葬儀は多くの場合、突然訪れるものです。深い悲しみの中で慌ただしく準備を進めなければならず、遺族には大きな負担がかかります。
そこで役に立つのが、生前のうちに見積もりを取り、事前相談をしておく準備です。「小さなお葬式」は全国で利用できる定額制のサービスを展開しており、料金体系がわかりやすいことから多くの人に選ばれています。
本記事では代表的なプラン「小さな家族葬」を例に、見積もり依頼から事前相談、契約までの流れを整理しました。手順を知っておけば、もしもの時に迷わず動けるはずです。
見積もり前に考えておきたいポイント
「小さなお葬式」に葬儀の見積もりを依頼する際は、担当者への希望の伝え方によって提案内容が大きく変わります。形式や会場、宗教儀礼の有無などの希望を事前に整理しておくことで、相談がしやすくなります。
特に「小さな家族葬」では、セット内容がシンプルであるからこそ、事前に希望をまとめておくことが重要になります。準備段階で条件を担当者と共有しておけば、費用の見積もりがより正確になり、やり取りもスムーズに進むでしょう。
どんな形式で、どれくらいの人数か
まずは葬儀のスタイルを決めましょう。家族葬にするのか、一般葬や直葬を考えるのかで、必要な式場や進行が大きく変わります。
参列者の人数も重要で、親族中心なら20名程度、友人知人を含めれば数十名規模になることもあります。人数が見えていれば、座席や会葬品の数も想定できます。
形式と規模を合わせて考えることで、担当者に「このくらいの規模で」と具体的に伝えやすくなります。
家族葬と一般葬の比較完全ガイド
会場エリアをどう選ぶか
形式と人数が見えたら、どこで行うのがよいかを検討します。自宅近くを希望するのか、故人に縁のある土地を選ぶのか、あらかじめ候補を話し合っておくとスムーズです。
小さなお葬式では全国の提携式場から候補を示してもらえるため、希望エリアを指定すれば複数の案を出してもらえます。公営斎場を利用すれば費用を抑えやすい反面、利用条件や予約状況には注意が必要です。
会場の方向性を固めておくと、見積もり段階で比較しやすくなります。
公営斎場・民間斎場・自宅葬の違いと選び方
宗教や儀礼の要望を確認する
会場と同時に考えたいのが、宗教的な条件です。菩提寺がある場合や僧侶の読経を希望する場合は、必ず事前に相談しておく必要があります。
小さな家族葬は僧侶の手配を含まないため、必要なら別途依頼が必要です。
宗派によって作法が異なることもあるので、家族の間で共通認識を持っておくと安心です。一方で、無宗教形式を望む場合は、音楽や映像などの演出を加えるのかどうかも検討しておくとよいでしょう。
宗教面を整理しておくことが、後の行き違いを防ぎます。
優先順位をつけたい物品やサービス
宗教や式場の方向性が決まったら、必要に応じて物品やサービスの優先順位を考えます。具体的には、次のような要望が出やすいでしょう。
- 花を多めに飾りたい
- 棺を上質なものにしたい
- 返礼品をきちんと用意したい
こうした希望をあらかじめ整理しておけば、見積もりの際に追加料金を含めた総額を確認できます。家族で意見を出し合い、どこに力を入れるのかを話し合っておくと、予算の配分がしやすくなります。
準備段階で押さえておくべきこと
葬儀の形式・人数、会場エリア、宗教条件、物品やサービスの優先度——これらを事前に整理しておくことが、正確な見積もりにつながります。
あらかじめ方針を固めておけば、担当者の提案も的確になり、比較検討がしやすくなります。逆に条件が曖昧なままでは、候補が広がりすぎて判断に時間がかかります。
事前の整理こそが、見積もり依頼をスムーズに進めるための第一歩です。
資料請求と見積もり取得
見積もりの検討を本格的に進めるには、まず資料を取り寄せるところから始まります。
「小さなお葬式」では公式サイトからの申し込みと電話の2通りがあり、いずれも無料です。届いた資料には各プランの費用やサービス内容が整理されているので、家族で見比べながら検討できます。割引特典が受けられる点も見逃せません。
ここでは請求方法ごとの流れと、届く資料の内容を見ていきます。
Webでの請求方法
インターネットが使える環境なら、公式サイトの「資料請求」ボタンから専用フォームにアクセスできます。入力する項目は氏名・住所・連絡先など基本的なものだけで、数分で完了します。
資料は郵送かメールのいずれかを選択でき、郵送なら1〜3日で到着します。電子データを選んだ場合は、申し込み直後にPDFのパンフレットが送られてきます。
操作はシンプルなので、短時間で依頼を済ませたい方に向いています。
電話での請求方法
「ネットは苦手」という方には、フリーダイヤルからの請求が便利です。24時間365日スタッフが対応しており、夜間や休日でも申し込みが可能です。
電話では資料請求だけでなく、質問にも答えてもらえるため「葬儀のことがまったく分からない」という段階でも利用できます。郵送資料はWebと同様に数日で届きます。
オペレーターと話しながら進められる点が、電話での申し込みの大きな利点です。
届く資料の内容
実際に届く資料には見積書や案内冊子のほか、役立つ情報がまとめられています。
資料には以下のようなものが含まれています。
- 各プランの詳細と総額が記載された見積書
- サービス内容を説明する案内冊子
- 有料オプションや関連サービスのチラシ
- 資料請求特典の会員カード
- エンディングノート
これらを確認することで、プランごとの違いや追加費用の有無も把握できます。冊子や見積書を見比べながら読めば、自分や家族に合う内容がより明確になるでしょう。
割引特典の仕組み
小さなお葬式では、資料を請求した人に一律で5万円の割引が適用されます。以下は主要プランの料金です(※すべて税込)。
プラン名 | 通常価格(税込) | 資料請求後の価格(税込) |
---|---|---|
小さな家族葬 | 550,000円 | 495,000円 |
小さな一日葬 | 440,000円 | 385,000円 |
小さな火葬式 | 231,000円 | 176,000円 |
小さなお別れ葬 | 154,000円 | 99,000円 |
表にすると割引後の金額がはっきりわかるため、家族で比較しやすくなります。契約を急がなくても請求だけで割引の権利を得られるのは、大きな利点です。
小さなお葬式の割引制度まとめ|資料請求割、乗り換え割はどう使う?
資料請求のメリット
Webと電話のどちらでも資料を請求でき、数日で見積もりや案内書が手元に届きます。そこには料金表やサービス内容、オプションの情報がまとまっており、家族で検討する土台になります。
さらに、請求を済ませておくことで割引が受けられるため、実際に契約するかどうかは後回しでも、まず資料を手元に置いておくことに意味があります。
事前相談で確認しておきたい内容
「小さなお葬式」の資料に目を通すと全体像はつかめますが、細かな疑問や不安は残りがちです。その確認に役立つのが事前相談です。
事前相談では、費用の見積もりや会場条件、プランに含まれない費用の有無などを担当者に直接尋ねられます。棺や骨壺といった備品の具体像も確認できるため、イメージとのズレを防げます。
やり取りを重ねるうちに、漠然とした不安も次第に解消され、全体の流れが見えてきます。相談は無料で何度でも利用できるので、気になる点があれば気軽に尋ねられます。
費用の目安を具体的にしてもらう
事前相談でまず押さえたいのは費用の総額です。
同じ「小さな家族葬」でも、地域や式場によって火葬料や利用料が変わり、金額に差が出ます。例えば都市部では火葬料が高額になる傾向があり、地方では比較的抑えられることもあります。
見積もりを依頼するときには、以下のような条件をそろえて伝えると正確さが増します。
- 希望する地域や斎場
- 想定する参列者数
- 追加を検討しているオプション
条件を具体的に示してシミュレーションしてもらえば、家族の予算と実際の金額を照らし合わせやすくなります。
葬儀の見積書を徹底解説|知らずに損しない費用の見極め方
会場条件と搬送距離の確認する
会場の場所や搬送距離は、見積もりに直接影響します。
小さなお葬式の基本プランでは20kmまでの搬送が含まれていますが、それを超えると追加費用がかかります。たとえば病院から安置施設まで、あるいは式場から火葬場までの移動が20kmを超えると、その分が上乗せされる仕組みです。
事前に距離を確認しておけば、思わぬ追加料金を避けられ、見積もりも正確になります。
プラン外で必要になるものを洗い出す
プランに含まれない費用を把握しておくことも重要です。
小さな家族葬では、飲食や返礼品、控室利用料などが別料金になる場合があります。必要かどうかは参列人数や地域の慣習によって変わるため、事前相談で確認しておくと無駄な出費を避けられます。
チェックしたい項目の例は次のとおりです。
- 通夜振る舞いや精進落としの料理費用
- 会葬礼状や返礼品
- 控室や安置室の使用料
- エンゼルケア(湯灌やメイクなど)
こうした費用を早めに把握しておけば、予想外の出費を減らしやすくなります。
【2025年最新版】小さなお葬式で追加料金はかかる?含まれない費用と対策を徹底解説
備品やサービス内容を確認する
見積書に「棺や骨壺は一般的なもの」と書かれることがありますが、この「一般的」は葬儀社ごとに基準が異なります。
棺の材質や骨壺の柄、祭壇の飾り方など、可能であればカタログや写真を見せてもらいましょう。
希望に合わなければオプションで変更できますし、事前に把握しておけば当日に戸惑うこともありません。
相談を有効に使うために
事前相談では、費用・会場・プラン外費用・備品の確認といった要点をひとつずつ整理できます。疑問を解消することで不安が和らぎ、準備の方向性も明確になります。
相談は無料で何度でも行えるので、納得いくまで質問して問題ありません。無理に急がず、安心して話せる環境を整えることが、後悔のない葬儀につながります。
葬儀社との打ち合わせで必ず確認しておきたい10の質問
申し込みから契約までの流れ
事前相談で内容や費用に納得できたら、次の段階は正式な申し込みと契約です。
小さなお葬式では「生前契約サービス」という仕組みがあり、葬儀が必要になる前に契約して費用を支払っておくことができます。これによって、もしもの時に手続きが滞らず、残された家族の負担も軽くなります。
ここでは、生前契約を含む申し込みから契約成立までの流れを整理します。
契約書類を受け取る
資料請求で同封された申込書を返送すると、後日「契約書類一式」が郵送されます。内容は契約書・利用規約・支払い方法の案内・今後の流れを説明した文書などです。
届いた書類には、利用プランや金額が正式に明記されているため、必ず確認しましょう。不明な点があればこの段階で問い合わせておくことが大切です。
事前に把握しておけば、後の手続きで行き違いが起きる心配を減らせます。
契約書を返送して料金を支払う
内容を確認して問題がなければ、契約書に署名・押印し、必要書類をそろえて返送します。同時にプラン料金の支払いも行います。
支払いは主に銀行振込で、金額は申込んだプランの料金(例:「小さな家族葬」なら資料請求割引後の495,000円)です。振込控えは証明になるので必ず保管しておきましょう。
本人確認書類などが必要になる場合もあるため、案内に従って準備します。
契約完了と証明書・カードの受け取り
小さなお葬式が書類と入金を確認すると契約が成立します。数日以内に「成約証明書」と「契約者カード」が自宅に郵送され、これが契約完了の証となります。
契約者カードには契約者番号や連絡先が記載されており、葬儀を依頼する際に提示すれば、契約内容がすぐに確認されます。複数枚発行されるため、自分用と家族用に分けて保管しておくのが安心です。
契約者が一人暮らしの場合、家族や信頼できる親族にカードを託しておけば、急な時でもすぐに連絡・手配が進みます。契約者カードは単なる証明書ではなく、スムーズな引き継ぎをするための鍵となるのです。
契約の流れを把握しておく
申し込みから契約完了までは、次のような順で進みます。
- 申込書の返送
- 契約書類の受領
- 契約書類への署名・返送と料金の支払い
- 証明書・契約者カードの受領
全体で2〜3週間かかるのが一般的で、書類の往復や入金確認の期間を考えると、急ぎの状況には対応できません。余裕をもって動き出すことが重要です。
生前契約を済ませておけば、費用の支払い方法が確定し、当日の手配も速やかに行われます。特に高齢の親や一人暮らしの方の葬儀を想定している場合、事前に流れを把握しておくことはご家族の負担を大きく減らします。
契約を前倒しで済ませておくこと自体が、大切な備えのひとつといえます。
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契約時・準備時の注意点
契約を済ませてひと安心と思っても、見落としがあると想定外の負担が発生することがあります。
特に搬送距離や式場利用料など、料金表だけではわかりにくい部分は注意が必要です。また、契約後の扱い方や家族への伝え方も重要な準備になります。
ここでは、「小さなお葬式」の契約内容や事前準備で押さえておきたいポイントを確認します。
家族に知らせておく
生前契約を結んだことを家族や親族に共有しておかないと、いざという時に利用されない可能性があります。契約者カードは複数枚発行されるため、自分だけでなく信頼できる家族にも渡しておきましょう。
エンディングノートに「小さなお葬式で契約済み」と記しておくのも有効です。さらに、口頭で簡単に伝えておくだけでも混乱を防げます。家族が契約内容を理解していれば、実際の手配も滞りなく進められ、葬儀の進行にも余裕が生まれます。
搬送距離を確認しておく
小さなお葬式の基本プランでは搬送は20kmまで含まれています。これを超えると追加料金が発生します。
自宅から式場、式場から火葬場までの距離を確認しておくことで、余計な費用を避けられます。遠方での死亡や、希望する式場が離れている場合は特に注意が必要です。
事前にシミュレーションしてもらえば、追加料金の有無を事前に把握できます。想定していなかった負担が出ないよう、候補となる会場ごとに距離を確認しておくと安心です。
プラン外費用の有無を整理する
火葬料や式場利用料、安置室料などは地域や施設によって異なり、プランに含まれないことがあります。料理や返礼品も別途の手配が必要です。
事前に「どこまでプラン料金で賄えるのか」「何が追加費用になるのか」を担当者に確認し、必要に応じて見積もりに反映してもらいましょう。
こうした確認は総額を正しく把握するために欠かせません。地域の慣習によっては必須とされる項目もあるため、早めに洗い出しておくことが重要です。
備品の内容を事前に確認する
見積書に「一般的な棺」などと記されることがありますが、具体的な仕様は葬儀社によって異なります。
棺の材質や骨壺の大きさ、祭壇の形など、実際にどのようなものが用意されるのかを契約前に確認しておくと安心です。可能であれば写真やサンプルを見せてもらい、納得したうえで契約に進むと後悔を防げます。
備品は葬儀の印象を左右する部分でもあるため、こだわりがあれば早めに伝えて調整しておくとよいでしょう。
契約後の変更や解約について
契約を結んだ後に事情が変わり、プランを変更したり解約を検討したりするケースは珍しくありません。その際に慌てないためには、最初の契約時点で条件をしっかり確認しておくことが大切です。
解約や変更には違約金や手数料がかかることもあるため、事前に把握しておけば余計な負担を避けられます。生活環境や家族の意向が変わった場合でも、条件を理解していれば落ち着いて選択できます。
後悔を防ぐために、契約内容を理解しておくことが欠かせません。
事前に準備しておくことの意味
ここまで「小さなお葬式」を例に、見積もり依頼から事前相談、契約までの流れを確認してきました。葬儀は突然訪れることも多く、悲しみの中で手配を進めるのは大きな負担になります。
しかし、事前に資料を取り寄せて相談を重ね、契約まで済ませておけば、当日の対応が格段にスムーズになります。費用の目処が立ち、会場やプラン内容も整理されていることで、迷わず動けるからです。
また、生前契約によって支払いを済ませておけば、残された家族は金銭的な不安に振り回されず、故人との時間を大切に過ごせます。契約者カードや証明書が手元にあることも、連絡や手続きの出発点を明確にしてくれます。
プラン外費用や搬送距離など注意点はありますが、それらも事前相談の段階で把握しておけば、大きなトラブルにはつながりにくいでしょう。
葬儀の事前準備をすることは、家族が悲しみの中でも落ち着いて動ける環境を整えることです。まずは資料請求から始め、元気なうちに家族と話し合いを進めましょう。信頼できるサービスを選んでおくことが、いざという時に後悔のない見送りにつながります。