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ベビログをスタートしたのが2007年1月。
当初はベビログの想いを伝えるために、様々なビジネスプランコンテストに出たり、多くの方の前でPRすることに努めてました。
そして、マスコミにも取り上げられるように努力してきました。
私は公務員から独立したということもあり、何の人脈もなくまったくのゼロからのスタートでした。
当時から親身になって応援してくれる方はいてましたが、やはりベビログを日本中に広めるほどの人間関係を築くことができていませんでした。(当たり前と言えば当たり前ですが(汗))
自分の想いなんて、そんなに簡単に広がってくれるものじゃないという諦めがここ数年続いていたようにも思います。
しかし、私も起業準備をはじめて独立してから、間もなく丸5年。
ウズウズのような勉強会も主宰したりして、私にも新たなたくさんの素敵な仲間ができました。そして、今、想いが伝わりやすい社会にもなってきているように思います。
ベビログの想い、そしてこれまでの歩みを一度ここで立ち止まり振り返ってみたいと思います。

幸せな家庭を求めて公務員へ

私の子ども時代は少々と言いますか、結構複雑な家庭環境にありました。
ですので、私の人生の目標は高校生のときから「幸せな家庭を築く」ということでした。
幸せな家庭を築くにはどうすればいいのか?

私が出した答えは、安定した生活を送れる状態を作るということでした。

大学3回生になり、周りが就職活動に励む中、私は一切就職活動せず公務員試験の勉強だけをしていました。
”幸せな家庭を築くには公務員しかない”という思いで公務員しか見えていませんでした。
しかし、1年ぐらい勉強したら何とかなるんじゃないか、そんな気持ちで勉強していたからでしょうか受けたところすべて全滅。
そして悪いことは重なるもので、家庭のごたごた、そしてあげくの果てにはそのときに付き合っていた彼女にも振られる始末。
そのときは自分ほど惨めなやつはいないんじゃないかとかなり落ち込んだことを覚えています。
しかし人間強いもので落ちるところまで落ちると這い上がるしかなく、私は就職浪人をして再度公務員試験を受ける決意をしました。
そのときの生活がこれまでの人生の中で一番しんどかった時期だと思います。
ひどい貧乏生活で一杯のかけそばではないですが、一袋70円のラーメンを母、姉、私の3人で分けてすすったこともありました。
そんなに苦しい生活をしているのに、自分は働かずに何をしているんだとものすごい葛藤がありました。
しかし、こうなった以上絶対に次の試験に受かるしかなく、必死に勉強しました。
そして何十倍もの競争率を突破し無事次の年の試験に合格することができたのでした。

妻との出会い、家族を持つ

無事、公務員になれた私は就職当初は特に何の不満もなく生活を送っていました。
休みの日は友達とテニスサークルを作り、公務員らしく特にプライベートが充実してました(笑)
実はこのテニスサークルが私がインターネットにのめり込むきっかけになり、起業するきっかけにもなったんじゃないかとも思っています。
そして何より大きな出来事は、このテニスサークルに妻が来て、私たちは付き合うようになり、そして1年後に結婚しました。
つまり家族ができ、私の夢への第一歩がスタートしたのです。
過去の記事)「サークルの立ち上げが起業につながった?!」

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公務員から起業へ

安定した給料、帰宅する時間も早い。何も言うことがないように思えるかもしれません。
しかし私の心の中は乱れてました。
法律に基づいてこなしていく仕事、非効率的な事務作業、また、働き過ぎると上司から怒られることも。
おのずと、ここに身を置いていても自分が成長できない。そう強く感じるようになりました。
1日の3分の1の時間を納得できない中、過ごすことは耐えることができませんでした。
仕事は仕事で割りきって、プライベートを楽しめばよかったのかもしれません。
しかし、私にはそれができませんでした。
公務員として働き出して、2,3年たったころ、私は妻にとても耐えられない。独立したいということをすでに話してました。
しかし、私の夢は「幸せな家庭を築く」ということです。
自分のことだけを優先して、家族を路頭に迷わせることだけはできません。
そこで妻と話し合い、十分に起業できる準備が整えば、独立しようということを決めました。
そして、その決めた準備が整うまで5年かかりました。
私だけでなく、妻も必死にがんばってくれました。

過去の記事)「スムーズに起業するには」

準備が整ったときにはすでに子どもが生まれ、2歳になっていました。
大きな不安もあったと思うのですが、妻は快くGoサインを出してくれました。(涙)

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起業準備からベビログ誕生へ

2006年4月、8年近く勤めた市役所を退職し、私は大阪市の外郭団体大阪産業創造館の創業準備オフィス(現立志庵)というところに入居しました。
ここは起業をする人を支援してくれる場所で、それまで公務員しかしたことない私はビジネスの「ビ」の字も分からないわけで、いきなり起業するのは余りにも危険だろうということでそこで様々なことを6ヶ月間学びました。
この6ヶ月間で同じように起業を準備している仲間、そしてコンサルタントの方と共に事業プランをブラッシュアップさせていく中で生まれたのがベビログのプランでした。

過去の記事)「こなところで起業準備してます」

私の夢「幸せな家庭を築く」ということとも密接につながるサービスで、これをやるために私は生まれてきたんだという想いにもなっていました。
しかし、決心するまで1ヶ月近く、本当にこのサービスを立ち上げるべきなのか非常に悩みました。
大きな理由は費用でした。
このシステムを立ち上げるのに当時ウン百万円かかりました。
ユーザーが集まるか分からないものにそれだけの費用を今の自分がかけていいのか、 家には幼い子どもが待っているわけで簡単に決断できる金額ではありませんでした。
ほんとに悩みました。
悩んで悩んで1ヶ月近く悩みましたが結局自分で答えを出すことができませんでした。
そしてお世話になっているコンサルタントの方に相談した結果、事業計画書を書くことで自分のプランを見つめなおしてみてはとのアドバイスをいただきました。(ただし決めるのは自分だと)
事業計画書のひとつひとつの項目をつぶしていく中、やはりこのサービスは、たくさんの方に喜んでもらえる、そして、社会に役立つサービスだと、そして何より自分自身が一番使ってみたいサービスだと再認識する形になりました。
その夜、私は妻に自分の気持ちを打ち明けました。
妻は最後まで聞き終わると、
「あなたがそこまで考えているなら私はあなたを信じる。」と一言いってくれました。
私の気持ちは固まりました。
さらに妻は、後日次のような言葉もかけてくれました。
「お客様に幸せを感じてもらえるサービスは家族をおろそかにするような人には決してできない。家族を大切にするあなたならきっとできると思う。」と。
ここで私の人生の目標である幸せな家庭を築くということ、それが経営理念として一致するものになりました。
そして、そこからベビログが少しずつカタチになっていくのでした。

ベビログ誕生

ベビログをカタチにしていく中でいろんな山谷がありました。
ここにも書けないことがたくさんありました。
眠れない日、食べられない日、情けなくて、悔しくて涙した日….
でも、その度に多くの仲間が助けてくれました。
自分の事業を二の次にしてまで協力してくれた仲間。
朝から晩までベビログのテストに協力してくれた仲間。
落ち込んでいる私を必死に励ましてくれた仲間。
みんながいなければ決してできなかった「ベビログ」です。
みんなのおかげでベビログはついに2007年1月にベータ版をリリースしました。
(ベビログの構想から8ヶ月かかりました。)

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私は今でもベビログを共につくってくれた皆様に感謝の意を込めて協力してくれた方の名前をベビログの中に残させていただいています。

ベビログへの想い

私は今、ベビログを次のような想いで運営しています。
昨今、社会では親子間の痛ましい事件が頻発しています。
それは意志の疎通がおろそかになっており、親の愛情を感じることができないことが起因しているように私は感じています。
「子どもに親の愛情を感じてもらうこと。」
それには幸せな瞬間をより感動の残るものとし、それが形として残り、いつでも思い起こしてもらい、幸せな瞬間を追体験してもらうことが重要なことではないかと考えます。
家族間の意志の疎通がおろそかになっている現状はテレビ、テレビゲーム、インターネットといった文明の進化が生み出した娯楽がひとつの原因としてあり、中でもインターネットはそこから何でも手に入れることができることから、ひきこもりや家族のコミュニケーションを阻害している大きな一因になっているように私は考えます。
しかし、インターネットはこれからの時代欠かせないものであり、今後ますます活用されることは明らかなことです。
それならば悪い面に注目するのではなく、良い面の特性を生かして家族の絆を強めることはできないのかという思いから「ベビログ」の運営を開始しました。
ベビログには成長を記録するために、様々な機能がついています。
しかし、ベビログは子どもの成長を記録するものだけではありません。
両親、おじいちゃんやおばあちゃんをはじめとした、子どもを愛するみんなの思いを残すことができるもの、そして子どもがどれだけ愛されているか気づくことができるもの、そして家族間のコミュニケーションをはかることができるツールとして作成しました。
ベビログのコンセプトですが、それは”家”です。

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現代社会は核家族が大半となり、家族間のコミュニケーションがおろそかになっています。
空間的に離れていても、ベビログという同じ屋根の下で思い出を一緒につくっていき、そして共有する。
そうすることで、子どもの成長というものを軸に家族間のコミュニケーションがはかることができます。
社会の一番基礎となる家族。
「家族が幸せになれば社会も幸せになる」
そうした思いを理念とし、ベビログを運営してきました。

これからのベビログ

ベビログから幸せな家族の輪がふわりふわりと出てくる、そして、ベビログを抜け出して、それが社会にまで広がっていく。
私はそんなサービスになればいいなといつも考えています。

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しかし、収益をほとんだ出すことができないため、システムは完成した当時からほぼ変わらず時代遅れなものになってしまっています。
思い返すと、こうした想いを伝えることを辞めていたのも、声を大にして皆さんに進められるサービスになっていなかったからもしれません。
私は今年はベビログをじいじもばあばも誰もが簡単に使うことができる、本当に家族の幸せが生まれるサービスにしたいと考えています。
正直なところ、いろんな面で厳しいところはあります。
しかし、「旗を立てれば人が集まる」時代になってきたとも感じています。
もう一度旗を立ててベビログをつくり直していこうと決意しました。
もし私の想いに共感しくれる方がいらっしゃいましたら、どんな些細なことでも結構ですのでご協力いただけるとこんなに嬉しいことはありません。
これからも、「家族の幸せが社会の幸せ」という強い想いとともに、ベビログを運営していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

 

板羽 宣人

 

公務員から起業して、(株)ベビログという小さな会社を経営しています。Eコマース、電子書籍出版事業などWEBサービスの運営をメインにやってます。2011年から国内外で季節にあわせて家族で住む場所を変えて生活(ワーケーション)をしています。妻とイギリスへの高校留学中の息子の3人家族。
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