「今の時代は何回忌まで弔うのが一般的なのだろう?」
「一周忌には、どのようなご供養方法で弔えばよいのだろう?」
「親族であっても、喪服で参列するべきなのだろうか?」
この記事では、四十九日後に行われる「年忌法要」の基本を詳しく解説していきます。
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また、一年に二つ以上の法要が重なった場合の「併修(へいしゅう)」と、最後の「弔い上げ」までをわかりやすくまとめてみました。
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では、さっそくみていきましょう。
目次
そもそも法要とは?
ご遺族が故人を偲んで冥福を祈る儀式を「法要」といいます。
法要には、次の2種類があります。
- 追善法要
- 年忌法要
「法要」はときに「法事」ともいわれますが、意味はほとんど同じと考えて問題ありません。
追善法要とは
故人が亡くなってから四十九日までの7日ごとの法要を「追善法要」と言います。
そして、「追善法要」の最後となる「四十九日法要」を「忌明け法要」と言います。
この「追善法要」では、先方から「礼服でお越しください」といった案内がない限り、喪服で行くのが基本となっています。
忌明けの「四十九日法要」はこちらをご覧ください。
最も重要な法事・忌明けの「四十九日法要」のまとめ
年忌法要とは
一方、「年忌法要」は、忌明けとなったあとの命日(祥月命日)ごとに行われる法要です。
故人の亡くなった日数だけを指すのが「月命日(つきめいにち)」です。それに対して、故人の亡くなった月日を「祥月命日」では表しています。
例えば2月17日に亡くなれば2月17日が「祥月命日」となります。
年忌法要の基本
いま申し上げた通り、年忌法要は故人の祥月命日(しょうつきめいにち)に行われる法要です。
法要の場所は、
- ご自宅
- 菩提寺
- 霊園の法要室
主な年忌法要
故人が亡くなってから1年後に行われるのが「一周忌」です。
その後は、
- 三回忌
- 七回忌
- 十三回忌
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二年目なのになぜ三回忌?
没後一年後の年忌法要は「一周忌」です。
しかし、二年目からは亡くなった年を一年目とする「数え年の数え方」になるため「三回忌」となります。
三回忌以降は全て数え年なので、年忌の数から1を引いた数が没後の年数となっています。
年忌法要の「併修(へいしゅう)」
回忌の近い「年忌法要」が一年に二つ以上重なった場合に、別々の故人であっても一度に同時に行う法要を言います。
「併修」は、「合斎(ごうさい・がっさい)」とも言われます。
「併修/合斎」とするメリットは以下の通りです。
「併修/合斎」を行うメリット
年を追うごとに法事・法要の回数は増えるものです。
法事に参加する人も施主や家族にとっても負担が大きいものです。
そこで「併修/合斎」することで同じ年の年忌法要を一緒におこなえ、施主や喪主の準備の負担を減らすことができます。
また、参列者側においても遠方からの移動や宿泊の費用、香典や供物などの金銭的、肉体的な負担を減らすことが可能です。
「併修/合斎」を行うケース
以下の場合、「併修/合斎」とすることが多くなります。
- 喪主の子どもが「父の七回忌」と「母の十三回忌」など、夫婦としてまとめて行う場合
- 三十七回忌、五十回忌など喪主もそのまわりの親族も故人のことを覚えている人が少ないときに一緒におこなう場合
ただし、原則同じ年度の年忌法要のみです。
また故人の祥月命日までに行う必要がありますのでご注意ください。
「併修/合斎」ができるのは七回忌から
地域や宗派によりますが、「併修/合斎」は、一周忌、三回忌を避けるのが原則です。
三回忌までの法要は故人一人のために個別に執り行うのが良いとされるためです。
どうしても三回忌以前で「併修/合斎」を望む場合は、菩提寺などに相談の必要があるでしょう。
「併修/合斎」の日程の決め方
日程の決め方は大きく二つあります。
- その年の早い方の「祥月命日」に合わせる
- 後に亡くなった方の「祥月命日」に合わせる
前者は、「7月に祖父の命日」「12月に祖母の命日」の場合であれば、「7月の祖母の命日」に合わせます。
後者は、「七回忌の母」と「十三回忌の父」の場合であれば、「七回忌の母の命日」に合わせます。
以上の法要の日程は、お寺に確認をとり相談して決めていきましょう。
「併修/合斎」のお布施
二人分の法要を、一度に行うとしたらお布施にいくら包めばいいのか。
お布施は2倍を包んだからといって2倍の長さの読経がされるわけではありません。
そのため、お布施に包む額の目安は1.5倍とし、単独よりもやや多めで良いとされます。
併修/合斎の案内状
案内状には、併修/合斎を行う旨を示しておきます。
故人の名前をそれぞれ回忌数が少ない方から明記します。
もちろん、身内のみで行う場合には七回忌以降のため案内状は不要です。
菩提寺の了承を得る
以上は一般的な併修/合斎の原則です。はじめてであれば、親戚も中でも反対する意見があるかもしれません。また菩提寺の宗派など考えによります。
基本的には、同じ年に行われる法要のみが「併修/合斎」の対象ですが、場合によっては違う年であっても了承してくれる可能性もあります。
併修/合斎を検討されている際には、まずは僧侶や菩提寺の住職に相談してみてください。
弔い上げ
弔い上げとは
弔い上げは、年忌法要の最後に行われる法要です。
宗派にもよりますが、故人が亡くなった年を含めた33年目の「三十三回忌」が弔い上げになるのが一般的となっています。
ただし、「五十回忌」を弔い上げとする地域もあります。
なお「弔い上げ」は、
- 上げ法事
- 上げ法要
- 問い上げ
- 問い切り
- 揚げ斎(あげどき)
なぜ弔い上げがあるのか
なぜ弔い上げがあるかというと、30年や50年も経つと生きていた当時の故人を知っている人がほとんどいなくなるためです。
また「三十三回忌法要」が弔い上げに一般的なのは、ご両親の弔い上げとなる頃には喪主となるその子どもがご両親と同じ年代になることから、弔い上げを行えなくなる可能性からです。
葬儀に会葬される方も高齢化していき法事・法要が困難になることから、「三十三回忌」または「五十回忌」を一区切りとして打ち切っていきます。
現代の弔い上げの実情
現在では核家族化が進み、近所との付き合いも希薄になっていることから、三十三回忌よりも早い「十七回忌」などのタイミングを弔い上げとする傾向が増えています。
また超高齢化によって非常に高齢で亡くなる方が多いことも、弔い上げによる打ち切りが早まっている要因のひとつです。
弔い上げはいつもよりも盛大に
弔い上げでは、通常の年忌法要よりも盛大に行います。
基本的な内容は通常の年忌法要と同じく
- 喪主の挨拶
- 読経
- お焼香
- お墓参り
宗派によっては参列者への食事の振る舞いが豪勢になります。また、お布施がこれまでより多くなったりします。
ただし、近年では比較的簡素に行われる傾向にあるようです。
弔い上げの後にやること
弔い上げのあとは、今後年忌法要を行わないため、以下を行っていきます。
1、位牌や仏壇の片付け
弔い上げのあとは位牌から魂が抜けて先祖代々の位牌に移ると考えられることから、お寺などでお焚き上げをしていきます。また仏壇も必要でなくなれば、魂抜き(閉眼供養)をして片付けていきます。
2、永代供養の手続き
個別墓にご遺骨が納められている場合、先祖代々の墓に遺骨を納めたり、合同墓に合祀して永代供養とすることができます。
永代供養の場合は、お寺によってそれぞれの管理費用がかかりますのでご確認ください。
いずれも合祀されたあとは個別に取り出せませんでのよく話し合ってから決めていきましょう。
主な年忌法要
一周忌
没年の一年後の法要です。
一般的にはこの日までが「喪中」になります。
中陰法要の四十九日と年忌法要の一周忌・三回忌は法要の中でも重要で、省略されることは少ない傾向です。
三回忌
没年の二年後の法要です。
三回忌から数え年の数え方になるので、◯回忌から1を引いた数が亡くなってからの年数になります。
一般的には三回忌以降、徐々に法要の規模を小さくしていきます。
七回忌
没年の六年後の法要です。
家族のみで行われることも多く、また最近では省略されることもあります。
七回忌以降は年忌法要の併修を行っても良いとされています。同じ年に年忌法要が被っている場合は菩提寺と相談してみましょう。
十三回忌
没年の十二年後の法要です。
十二支が一巡することや、「三」を重要視することから法要が営まれます。
最近では省略されることも多いです。
その他の年忌法要
- 十七回忌
- 二十三回忌
- 二十五回忌
- 二十七回忌
また、弔い上げを三十三回忌か五十回忌にするかや、地域や宗派によって、行われる法要に差があります。
三十三回忌
一般に最後の年忌とされ、三十三回忌を弔い上げとしています。
弔い上げとなった場合は、その故人の位牌を片付け、「先祖」として合祀されます。
弔い上げは地域や宗派にもよりますが、通常の年忌よりも盛大に行われる事が多いです。また、五十回忌を弔い上げとする地域もあります。
五十回忌
五十回忌を弔い上げとする地域もあります。
この場合は、
- 三十七回忌
- 四十三回忌
- 四十七回忌
まとめ
いかがでしたか?
ここまで「年忌法要」について一周忌から「弔い上げ」までを詳しく解説してきました。
法要参列においては、服装や香典なども考えなくてはなりません。そして大事なのは故人を偲び、ご遺族に寄り添う気持ちです。
そのための法要や葬儀のマナーなどはこちらの記事にまとめてあります。
葬儀や法事で恥をかかないための服装・喪服・持ち物のマナーまとめこの記事が法事・法要のお役に立てましたら幸いです。