アフィリエイト広告を利用しています。広告掲載ポリシーはこちら

夫婦で別々のお墓はアリ? 意外と多い「別墓派」の理由と最新の供養スタイル

夫婦、別墓

日本では伝統的に、結婚した夫婦は同じお墓に入るのが当たり前とされてきました。多くの場合、夫の家(婚家)の先祖代々のお墓に妻も入る形となり、いわゆる「家墓」(家族・血縁ごとに一つの墓を代々継承する形)が中心でした。妻は結婚により夫の家の姓を名乗り、「○○家之墓」と刻まれた墓石に夫婦そろって入るのが当然と考えられてきたのです。こうした慣習は家制度(「嫁は婚家に入る」という考え方)に根ざしており、寺院の檀家制度と結びついてお墓を維持していく仕組みが長年続いてきました。

しかし、この「夫婦一緒に家のお墓に入る」という形式は法律で決まっているものではなく、あくまで慣習に過ぎません。現代では社会や家族の形態が変化し、この伝統的な家墓のあり方にも見直しが迫られています。

夫婦別々のお墓を望む人が増える傾向とデータ

夫婦別々、お墓

近年、「夫婦でも同じお墓に入りたくない」と考える人が少なからず増えてきています。実際、いくつかのアンケート調査データがその傾向を示しています。例えば、保険相談サービスが既婚者を対象に行った調査では、既婚女性のおよそ3人に1人が「夫と同じお墓に入りたくない」と回答しました。これは同調査の既婚男性の約7人に1人という割合に比べても、女性の方が明らかに高い数値です。回答理由として女性では「義父母と一緒だから嫌だ」「死んでまで一緒にいたくない」といった意見が上位を占めました。一方で男性でも約15%前後が「妻と同じ墓に入りたくない」と答えており、従来では考えにくかった男性側の意識変化もうかがえます。

さらに別の調査や報道では、既婚女性の約半数~6割が夫と別のお墓を望んでいるというデータも取り上げられています。これはいささか極端な数値にも思えますが、「死後離婚(しごりこん)」という言葉がメディアで話題になるなど、夫婦が死後に別々の道を歩む(別々の墓に入る)ことへの関心が高まっていることの表れと言えるでしょう。

こうした終活やお墓事情の多様化に関するアンケートでは、他にも伝統的なお墓離れを示す結果が見られます。例えば、先祖代々の墓を持たない人のうち「今後もお墓を購入しない」と答える人が6割近くにのぼった調査もあります。また、お墓を継ぐ人が「いない」と答えた人が約3割に達し、少子化の中で無縁墓(継承者のいないお墓)の増加や「墓じまい」が社会問題化していることもうかがえます。こうしたデータから、夫婦=同じお墓という固定観念が崩れつつあり、お墓に対する価値観が変わり始めている傾向が読み取れるでしょう。

夫婦が別々に供養される背景と主な理由

夫婦別々、供養、理由

夫婦で異なるお墓に入ることを希望する背景には、現代ならではのライフスタイルや家族観の変化が存在します。以下に、夫婦別々の供養を望む主な理由や事例を挙げてみます。

婚家との折り合いが悪い

妻が夫の家族(義父母)とうまくいっておらず、「意地悪だった姑と同じお墓は勘弁」というように、生前の人間関係のわだかまりから死後も同じ墓に入りたくないケースがあります。また夫婦仲そのものが冷え切っており、「なぜ死んでまで一緒にいなければならないのか」という感情から別墓を選ぶ人もいます。

夫の実家と縁を切りたい

結婚=夫の家に入るという旧来の概念が薄れ、家制度の崩壊とも言われる中で「夫の先祖は自分の先祖ではない」と割り切る考えも出てきました。夫の死後に姻族関係を法的に終了させる(死後離婚)手続きを取る女性もおり、婚家との縁もお墓もきっぱり断ち切りたいという思いが背景にあります。

実家のお墓に入りたい

妻が長女などで自分の実家の墓を大切にしたい場合や、自分の両親と同じお墓で眠りたいという希望から、婚家ではなく生まれ育った家のお墓に納まりたいケースもあります。特に実家に息子(跡継ぎ)がいない場合、娘である自分が実家墓を守り、自分もそこに入ることで両親を供養したい、と考える人もいます。

お墓の場所や宗教の問題

夫の実家の墓が遠方にあって将来お参りに行きづらい、知らない土地で眠るのは嫌だ、といった地理的な理由もあります。また夫婦で宗教・宗派が異なる場合、それぞれ信仰に沿った別のお墓・納骨先を選ぶこともあるでしょう。

家族構成の変化と負担軽減

核家族化が進み、子どもにお墓の維持負担をかけたくないという親心から、あえて夫婦それぞれが永代供養などを利用して「無縁でも管理してもらえる墓」に入る選択をすることもあります。特に子どもがいない夫婦や娘しかいない家庭では、伝統的な家墓に夫婦で入ってもいずれ継承者がいなくなるため、最初から夫婦別々に跡継ぎ不要のお墓を準備するケースが増えています。

価値観・終活意識の高まり

自分の人生の締めくくりを自分らしくデザインしたいと考える人が増え、「お墓も自由に選んでよい時代になった」との認識が広がっています。その結果、「お墓は要らないから散骨してほしい」「夫婦それぞれ好きな方法で供養されたい」といった個人の意思を尊重する傾向が出てきました。

以上のように、夫婦別々の供養を望む理由は人それぞれですが、その根底には家族観・結婚観の多様化先祖崇拝より個人の意思を重視する価値観の台頭があると言えます。かつては当たり前だった「夫婦一緒・家族一緒のお墓」も、現代では一種の選択肢に過ぎず、各家庭・個人の状況に応じて柔軟に考えられるようになってきたのです。

新しい供養方法と夫婦墓の多様な形

夫婦別々、樹木葬

こうした背景のもと、従来の家墓以外にも夫婦それぞれ、また夫婦二人だけで入れるお墓の選択肢が増えています。ここでは代表的な新しい供養方法やお墓の形態について、その特徴を紹介します。

近年では公園のような明るい雰囲気の樹木葬墓地も各地に登場しています。樹木葬とは、墓石の代わりにシンボルとなる樹木を墓標とし、その周囲に遺骨を埋葬する自然志向のお墓です。自然の中で眠りたいという希望から生まれた供養形態で、里山の森林に埋葬するタイプや、公園風に整備された霊園内で行うタイプなどがあります。多くは永代供養付きで後継ぎを必要としないため、夫婦だけで申し込んで利用することも可能です。また費用が従来のお墓より比較的抑えられる点や、緑に囲まれた開放的な雰囲気から、「子どもに負担をかけず自分たちらしく眠りたい夫婦」に選ばれています。

樹木葬とは?お墓の代わりに選ばれる理由と種類・費用まで解説

納骨堂とは、遺骨(骨壺)を屋内施設で保管・安置する供養方法です。ビル型やロッカー型のお墓とも言え、都市部でもアクセスしやすく管理が行き届いているのが利点です。近年の納骨堂はカード式の自動搬送型など近代的な設備も登場し、温度湿度管理や防犯にも優れています。多くの納骨堂は使用期間が契約で定められており、一定期間個別に安置した後は合同の場所に移される永代供養が付いているケースが一般的です。夫婦で隣同士の区画を契約したり、一つのロッカーを夫婦用として利用できたりする納骨堂もあります。屋内で天候に左右されずお参りできるため、高齢夫婦にも安心な供養形態と言えるでしょう。

永代供養墓(えいたいくようぼ)は、寺院や霊園など管理者が遺骨の供養・管理を子孫に代わってずっと行ってくれるお墓です。継承者がいなくても無縁仏にならない安心感から需要が高まっており、夫婦それぞれ個別に永代供養付きのお墓に入ることも可能です。永代供養墓には形態がいくつかあり、他の方の遺骨と一緒に合葬(合同埋葬)されるスタイルと、一定期間個別の区画で安置された後に合祀されるスタイルがあります。また、お墓の形も様々で、従来型の墓石を用意する場合もあれば、樹木葬型や納骨堂型の永代供養墓もあります。永代供養墓を利用すれば、夫婦が別々の場所に入っても遺族の管理負担が残らないため、お互いの実家と別の場所にそれぞれ入る場合や、子どもに迷惑をかけたくない夫婦にも適しています。ただし「永代」とはいえ永遠に個別供養が続くわけではなく、多くは33回忌や50回忌など一定期間で合祀墓に移されます。その後に遺骨を取り出せなくなる場合もあるため、事前に期間や供養内容を確認しておくことが大切です。

永代供養と納骨堂のすべて 跡継ぎ不要・管理不要のお墓とは?永代供養と納骨堂のすべて

合同墓・合葬墓(ごうどうぼ・ごうそうぼ)も最近増えている供養形態です。これは赤の他人を含め複数の遺骨を一つの大きなお墓にまとめて供養するスタイルで、公営霊園や寺院が設置するケースが多く見られます。永代供養墓の一種ですが、はじめから大勢で共同埋葬される点が特徴です。費用が安く抑えられる反面、「知らない人と一緒のお墓は抵抗がある」と感じる人もおり、好みが分かれるところではあります。ただ、夫婦や家族、友人同士で最初から合祀を前提に契約し、一緒のお墓に入ることも可能です。お墓参り用に個人名を刻んだプレートを設置できる合同墓もあり、個人や夫婦の名前を残しつつ管理はお任せできる点で注目されています。

この他にも、近年では散骨(遺骨を海や山にまく)や手元供養(遺骨や遺灰の一部を手元で保管して供養する)など、新たな供養の形も広がりを見せています。夫婦であえてお墓を持たず、散骨など自然に還る方法を選ぶ人も増えており、「お墓を持つこと自体が必須ではない」という考えも一般化しつつあります。ただ、散骨や手元供養は伝統的なお墓と違い遺族の心情や習慣にギャップが生じることもあるため、選択する際は家族と十分話し合っておく必要があります。

周囲の理解を得るためのポイントと伝え方

夫婦墓、話し合い

夫婦で別々のお墓に入ることを選ぶ場合、生前に家族や親族の理解を得ておくことが何より大切です。従来の習慣から外れる選択である分、きちんと説明し合意を得ておかないと、後に残された家族にとって混乱や負担の原因となりかねません。以下に、周囲を説得し円満に理解を得るためのポイントをまとめます。

1.夫婦間・家族間で事前によく話し合う

まず夫婦本人同士で、なぜ別々のお墓にしたいのか率直に話し合いましょう。その上で、子どもや近しい親族にも自分たちの意思を伝え、理解を求めます。死後の埋葬先は本人だけで決められることではなく、実際に手続きを行うのは残された家族です。希望通りにしてもらうには、生前の十分な話し合いが欠かせません。

2.実家のお墓に入る場合は了承を得る

仮に妻が自分の実家のお墓に入りたい場合、そのお墓の現在の管理者(墓の継承者)の同意が必要です。自分の親のお墓だからといって、勝手に遺骨を納めることはできません。親族間で後々揉め事とならないよう、「婚家ではなく実家の墓に入りたい」という希望を双方の家族に伝え、理解してもらうことが大切です。

3.子どもへの負担増について配慮する

 夫婦でお墓を別々にすると、子どもや親族がお墓を二カ所管理・お参りする負担が増える可能性があります。特に離れた場所に二つのお墓がある場合、維持費や墓参の手間が二倍になる点は避けられません。そのため、永代供養墓散骨を利用して「子どもに管理させない形にする」「近場で負担の少ない形にする」など、遺族の負担軽減策も併せて検討・提案するとよいでしょう。「自分たちはそうしてほしいが、あなた達(子ども)には極力迷惑をかけないように手配する」という姿勢を見せれば、家族も安心し賛同しやすくなります。

4.公正証書やエンディングノートに意思表示を残す

口頭で伝えるだけでなく、文書に自分の意思を書き残しておくことも有効です。エンディングノートや遺言状、公正証書等に「自分の遺骨は○○に納めてほしい」「夫(妻)とは別のお墓で構わない」などと明記しておけば、いざという時に家族も判断しやすくなります。生前契約が可能な永代供養墓であれば、自分で契約まで済ませておくのも一つの方法です。

5.必要に応じ法的手続きを検討

極端なケースですが、夫側の親族との関係が悪くこのままだと半ば強制的に婚家の墓に入れられてしまいそう、といった場合には、姻族関係終了届の提出(いわゆる死後離婚)を検討する方法もあります。これは配偶者が亡くなった後、配偶者側の親族との姻族関係を法的に断つ手続きで、提出すれば義理の両親や兄弟姉妹との縁を切ることができます。この届出自体は生前に出すことはできず、また一度出すと撤回できないため慎重な判断が必要ですが、「夫の親族に勝手に自分の遺骨を動かされたくない」といった不安がある場合は頭の片隅に置いておくとよいでしょう。ただし、多くのケースでは家族の話し合いで円満に合意可能ですので、法的手段は最終手段と考えるのが賢明です。

6.自分の思いと感謝を率直に伝える

説得の際には、なぜその供養方法を望むのか自分の気持ちを丁寧に話すことが大切です。「自分は〇〇の土地に眠りたい」「先祖代々のお墓を守りたい気持ちがある」などポジティブな理由とともに、「あなた達家族にこうしてほしい」という願いを感謝の気持ちとともに伝えましょう。ただ「一緒のお墓は嫌だ」という否定的な言い方をするのではなく、「こうする方が自分らしくいられるし、皆にも負担をかけずに済むと思う」と前向きに説明すれば、きっと理解も得られやすくなります。

多様化する価値観と「自分らしい供養」のあり方

少子高齢化や核家族化、価値観の多様化が進む現代日本において、お墓や供養の形は今まさに大きく変化の途上にあります。かつては画一的だったお墓のスタイルも、人々のライフスタイルや信条に合わせて様々な選択肢が登場しています。例えば、趣味や人生観を反映したユニークなデザインのお墓を建てる人が現れたり、血縁以外の人と共同のお墓に入るケースが出てきたりと、「供養にも自分らしさを求める時代」になりつつあります。

夫婦で別々の墓に入るという選択も、そのような多様な価値観の一つと捉えることができます。終の住処をどこにするかは本来きわめて個人的な問題であり、夫婦といえど死後まで行動を共にする義務はないのです。愛する相手であっても、それぞれが納得できる場所で安らかに眠りたいと思うのは不自然なことではありません。大切なのは、お互いの気持ちを尊重し合うことと、残される家族に迷惑をかけないよう十分に配慮することです。

「自分らしい供養」を実現するためには、早い段階から終活として話し合い準備を進めておくことが鍵になります。お墓の形態一つとっても、家墓・夫婦墓・個人墓・永代供養・散骨など数多くの選択肢があります。周囲の意見にも耳を傾けつつ、自分たち夫婦にとって最善だと思える方法を見つけましょう。そのプロセス自体が、人生の最終章をより充実したものにしてくれるはずです。

そしてたとえ夫婦が別々のお墓に眠ることになっても、生前に築いた絆や思い出が消えるわけではありません。形は離れていてもお互いを想い合う気持ちがあれば、きっとそれぞれの場所で安らかな眠りにつけることでしょう。大切なのは形式よりも心です。伝統にとらわれすぎず、自分たちらしい供養のあり方を夫婦で話し合ってみることこそ、これからの時代の賢い選択ではないでしょうか。多様化する社会の中で、お墓も「こうあるべき」から「こうあっていい」へ。夫婦それぞれが納得のいく形で旅立てるよう、今一度ゆっくり話し合ってみてください。きっとその先に、あなたとあなたのパートナーにとって最もふさわしい供養の形が見つかることでしょう。

葬儀の依頼・相談・資料請求は小さなお葬式へ!24時間365日受付

0120-701-754

資料請求で最大3万円割引!