後にアカウントを完全削除することも可能です。Facebookを利用している方は、設定メニューの「アカウントの管理」から追悼アカウント管理人の指定や、死後のアカウント削除を選択しておくとよいでしょう。

  • Instagram(インスタグラム): Instagramには生前に指定する機能はありませんが、遺族が申請してアカウントを追悼アカウント」に切り替えることができます。また、近親者であればInstagram側に依頼してアカウント削除をしてもらうことも可能です。削除申請の際は故人との関係を証明する書類や死亡証明書などが必要になるため、Instagramを使っている場合は自分の希望(削除してほしい等)を遺しておくと安心です。

  • X(旧Twitter): Xも家族や遺産管理人からの申請によりアカウント削除に応じています。公式の削除依頼フォームに申請し、必要書類(申請者の身分証明書や死亡証明書等)を提出することで、運営側がアカウントを停止・削除してくれます。ただしXにはFacebookのような生前設定機能や追悼モードはなく、長期間未使用のアカウントは自動削除される可能性がある程度です。X利用者はログイン情報を家族に共有するか、削除手続きの案内を残しておくとよいでしょう。

  • LINE(ライン): 日本で利用者の多いLINEですが、2025年現在、LINEには故人のアカウントに関する特別な機能や手続きは提供されていません。利用者本人以外がアカウントにログインすることは基本的に想定されておらず、ご遺族であってもLINEの利用規約上アカウントを引き継ぐことはできません。何もしなければアカウントはそのまま残りますが、電話番号が他人に再割り当てされるとアカウントが消滅する場合もあります。もし故人のLINEアカウントを削除したい場合は、LINE公式の問い合わせフォームから削除依頼をする必要があります。一方で、生前に信頼できる家族へLINEのログイン情報(スマホのPINコード等)を共有しておけば、代わりに連絡の一斉通知をしたり大事なメッセージを保存するといった対応が可能です。LINEは特に事前準備が難しいSNSですので、スマホ自体のロック解除方法を伝えておくなどで対応しましょう。

  • その他のサービス: 最近ではTikTokなどを利用する中高年の方も増えています。TikTokには追悼モードはありませんが、遺族からの依頼で削除は可能です。また、Googleアカウント(YouTubeやGmailなど)をお持ちの場合、Googleの「アカウント無効化管理ツール」という機能を活用できます。これは一定期間アカウントにログインが無い場合に、事前に指定した連絡先に通知したり、アカウントのデータを共有・削除するよう設定できる仕組みです例えばYouTubeのチャンネルやGmailのメールがある方は、この機能で信頼できる人にデータを引き渡す設定をしておくと良いでしょう。

家族への引き継ぎをスムーズに

SNSごとに手続きが様々で少し複雑に感じるかもしれません。そこで、エンディングノートに「自分が亡くなったらこのSNSは削除してほしい」「このアカウントは残してもよい」など希望を書くとともに、必要なら各サービスの手順ページを印刷して残しておくと安心です。

例えば「Facebookのアカウント削除手順」(公式ヘルプページのURL等)をプリントアウトしてノートに挟んでおけば、ご家族が迷わず手続きを進められます。SNSは思い出の詰まった財産でもありますから、「どのアカウントをどうしてほしいか」をはっきりさせ、家族や親しい人に事前に伝えておくことがデジタル終活の第一歩です。

【内部リンク】https://babylog.co.jp/endingnote/

【内部リンク】https://babylog.co.jp/endingnote-2/

2. ネット銀行・証券口座の整理と注意点

オンライン金融口座をリスト化する

ネット銀行(オンライン専用銀行)やネット証券の口座をお持ちの方は、必ずそれらを一覧にして記録しておきましょう。従来の銀行口座なら通帳や書類が遺品として残りますが、ネット銀行の場合は紙の通帳が無く、ログインしないと残高すら確認できません。そのため、家族が故人のネット口座の存在に気付かず、資産が埋もれてしまうケースが多いのです。実際「故人がオンライン銀行を利用していたことに遺族が気づかず、口座に残ったお金が長期間放置されてしまった」という事例も報告されています。

口座情報が分からないまま長期間放置されると、その口座は「休眠口座」扱いとなり、一定期間後に資金が凍結されたり最悪の場合は引き出せなくなることもあります。そうならないためにも、楽天銀行、ゆうちょ銀行、SBI証券、楽天証券など自分が利用しているすべてのオンライン銀行・証券口座名をリストアップし、できれば口座番号や支店名、簡単な残高のメモも残しておくと良いでしょう。

死後の手続きと準備のポイント

金融機関の口座は名義人が亡くなると原則として凍結され、家族でも勝手に引き出しや取引ができなくなります。凍結解除や相続手続きのためには、各銀行・証券会社に連絡して戸籍謄本や死亡診断書など所定の書類を提出し、正式な相続手続きを踏む必要があります。

例えば楽天銀行の場合、家族が連絡すると口座を一旦利用停止にした上で必要書類の案内があり、書類提出後に口座の解約・払戻しが行われます。ゆうちょ銀行や他の銀行でも基本的な流れは同様ですが、ネット銀行は窓口がない分、まず電話やWebで問い合わせて書類のやり取りを行う形になります。

ネット証券(SBI証券や楽天証券など)でも、保有している株式や投資信託の名義変更・売却には家族からの申請と証明書類の提出が必要です。もし遺族が故人の証券口座の存在やログイン情報を知らなければ、相続の手続き自体が進まず、株式が売れない間に価格が下がって損をする可能性もあります。そうした事態を避けるため、証券会社名や口座番号、取引している銘柄のメモなどもエンディングノート等に記録しておくと安心です。

見落としがちな電子マネーや仮想通貨

銀行や証券口座以外にも、電子マネー・ポイント類や仮想通貨を利用している方は注意が必要です。PayPay(ペイペイ)や楽天ペイ、交通系ICカードのチャージ残高、ネット上のポイント(楽天ポイントやマイルなど)も立派なデジタル資産です。これらはパスワードがわからないと家族でも引き出せず、そのまま凍結・失効してしまうことがあります。特に仮想通貨(ビットコイン等)はウォレットの秘密鍵を遺さずに亡くなると、誰も資産を取り出せなくなり完全に失われるリスクがあります。

ご自身が現金以外にどんな電子決済サービスやデジタル資産を持っているか、一度棚卸ししてみてください。そして、それらも含めた「お金に関するデジタル遺産リスト」を作成しておきましょう。少額だからと放置せず、塵も積もればで合計すると大きな金額になる場合もあります。また、使っていない銀行口座やクレジットカードは終活の一環で解約しておくのも有効です。口座の数を減らしておけば、遺族が手続きに追われる負担も軽減できます。

3. パソコン・スマホ内のデータ整理とバックアップ

重要データはどこにある?

パソコンやスマートフォンには写真、動画、文書ファイル、連絡先など様々なデータが保存されています。まずは自分のデータを洗い出し、どこに何が保存されているか把握しましょう。

例えば「家族旅行の写真は〇〇年~〇〇年分がパソコン内の『写真』フォルダに」「銀行の電子通帳のPDFは外付けハードディスクにバックアップ済み」など、大まかにでも構いません。大切な写真や書類は必ずバックアップを取っておくことも重要ですバックアップ先としては、外付けハードディスクやUSBメモリにコピーしておく方法が手軽です。

特に写真データは思い出の宝庫ですから、定期的にパソコンから外付けディスクにコピーしておき、万一パソコン本体が壊れても写真が残るようにしておきましょう。バックアップしたディスクやUSBメモリは、ラベルを貼って「写真バックアップ」など中身が分かるようにし、ご家族が見つけやすい場所に保管しておくと安心です。

クラウドのデータにも注意

最近はスマホで撮った写真が自動でクラウド(オンラインストレージ)に保存されていることも多いです。代表的なものにGoogleフォト/ドライブ、AppleのiCloud、Dropboxなどがあります。クラウド上のデータは便利ですが、ログインIDやパスワードがわからないと遺族はアクセスできません。そのため、せっかく思い出の写真をクラウドに保存していても、ご家族がログインできなければ大切な思い出が取り出せなくなる可能性があります。

クラウドに写真や書類を預けている方は、そのサービス名とログイン情報も忘れずにリストに入れておきましょう(この点については次章「ID・パスワードの引き継ぎ」で詳しく述べます)。また、GoogleやAppleには先述のようにアカウント無効化管理(Google)やデジタル遺品アクセス連絡先(Appleの機能)といった、生前に指定した相手にデータを引き渡す仕組みがあります。余裕があればそうした公式機能を設定しておくのも良いでしょう。

不要データの整理と見られたくないデータ

終活では「身辺整理」がつきものですが、デジタルの場合も不要なデータはこの機会に削除してしまいましょう。使わないアプリや重複した写真、古いメールなどは思い切って消すことで、データ量が減りパソコンやスマホの動作も軽くなります。逆に「自分以外には見られたくないけれど、今は削除したくないデータ」がある方もいるでしょう。

例えば個人的な日記やプライベートな写真などです。このような場合は、そのデータを別の場所に移して家族に見つからないよう隠すか、あるいは万一の時に自動削除されるよう設定しておく方法があります。具体的には、クラウド上に秘密のフォルダを作りそこに保管しておき家族には知らせない、もしくはパソコン上では普段使わないフォルダ(例:「ごみ箱」内)に入れておくといった方法です。ただしこれだと完全に見つかるリスクを排除できないため、確実に隠したい場合は一定期間経過後にデータを自動削除してくれるアプリやサービスの利用も検討しましょう。

例えば指定した半年後にファイルを消去するようセットできるソフトなどがあります。ただ、こうした設定を自力で行うのが難しい場合は、基本的には削除しておくのが最善とも言えます。万が一ご家族が故人のパソコンを開いたとき、思いもよらないデータを見つけて悲しい思いをする…という事態は避けたいものです。デジタル終活では「見せたいもの」と「見せたくないものを仕分けし、見せたくないものは処分 or 厳重保管しておくことが大切です。

デバイスのロック解除方法を共有

パソコンやスマホそのものにログインするためのパスワードやPINコードについても配慮しましょう。家族にデータを託すつもりでも、そもそも端末のロックが解除できなければ中身を確認することすらできません。実際に「故人のスマホに暗証番号ロックがかかっており、連絡先が分からず知人に訃報を伝えられなかった」というケースもあります。

こうしたことにならないよう、信頼できる家族にはスマホのロック解除方法(数字の暗証番号や指紋認証の予備パスコードなど)を伝えておくと安心です。パソコンについても、起動時やスクリーンセーバー解除時にパスワード入力が必要なら、その情報をエンディングノートに書いておきましょう。セキュリティのため普段は他言しない情報ですが、「いざという時にここを見ればわかる」という形で鍵を残しておくことがポイントです。

4. ID・パスワードの引き継ぎメモ作成方法(紙とデジタル)とセキュリティ対策

ID・パスワードはデジタル遺品の鍵

これまで述べてきたように、SNSにしてもオンライン口座にしてもクラウドにしても、最終的にはログインIDやパスワードがわからないと何もできません。まさにID・パスワードはあなたのデジタル財産への「鍵」です。

そこでデジタル終活では、この鍵をどのように遺すかが最大のポイントになります。方法は大きく分けて「紙に書いて残す」か「デジタルデータとして残す」かの2通りがあります。どちらにせよ重要なのは、第三者に悪用されないよう安全に管理することです。

紙に書いて残す(エンディングノートの活用)

もっとも手軽で確実なのは、ノートや紙のリストにID・パスワードを書き残す方法です。市販のエンディングノートにはデジタル資産用の項目が用意されているものもありますし、普通の手帳でも構いません。書き写す内容は、主要なサービスの「サイト名/ID(メールアドレス等)/パスワード」です。銀行や証券の場合は口座番号や暗証番号も必要に応じて記載します。書き終えたノートは必ず厳重に保管しましょう。

具体的には、家庭用の耐火金庫に入れたり、銀行の貸金庫を利用したりする方法があります。なぜそこまでするかというと、ID・パスワードのリストは現金の通帳やハンコと同じくらい重要だからです。万一このリストが他人に盗まれたら、口座のお金を引き出されたりSNSになりすまされる危険があります。そうならないよう、保管場所は家族にも明かさず自分だけの秘密にしておき、自分に万一のことがあった際に初めて開封してもらうよう伝えておくと良いでしょう。

また、ノートに書いた内容は定期的に見直しが必要です。パスワードはセキュリティ上、時々変更することもありますし、新しいサービスの利用開始・解約もあるでしょう。半年~1年に一度程度はノートを更新し、最新の情報に保つようにしてください。更新日をノートに記録しておくと、ご家族も「この情報は〇年〇月時点」と判断できて安心です。

デジタルデータで残す場合

パスワード管理用のデジタルツールに慣れている方は、電子的な形でID・パスワード表を残す方法もあります。一つは、エクセルやワードで一覧表を作り、それ自体にパスワードをかけてファイル暗号化し、USBメモリなどに保存する方法です。ファイルにロックをかけておけば他人に開かれても中身を読まれません。

ただし、そのファイルを開くためのパスワードは別途伝えておく必要がある点に注意です。また、LastPass(ラストパス)や1Passwordといったパスワード管理アプリを使い、すべてのID・パスワードを一元管理している場合もあるでしょう。その場合は、そのアプリのマスターパスワードを家族に伝えるか、緊急連絡先機能(一定期間アクセスが無い場合に事前指定した人に情報を開示する機能)を設定できるものもあるので活用しましょう。

デジタルで情報を残す利点は、更新や編集がしやすいことですが、一方でファイル自体が消えてしまうリスクもあります。USBメモリが壊れたりパスワード管理会社のサービスが終了したりする可能性もゼロではありません。紙とデジタルの両方で用意しておくのがベストかもしれません。例えば紙のノートには主要なものだけ簡潔に書き、詳細や補足をデジタルファイルで残しておく、といった二本立てにしておくと安心です。

家族や信頼できる人と情報共有を

ID・パスワード一覧を用意できたら、信頼できる家族や代理人に存在を伝えておくことも忘れないでください。「自宅の机の引き出しにノートが入っている」「USBメモリを金庫に入れてある」などと伝え、後で見つけてもらえるようにします。ただし生前は中身を勝手に見られないよう、「もしもの時」に開けてもらう約束にしておきましょう。

また、場合によっては信頼できる弁護士や司法書士に預けておく方法もあります。特に金銭に関わる情報が多い場合、専門家に管理を依頼すれば安全性は高まります。いずれにせよ、せっかく残したリストが発見されなかったり開封されなかったりすると意味がありませんので、自分のデジタル情報の引き継ぎメモがあることをきちんと知らせておくことが大事です。

5. 死後のトラブルを防ぐための整理計画とチェックリスト

チェックリスト

最後に、デジタル終活をスムーズに進めるための整理計画の立て方と、確認すべき項目のチェックリストについて解説をします。いきなり完璧にやろうとせず、思いついたことから少しずつ取り組んでみましょう。以下のリストを参考に、できたものからチェックしていく形がおすすめです。

  1. デジタル資産の洗い出し: 自分が利用しているデジタルサービスをすべて書き出します。SNSアカウント、メールアドレス、オンライン銀行・証券、電子マネー・ポイント、クラウドストレージ、サブスクリプションサービス、その他(ブログや会員サイトなど)と、カテゴリ別にリストアップすると整理しやすいです。

  2. 各サービスの対応方針を決める: 1で洗い出した各項目について、自分の死後にどうするかを決めておきます。例:「Facebook…アカウント削除希望」「銀行〇〇…残高は長男に相続」「〇〇のサブスク…利用停止」。対応の仕方が分からないものは、公式サイトのヘルプを調べてメモしておきます。特に有料サービスは放置すると自動課金が続くので必ず解約・停止の指示を書き添えましょう。

  3. パソコン・スマホ内のデータ整理: 不要ファイルの削除や写真・書類のバックアップを行います。家族に見られたくないデータがある場合は前述の方法で対処し、重要データは分かりやすい場所にまとめます。例えば、「財産関連」フォルダに保険や年金の電子データ、「思い出写真」フォルダに家族写真を集約、など。紙の書類同様、デジタルの書類もカテゴリーごとに整理しておくと、いざというとき家族が探しやすくなります。

  4. ID・パスワードリストの作成: 上記サービスのログイン情報(ID/パスワード、口座PIN、スマホ・PCロック解除コード等)をまとめ、エンディングノート等に記録します。このとき各サービス名や用途も書いておくと親切です(例:「Apple ID(iCloud用)」「〇〇銀行(ネット専用口座)」など)。ID・パスワードは一見ランダムな文字列なので、どのサービスのものか分かるように明記することがポイントです。

  5. リストと重要データの保管方法を決定・実行: 作成したリストは紙なら金庫や貸金庫へ、データならパスワード保護してUSBメモリで保管など、安全な場所にしまいます。パソコン内に保存する場合は暗号化するか、少なくともファイル名を工夫して第三者に分からないようにします(例:「旅行計画.xlsx」と見せかけてパスワード一覧を入れる等)。また、バックアップを取った外付けHDDやUSBメモリも一緒に保管しましょう。複数セット準備できれば、一つは自宅、もう一つは離れた場所(信頼できる実家の金庫など)に置いておくと万全です。

  6. 信頼できる人への共有: 家族や親しい友人など信頼できる方に、「デジタル終活の情報をまとめたノート(またはUSB等)を○○に保管してある」「自分に何かあったら○○さん(専門家)に連絡してほしい」などと伝達します。可能であれば書面にも残し、複数人が知っている状態にしておくと安心です。

  7. 定期的な見直し: 年に一度程度、上記の内容を見直しましょう。新しく始めたサービスがあれば追加し、使わなくなったサービスはリストから外すか「解約済」と注記します。パスワード変更をした場合はリストも更新します。「毎年誕生日に点検する」など、自分なりのルールを決めておくと忘れずに実行できます。

以上が基本的なチェックリストです。一度に全部対応するのは大変ですから、できることから少しずつ進めてみてください。「とりあえず主要なSNSと銀行だけリスト化する」「まず写真のバックアップだけやる」といったように段階的で構いません。大事なのは、何もしないままにしないことです。

おわりに

デジタル終活は、決して難しいITの話ではなく、家族に後で迷惑をかけないための思いやりと言えます。この記事で紹介したポイントをまとめると、持っているデジタル財産を洗い出し、処分や引き継ぎ方法を決め、必要な情報を安全な形で残しておくことに尽きます。

普段からインターネットやスマホを使いこなしている50~60代の方なら、きっと問題なく取り組めるはずです。実際にデジタル終活に着手してみると、「自分にはこんなにたくさんのアカウントがあったのか」と驚くかもしれません。しかし、一つひとつ整理していけば心配も減り、残りの人生をより安心して過ごせるでしょう。

終活というと寂しいイメージを持つかもしれませんが、デジタル終活はむしろ今後の安心のための前向きな準備です。整理が進めば、ご家族にとってもあなた自身にとっても大きな安心材料になります。ぜひ今日からでも、無理のない範囲でデジタル終活を始めてみてください。小さな一歩でも、やがて大きな安心につながります。家族に笑顔で過ごしてもらうための「デジタル遺産整理」に、今から少しずつ取り組んでみましょう。皆さんのデジタル終活が円滑に進むことを願っています。

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